シェーンベルク:ぺレアスとメリザンド/浄夜
フィルハーモニア管弦楽団 1991年、1992年録音盤
- .1. ペレアスとメリザンド 作品5 モーリス・メーテルリンクのドラマによるオーケストラのための交響詩
- Die Viertel ein wenig bewegt-zoegernd
- 2.Heftig00:03:45
- 3.Lebhaft00:04:26
- 4.Sehr rasch00:07:58
- 5.Ein wenig bewegt00:01:31
- 6.Langsam00:03:39
- 7.Ein wenig bewegter00:03:59
- 8.Sehr langsam00:04:48
- 9.Etwas bewegt00:02:26
- 10.In gehender Bewegung00:02:49
- 11.Breit00:06:26
- 12.浄夜 作品4 リヒャルト・デーメルの詩による 弦楽オーケストラ版 Grave00:07:33
- 13.Molto rallentando00:07:11
- 14.Pesante00:02:34
- 15.Adagio00:11:11
- 16.Adagio00:04:26
【以下は引用】
『ペレアスとメリザンド』(Pelléas et Mélisande )は、ベルギーの劇作家モーリス・メーテルリンクが書いた戯曲。フランス語で書かれ、1892年にブリュッセルで出版された後、翌1893年にパリで初演された。
- ウィリアム・ウォレス - オーケストラ組曲(1900年)
- フォーレ - 英語訳によるロンドン初演のための劇付随音楽(1898年)およびこれに基づくオーケストラ組曲(1900年)。
- シェーンベルク - 交響詩 ペレアスとメリザンド(1903年)👉
- ドビュッシー - 原作をほぼそのまま台本としたオペラ(1902年初演)
- シベリウス - スウェーデン語訳によるヘルシンキ初演のための劇付随音楽(1905年)およびこれに基づくオーケストラ組曲(同年)
全曲は648小節からなり、約45分を要する。全体はソナタ形式によるが、展開部にスケルツォと緩徐楽章に当たる部分が挿入された形となっている。この形式は『室内交響曲第1番』でも踏襲される。この曲で初めて👍ドミナントの「sus4」の解決しない形の「4度和声」が用いられた。
(参考)
【交響詩「ペレアスとメリザンド」】メーテルリンクのテキストに題材を得て、1902年から1903年にかけて書き進められた「ペレアスとメリザンド」は、ドビュッシー同様にオペラ化を構想していた当初のプランから変更され、交響詩として完成をみた作品。シェーンベルクが無調や十二音技法に到達する以前、後期ロマン派に連なる内容はワーグナーやR.シュトラウスの影響も色濃く、「淨夜」にも通じる、幻想的でむせかえるような官能音楽で、前作「グレの歌」を凌ぐとさえ云われるあざやかな対位法や、ホルン8、トランペット4、アルト・トロンボーン4、テナー・バス・トロンボーン4といった金管セクションをはじめ、ティンパニ4、ハープ2台という具合に、「グレの歌」に次ぐ4管編成の大管弦楽による音響効果も聴きどころとなっています。
★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆
まず、この戯曲について、フォーレ、ドビュッシー、シベリウスなど同時代の多くの作曲家が魅了された事実が面白い、ストーリーを読む限りにおいて、お定まりの三角関係だけでなく、水を主題として物語の隠喩部分には惹かれるところはあるが、当時の”沸点”のような異様な盛り上がりは、時代精神としかいいようはないのかも知れない。
シェーンベルクもその一人だが、この時代の彼は、後の新ウィーン学派形成にいたる斬新さ以前、後期ロマン派最後の音楽といった要素が強いようだ。
シノーポリの演奏は、濃厚な音楽空間を提示するだけでなく、音がいきいきと息づくライヴのような迫真感にあふれている。これを聴くとポスト・マーラーの最後期ロマン派ともいえる熟れたような感覚とともに作曲家の若き明晰な音楽づくりへの意欲を感じる。それは、シノーポリ自身の現代音楽の作曲家としての共感とともにあるのかも知れない。大規模でめくるめく管弦楽の魅力を聴くという立場でも十分に楽しめる2作品である。
★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆
0 件のコメント:
コメントを投稿