Klaus Tennstedt Edition
地味なジャケットのProfileレーベルのテンシュテット集。オーケストラに特色。セッション正規盤は、ロンドン・フィル、ベルリン・フィルが中心だが、ここでは、ドイツ南部のバイエルン放送響、中部のバーデン=バーデン・フライブルクSWR響(旧南西ドイツ放送響)、北部のNDRエルプフィルハーモニー管(旧北ドイツ放送響)など各々の地域に古くから根差した「プロ・ドイツの響き」で聴くことができる。旧東独出身のテンシュテットとの相性は悪くなく、いずれも火の玉のようなライヴ演奏は迫力に富む。
曲目は以下のとおり、ハイドンからプロコフィエフにおよぶが、テンシュテットの収録レパートリーは同時代指揮者との比較では、けっして広くはない。オペラの録音はなく、やはりドイツ・オーストリー系がメインロードである。したがって、本集でもベートーヴェン、ブルックナー、そして得意のマーラーが主力である(➡で演奏評を記載)。
本集のユニークな魅力は、テンシュテット・ファンには贅言はいらないが、新たなリスナーには、まずは、スーパー廉価盤 Klaus Tennstedt: The Great EMI Recordings、Mahler: Complete Symphonies Klaus Tennstedt を手に取られ、その後気に入ったら購入を検討されては如何かと思う。
<収録情報>
【ハイドン】
・交響曲第64番(1976年8月20日)S
【モーツァルト】
・交響曲第1番 K.16(1977年12月2日)B
・交響曲第32番 K.318(1977年7月14日)B
・協奏交響曲イ長調 K.Anh.104(320e) ※1
・レチタティーヴォとアリア『うつくしい恋人よ、さようなら…とどまれ、いとしき人よ』 K.528 ※2
・アリア『心配しないで愛する人よ』 K.505 ※3
※1:プロ・アルテ弦楽三重奏団、豊田耕児(ヴァイオリン)、ステーファノ・パッサージョ(ヴィオラ)、ゲオルク・ドンデラー(チェロ)
※2:ゲルティ・ツォイマー=ペール(ソプラノ)
※3:同上(ソプラノ)、ディーター・クレッカー(クラリネット)
※1~3:(1974年9月11日)ベルリン放送響(現ベルリン・ドイツ響)
【ベートーヴェン】
・交響曲第3番『英雄』、序曲『コリオラン』(1979年7月3-6日)N
➡ Beethoven: Symphony No 3
【ブルックナー】
・交響曲第3番(1976年11月4、5日)B
➡ Anton Bruckner: Symphony No. 3
【マーラー】
・交響曲第4番(1976年9月18日)エヴァ・チャポ(ソプラノ)S
➡ SYMPHONY NO.4/ 3 SONGS
・マーラー:交響曲第5番(1980年5月19日)N
➡ Mahler: Symphony No. 5
・『子供の不思議な角笛』より(浮き世の暮らし/ラインの伝説/この歌を作ったのはだれ?)(1980年8月23日)エヴァ・チャポ(ソプラノ)S
・マーラー:亡き子をしのぶ歌(全5曲)(1980年11月11日)ブリギッテ・ファスベンダー(メゾ・ソプラノ)N
【シベリウス】
・ヴァイオリン協奏曲 Op.47(1977年12月2日)ユーヴァル・ヤロン(ヴァイオリン)B
【プロコフィエフ】
・交響曲第5番(1977年12月1、2日)B
・交響曲第7番(1977年7月12日)B
(摘要)
B:バイエルン放送響
S:南西ドイツ放送響(現バーデン=バーデン・フライブルクSWR響)
N:北ドイツ放送響(NDRエルプフィルハーモニー管)
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