へルベルト ・ ブロムシュテットは現代最高のブルックナー指揮者であろう。最近、ゲヴァントハウスと以下のブルックナーの交響曲全集をリリースしたが、現役指揮者中随一の成果である。
<収録情報>
ブルックナー:
・交響曲第1番ハ短調 WAB.101
[リンツ稿/ノヴァーク版]
・交響曲第2番ハ短調 WAB.102
[1872年稿、キャラガン校訂版]
・交響曲第3番ニ短調 WAB.103 [1873年第1稿]
・交響曲第4番変ホ長調 WAB.104 [ハース版]
・交響曲第5番変ロ長調 WAB.105 [ノヴァーク版]
・交響曲第6番イ長調 WAB.106 [ノヴァーク版]
・交響曲第7番ホ長調 WAB.107 [ハース版]
・交響曲第8番ハ短調 WAB.108 [ハース版]
・交響曲第9番ハ短調 WAB.109 [コールス校訂版]
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
録音時期:2005~2012年
録音場所:ライプツィヒ、ゲヴァントハウス
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
SACD Hybrid CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND
スウェーデン生まれながら若き日から才能を評価され、イーゴル・マルケヴィッチやレナード ・ バーンスタインや泰斗にも師事。20世紀大指揮者の方法論を受け継ぐ。
1954 年 2 月 ストックホルム ・ フィルでデビューし、まずは地元スカンジナビアにおいて、 オスロ ・ フィル、スウェーデン放送響などで地歩を固め、その後、米国サンフランシスコ交響楽団、ハンブルクの NDR 交響楽団ほか欧米の有名オーケストラの音楽監督を務める一方、エジンバラ、ザルツブルグ、ミュンヘン、ルツェルンを含めヨーロッパの主要音楽祭で活躍。1998 年から 2005 年 ゲヴァントハウスで楽長(その後名誉指揮者)を努め、この全集をその成果として世に問うた。
近時は、上記ゲヴァントハウス管弦楽団ほかとの関係に加えて、従来から親しいN響、バンベルク響、バイエルン放送響、ロイヤル ・ コンセルトヘボウ管弦楽団、パリ管弦楽団、イスラエル ・ フィル、モントリオール、ボストン、シカゴ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ピッツバーグ交響楽団、ニューヨーク・フィル、ロサンゼルス・フィルに加えて、ベルリン・フィル、2011 年からはウィーン ・ フィルとも蜜月の関係にある。
(以下はHMV レビューからの引用)
2005年録音の第8番に始まり、2012年の第1番で完成したブロムシュテット指揮ゲヴァントハウス管弦楽団による全集は、実際のコンサートでの演奏をライヴ録音したもので、曲により多少のムラはあるものの、ライヴという条件を考慮すると、全体の水準は十分に高いレベルに達していると考えられます。
肝心の演奏は、近年のブロムシュテットの好調ぶりを伝える見事なもので、どの作品でも細部まで丁寧に誠実にリハーサルしたと思われる着実なアプローチを土台に、作品それぞれの個性がきちんと伝わってくるのが嬉しいところです。
【ゲヴァントハウス管との強い絆】
1998年、クルト・マズアの後任として音楽監督に就任し、2005年の任期満了までその厳しいトレーニングで機能性と音色にさらに磨きをかけ、引き締まった力強いサウンドにゲヴァントハウス管を鍛えなおしたブロムシュテット。コンヴィチュニー時代の再来を思わせる第2ヴァイオリン右側の対向配置も効果的で、シャイーの音楽監督就任後は、名誉指揮者として同オケに深く関わっています。
【ブロムシュテットのブルックナー録音】
ブロムシュテットはかつてシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して第4番(1981/DENON)と第7番(1980/DENON)をレコーディングしており、それらは現在にいたるまで息長い人気を保持しています。その後、サンフランシスコ響と録音した第6番(1990/DECCA)、第4番(1993/DECCA)、ゲヴァントハウス管と録音した第9番(1995/DECCA)、第3番(1998/QUERSTAND)では、よりパワフルで構築的な魅力が示されるようになり、ブロムシュテットのブルックナー観が色濃く投影された緻密な演奏に仕上がっていたことが思い出されます。
その後、7年を経て開始された今回のシリーズでは、ブロムシュテットの円熟の境地と、ドイツ経済の繁栄と共に実力もレベル・アップしたかのようなゲヴァントハウス管弦楽団の充実した演奏を楽しむことができます。(HMV)
(参考) 小生の愛聴盤です。
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