金曜日, 3月 25, 2011

シノーポリ サロメ

 シノーポリで以下のサロメを聴いている。サロメの人格のみならず、音楽そのものの作り方が、美しく上品な面とおどろおどろしく妖艶な面を巧みに均衡、共存させている。その匠の演奏は見事の一言に尽きる。こういう演目でのシノーポリの分析力、構築力はなんとも凄い。

(いま聴いている演奏)HMV レビューから引用

シノーポリ/『サロメ』全曲

1990年、シノーポリがベルリン・ドイツ・オペラを指揮したライヴが待望の復活。主役サロメに同役のスペシャリスト、マルフィターノを向かえ、ヘロディアス役にリザネク、ヘロデ役にヒースターマン、ヨハナーン役にエステスと、きわめて充実したキャストも話題を呼んだものです。演出は、ユニテル製作のオペラ映画の監督としても知られているペトル・ヴァイグレです。

・R.シュトラウス:楽劇『サロメ』全曲

 キャサリン・マルフィターノ(S:サロメ)
 ホルスト・ヒースターマン(T:ヘロデ)
 レオニー・リザネク(M:ヘロディアス)
 サイモン・エステス(B:ヨハナーン)
 クレメンス・ビーバー(T:ナラボート)
 カミール・カバッソ(M:小姓)、他

 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
 ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)

 演出:ペトル・ヴァイグレ
 美術:ヨゼフ・スヴォボダ
 衣装:ヨゼフ・イェリネク
 振付:ベルント・シンドウスキ
 
 収録:1990年4月 ベルリン・ドイツ・オペラ[ライヴ]

 収録時間:109分

(参考)あらすじ

【全1幕】
 時は西暦30年頃、舞台はイェルサレムのヘロデ王の宮殿。サロメは王妃ヘロディアスの娘で、ユダヤ王ヘロデは義父にあたります。このヘロデというユダヤ王は、サロメの実の父でもある兄を殺し、ヘロディアスを自らの妻としていました。
 宴の席で、ヘロデ王にいやらしい目つきで見つめられていたサロメは、満月に照らされたテラスに逃れてきました。すると、テラスの地下から不気味な声が聞こえます。ヘロデ王によって隠し井戸に幽閉されていた預言者ヨハナーンの声でした。
 この声に興味を持ったサロメは、若い衛兵隊長ナラボートに隠し井戸のフタを開けるよう命じます。王から禁じられているにもかかわらず、ナラボートはサロメの妖艶な美しさに心を奪われ、ヨハナーンを外に出してしまいました。
 しかし、井戸から出てきたヨハナーンはサロメの母ヘロディアスの近親婚の罪をとがめるだけで、サロメの誘いには目もくれません。サロメがくちづけを求めると、ヨハナーンは呪われよと言い捨て井戸の底へと戻っていきました。
 
 サロメのことを追ってヘロデ王がテラスに出てきて、その後を妻ヘロディアスが続きます。地下からはヨハナーンがヘロディアスを非難する声が聞こえてきますが、気にする妻を尻目にヘロデ王はその声に耳を傾けません。それどころか、ヘロデ王の目は常にサロメに注がれ、サロメに踊ってみせよと命じます。サロメは始めは断っていましたが、ヘロデ王に踊りをみせれば望みのものをやろうと言われると、サロメは「七つのヴェールの踊り」を披露しました。
 満足したヘロデ王が、望みは何だと尋ねると、サロメはヨハナーンの首がほしいと言い出します。その言葉に喜ぶ母ヘロディアス。それに対し、聖者を殺すことを恐れたヘロデ王はやめさせようと説得しますが、サロメの望みは変わりません。
 
 銀の皿の上にのせられたヨハナーンの首を持ち上げ、くちづけをするサロメ。その有様を見ていたヘロデ王は兵士達にサロメを殺すように命じたのでした。

【1】 R.シュトラウスの出世作
 
 それまで管弦楽曲や歌曲の分野、また、オペラハウスの指揮者として活躍していたR.シュトラウスは、ワーグナーに影響されて作曲した『グントラム』『火難』という2つのオペラの次に、この『サロメ』を発表しました。このオペラは初演から大きな反響を呼びます。
 このときR.シュトラウスは41才。その後、次々とオペラ史に残る作品を書き上げ、オペラ作曲家としての地位を築き上げます。
 
【2】 スキャンダラスな作品
 
 原作のオスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』は、フランス語で出版され、その後、ワイルドの同性愛者の手で英訳されましたが、その作品の不道徳さとワイルド自身のスキャンダルのせいもあって、イギリスではなかなか上演されませんでした。
 ドイツ語訳をオペラにしたR.シュトラウスの作品も同様に、当初予定されていたウィーンでの初演はできませんでした。
 当時、ウィーン国立歌劇場の音楽総監督だったマーラーが奔走したにもかかわらず、ウィーンで上演されたのは初演から10年以上もあとのことでした。

 
【3】 物議を醸すサロメの踊り
 
 オペラの中では、サロメが踊る「七つのヴェールの踊り」の場面が有名で、サロメ役のソプラノ歌手が裸になるほど過激な演出もあることから、初演以来100年経った現在でも物議を醸しています。
 例えば、2000年に新国立劇場でこのオペラが初演されたときは、スポーツ新聞にも取り上げられました。
 サロメは約10分間踊ったあとに長大なモノローグを歌わなければならず、サロメ役を演じきるのは至難の業です。
http://www.geocities.jp/wakaru_opera/salome.html

木曜日, 3月 10, 2011

ブルックナー~ドイツ的な重厚な響きを求めて

ブルックナー~ドイツ的な重厚な響きを求めて(リストマニア)

 これを作成してみて、なかなか面白かった。なるべく、各番で分散しつつ、かつ指揮者も多く紹介してみたいという<隠し味>で考えてみた。
 まず、バイエルンだが、多様な指揮者と共演しており、数々の名演を残していることがわかる。1,2はぼくが良く聴く演奏である。5では気鋭のナガノを掲載した。

1. ブルックナー:交響曲第0番 他 (BRUCKNER:SYMPHONIE D-MOLL) Doerr
"【バイエルンの響き1】ライトナーの0番、一歩踏み込んだ迫力のある佳演です。"

2. ブルックナー:交響曲第1番ハ短調 (Bruckner, Anton: Symphonie No. 1 (Linzer Fassung 1865/66))
"【バイエルンの響き2】端整ななかに初々しさもあるサバリッシュらしい1枚。"

3. ブルックナー:交響曲第3番 [Import]
"【バイエルンの響き3】クナッパーツブッシュの3番、★天下の名演。"

4. ブルックナー:交響曲第3番 クーベリック(ラファエル)
"【バイエルンの響き4】クーべリックの3番、★小生の推薦盤です。"

5. ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1874年第1稿) ナガノ(ケント)
"【バイエルンの響き5】ナガノの4番、今後が楽しみな逸材。"


 つぎはドレスデン。6のセルはザルツブルクのライヴ盤。7のブロムシュテットは4番のほか7番も良い。9のシノーポリは、このオーケストラと他番でもユニークな演奏を残している。10ではティーレマンを取り上げた。

6. ブルックナー:交響曲第3番 セル(ジョージ)
"【ドレスデンの響き1】セルの3番、セルの珍しい組み合わせのライヴ。"

7. ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」 ブロムシュテット(ヘルベルト)
"【ドレスデンの響き2】ブロムシュテットの4番、★小生の推薦盤です。"

8. ブルックナー:交響曲第5番 ヨッフム(オイゲン)
"【ドレスデンの響き3】ヨッフムの5番、★小生の推薦盤です。"

9. ブルックナー:交響曲第5番 シノーポリ(ジュゼッペ)
"【ドレスデンの響き4】シノーポリの5番、小生は好んで聴いています。"

10. ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版) (Bruckner : Symphony No.8 / Christian Thielemann, Staatskapelle Dresden (2009 live)) [Import from Germany] [2 SACD Hybrid]
"【ドレスデンの響き5】ティ-レマンの8番、今後が楽しみな逸材。"



 ミュンヘンも名演の宝庫。ケンペも渋いけれどファンも多い。あとはどれも名演の誉れの高いものが並ぶ。

11. ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 ケンペ(ルドルフ)
"【ミュンヘンの響き1】ケンペの5番、この組み合わせでは外れがありません。"

12. ブルックナー:交響曲第6番 ミュンヘン・フィル ヴァント(ギュンター)
"【ミュンヘンの響き2】ヴァントの6番、地味ながら珠玉の1枚。"

13. ブルックナー:交響曲第7番(ノヴァク版) ヨッフム指揮ミュンヘンフィル
"【ミュンヘンの響き3】ヨッフム(2)の7番、ヨッフムの不動の解釈。"

14. ブルックナー:交響曲第8番 クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィル
"【ミュンヘンの響き4】クナッパーツブッシュ(2)の8番、★天下の名演。"

15. ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版) チェリビダッケ(セルジュ)
"【ミュンヘンの響き5】チェリビダッケの8番、★小生の推薦盤です。 "

16. Symphony 1 Anton Bruckner
"【ライプツィヒの響き1】ノイマンの1番、★小生の推薦盤です。 "

17. Bruckner: Symphony No 8 Anton Bruckner
"【ライプツィヒの響き2】ブロムシュテット(2)の8番、安定した見事な演奏。"

18. ヘルマン・アーベントロートの芸術(7枚組)
"【ライプツィヒの響き3】アーベントロートの9番、ほかにマズアの名演もあります。"

19. ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」 シュタイン(ホルスト)
"【バンベルク交響楽団】 シュタイン(ホルスト)の4番"

20. ブルックナー:交響曲第8番(DVD) ヨッフム(指揮) バンベルク交響楽団
"【バンベルク交響楽団】ヨッフム(3)の8番<DVD>"


21. ブルックナー:交響曲第3番&第4番「ロマンティック」 ヴァント(ギュンター)
"【ケルン放送交響楽団】ヴァント(2)の3&4番、、★小生の推薦盤です。 "

22. ブルックナー:交響曲第7番 ( Bruckner : Sinfonie Nr. 7 E-Dur / Bertini )
"【ケルン放送交響楽団】ベルティーニの7番、一時はとても人気がありました。"

23. ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 (1873年第1稿) ( Bruckner : Symphony No.3 / Norrington, RSO Stuttgart (2007 Live)) [Import Germany]
"【シュトゥットガルト放送交響楽団】ノリントンの3番"

24. ブルックナー : 交響曲 第7,8,9番 シュトゥットガルト放送交響楽団
"【シュトゥットガルト放送交響楽団】チェリビダッケ(2)の後期3曲"

25. ブルックナー:交響曲第9番 スクロヴァチェフスキ(スタニスラフ)
"【ザールブリュッケン放送交響楽団】スクロヴァチェフスキの9番、まだまだオーケストラ、指揮者とも種々ありますが、中締めはスクロヴァチェフスキで・・・。全体は 07/12/22 以来の改訂です。"