土曜日, 1月 21, 2012

クレンペラー ボックスセット




 クレンペラー、ヨーロッパ復帰後、最盛期のモノラル録音集。多くはその後、フィルハーモニーとのステレオ再録があるので<超廉価盤扱い>である。しかし、内容の充実は別だ。本集は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームスの主要作品についての195460年の録音で、ライヴが多く楽しめる。この時期のクレンペラーは晩年の遅いテンポ設定ではなく、音楽の構えが大きく、全般に快速で切れ味のよいシャープ&クリアな解釈に特色がある。ケルン放送交響楽団はこの巨匠によく追随しており乱れが少ないプロ好みの楽団である。

 ブルックナーの3曲入手が目的で購入したが、内燃的で感情のべとつかないベートーヴェンもすっきりと均整がとれていて実に見事な演奏。録音もクリアで聴きやすい。一切の解説書なしのぶっきらぼうな10枚の簡素なボックスセットも、ある意味、クレンペラーらしくて良いのでは・・・。



【収録情報】

CD1:ブラームス:交響曲第1番(1955年、ライヴ)、同交響曲第3番(※1、1959年)

CD2:ブルックナー:交響曲第4番(1954年、ライヴ)

CD3:ブルックナー:交響曲第7番(※2、1958年、ライヴ)

CD4:ブルックナー:交響曲第8番(1957年、ライヴ)

CD5:ベートーヴェン:交響曲第1番(※1、1960年、ライヴ)、同第3番『英雄』(1954年、ライヴ)

CD6:ベートーヴェン:交響曲第2番(※1、1960年、ライヴ)、同第7番(※1、1955年)

CD7:ベートーヴェン:交響曲第4番(1954年、ライヴ)、同第8番(※1、1960年、ライヴ)、同:劇音楽『エグモント』より、序曲、太鼓は響く、喜びでいっぱい、クレールヒェンの死、(ソプラノ)ビルギット・ニルソン、(※1、1957年)

CD8:ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』(※1、1955年)、同交響曲第6番『田園』(※1、1960年、ライヴ)

CD9:ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』、マリア・シュターダー(ソプラノ)、グレース・ホフマン(アルト)、ヴァルデマール・クメント(テノール)、 ハンス・ホッター(バス・バリトン)、ケルン放送合唱団、北ドイツ放送合唱団

1958年、ライヴ)

CD10:ブラームス:ピアノ協奏曲第2番、ゲザ・アンダ(ピアノ)(1954年、ライヴ)、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番、レオン・フライシャー(ピアノ)(1956年、ライヴ)



以上のオケは記載がないものは、ケルン放送交響楽団

※1:フィルハーモニア管弦楽団、※2:ウィーン交響楽団
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B005DCMVOI/ref=cm_cr_error

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