さて、ベームの演奏が見事なのは、ブルックナーの当初の「自信」に共感し、それを最大限、表現しようとしているからではないかと感じる。もちろん8番の名演はベームに限らない。このブログでも繰り返し取り上げてきたように、クナッパーツブッシュ、フルトヴェングラー、シューリヒト、クレンペラー、ヨッフム、チェリビダッケ、ヴァント、初期のカラヤンなど大家の名演が目白押しであり、どれが最も優れているかといった設問自体がナンセンスとすら思う。皆、このブルックナー最後の第4楽章に重要な意味を見いだし、魂魄の演奏をぶつけてきており火花が散るような割拠ぶりである。
ベームの演奏は、そうしたなかにあってベームらしい「オーソドックス」さが売りかも知れない。テンポは一定、ダイナミズムの振幅は大きくとり、重厚かつノーミスの緻密さを誇る。しかし、それゆえに、「素材」の良さをもっとも素直に表出しているように思う。飽きがこない、何度も聴きたくなるしっかりとした構築力ある演奏。いまはこれに嵌っている。
(参考)ブルックナー交響曲第8番第4楽章
Finale. Feierlich, nicht schnell ハ短調、2/2拍子。ソナタ形式。
弦五部が前打音つきの4分音符を連打する中から、第1主題が金管のコラールと、トランペットのファンファーレで奏でられる。コラールのようなこの第1主題は、ブルックナー自身によれば「オルミュッツにおける皇帝陛下とツァーリの会見」を描いたものであり、「弦楽器はコサックの進軍、金管楽器は軍楽隊、トランペットは皇帝陛下とツァールが会見する時のファンファーレを示す」。
休止が置かれ、弦楽器を主体とする第2主題が変イ長調で始まる。その途中(第93小節以後)から、交響曲第7番で用いられたモチーフが取り入れられる。
第3主題は変ホ短調のジグザグとした旋律でこの主題には nicht gebunden (音をつながずに)という標語もある。
第3主題が休止で中断すると、159小節からホ長調のコラールが入る。すぐに第1主題の荒々しい行進曲「死の行進」が入る。この後ソナタ形式の展開部に入るが、ほとんど第3主題と第1主題の交替で進む。
再現部は第437小節から始まり、第2主題は第547小節から、第3主題がハ短調で再現される。これは短く、すぐに第1楽章の第1主題が第617小節から全合奏で再現される。再び第3主題のリズムと交代しながら、コーダへと移行する。
コーダは第647小節から始まる。第1・第2ヴァイオリンが上昇音型を始め、テノールチューバが荘重さを強める。まず最初に、第679小節からホルンによって第2楽章のスケルツォ主題が戻ってくる。やがてハ長調で、全4楽章の4つの主題の音形が重ね合わされる。第1楽章の主題はファゴット、第3・第4ホルン、トロンボーン、ヴィオラ、コントラバス、バス・チューバが、第2楽章の主題はフルート・クラリネット・第1トランペット、第3楽章の主題はヴァイオリンと第1・第2ホルンが、そして第4楽章の主題要素は第1楽章のものと織り合わされて、全曲を力強く締めくくる。これが「闇に対する光の完全な勝利」と称賛されるゆえんである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC8%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC)#.E7.AC.AC4.E6.A5.BD.E7.AB.A0
Finale. Feierlich, nicht schnell ハ短調、2/2拍子。ソナタ形式。
弦五部が前打音つきの4分音符を連打する中から、第1主題が金管のコラールと、トランペットのファンファーレで奏でられる。コラールのようなこの第1主題は、ブルックナー自身によれば「オルミュッツにおける皇帝陛下とツァーリの会見」を描いたものであり、「弦楽器はコサックの進軍、金管楽器は軍楽隊、トランペットは皇帝陛下とツァールが会見する時のファンファーレを示す」。
休止が置かれ、弦楽器を主体とする第2主題が変イ長調で始まる。その途中(第93小節以後)から、交響曲第7番で用いられたモチーフが取り入れられる。
第3主題は変ホ短調のジグザグとした旋律でこの主題には nicht gebunden (音をつながずに)という標語もある。
第3主題が休止で中断すると、159小節からホ長調のコラールが入る。すぐに第1主題の荒々しい行進曲「死の行進」が入る。この後ソナタ形式の展開部に入るが、ほとんど第3主題と第1主題の交替で進む。
再現部は第437小節から始まり、第2主題は第547小節から、第3主題がハ短調で再現される。これは短く、すぐに第1楽章の第1主題が第617小節から全合奏で再現される。再び第3主題のリズムと交代しながら、コーダへと移行する。
コーダは第647小節から始まる。第1・第2ヴァイオリンが上昇音型を始め、テノールチューバが荘重さを強める。まず最初に、第679小節からホルンによって第2楽章のスケルツォ主題が戻ってくる。やがてハ長調で、全4楽章の4つの主題の音形が重ね合わされる。第1楽章の主題はファゴット、第3・第4ホルン、トロンボーン、ヴィオラ、コントラバス、バス・チューバが、第2楽章の主題はフルート・クラリネット・第1トランペット、第3楽章の主題はヴァイオリンと第1・第2ホルンが、そして第4楽章の主題要素は第1楽章のものと織り合わされて、全曲を力強く締めくくる。これが「闇に対する光の完全な勝利」と称賛されるゆえんである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC8%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC)#.E7.AC.AC4.E6.A5.BD.E7.AB.A0