木曜日, 8月 09, 2012

ショルティ オペラ指揮者の実力

George Solti Conducts Opera Works

  ショルティ、主として1950年代のオペラ名曲選である。ウイーン・フィルと「指輪」全曲録音の金字塔を打ち立てたショルティが、それ以前の40年代後半から50年代にかけて、旺盛にオペラに注力していたかの証左がここにある。

  R.シュトラウスやワーグナーのドイツものに加えて、イタリア歌劇も積極的に取り上げられている(「椿姫」「オテロ」「アイーダ」など、但しドイツ語による上演)。以下、第1集から第5集までの簡潔なコメント。
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ショルティ、1950年代のオペラ名曲選第1集。テバルディ(ソプラノ)、シミオナート (メゾ・ソプラノ)などの名歌手の聴かせどころも魅力。


<収録演目>

1.歌劇「ルスランとリュドミラ」 - 序曲/ベルリン・フィル

2.歌劇「ラクメ」 - 第2幕 鐘の歌/サーリ・バラバシュ (ソプラノ)、南西ドイツ放送交響楽団(1952)



3.歌劇「サムソンとデリア」 Op. 47 - 第2幕 Sieh, mein Herz erschliesset sich

4.歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」Voi lo sapete

5.歌劇「フィガロの結婚」 K. 492 - 第2幕 ママも知る通り/ジュリエッタ・シミオナート (メゾ・ソプラノ)、シカゴ・リリック・オペラ管弦楽団(1956)

→3~5/ジュリエッタ・シミオナート (メゾ・ソプラノ)、シカゴ・リリック・オペラ管弦楽団 (1956)



6.歌劇「エフゲニー」・オネーギン Op. 24 - 第1幕 Tatiana' Letter Scene

7.歌劇「メフィストフェレ」 - 第3幕 マルゲリータの死

8.歌劇「ジョコンダ」 - 第2幕 そして,呪いを!/

→6~8/レナータ・テバルディ(ソプラノ)、シカゴ・リリック・オペラ管弦楽団(1956)



9.歌劇「ホフマン物語」 - 舟歌(管弦楽編)

10.歌劇「椿姫」 - 第1幕への前奏曲

11.歌劇「ジョコンダ」 - 第3幕 時の踊り

→9~11/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団 (1959)



12.歌劇「アルジェリアのイタリア女」 - 序曲/ロンドン・フィル(1955)

13.歌劇「アンドレア・シェニエ」 - 第3幕 祖国の敵/エットーレ・バスティアニーニ (バス・バリトン)/シカゴ・リリック・オペラ管弦楽団(1956)
http://www.amazon.co.jp/Solti-Opera-Conductor-Vol-1952-1959/dp/B004RLJ1VW/ref=cm_cr-mr-title

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ショルティ、1950年代のオペラ名曲選第2集。R.シュトラウスのオペラ2曲からの抜粋。エリーザベト・ヘンゲン (コントラルト)、リーザ・デラ・カーザ(ソプラノ)などの名歌手の聴かせどころも魅力。


◆歌劇「エレクトラ」(抜粋)


 Christel Goltz (ソプラノ)/エリーザベト・ヘンゲン - Elisabeth Hongen (コントラルト)/Ferdinand Frantz (バス・バリトン)、バイエルン州立管弦楽団(1952)


◆歌劇「アラベラ」(抜粋)


リーザ・デラ・カーザ - Lisa Della Casa (ソプラノ)/ヒルデ・ギューデン - Hilde Guden (ソプラノ)/ジョージ・ロンドン - George London (バリトン)/Otto Edelmann (バス)、バイエルン州立管弦楽団(1957)

http://www.amazon.co.jp/Solti-Opera-Conductor-Vol-1952/dp/B004RKK18A/ref=cm_cr-mr-title


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ショルティ、1950年代のオペラ名曲選第3集。ワーグナーの「指輪」2曲からの抜粋。ワーグナー歌手として一世を風靡したジョージ・ロンドン (バリトン)、フラグスタート (ソプラノ)などの名歌手の聴かせどころも魅力。


◆楽劇「ラインの黄金」(抜粋)

ジョージ・ロンドン - George London (バリトン)/キルステン・フラグスタート - Kirsten Flagstad (ソプラノ)/ワルデマール・クメント - Waldemar Kmentt (テノール)/エベルハルト・ヴェヒター - Eberhard Wachter (バリトン)/セット・スヴァンホルム - Set Svanholm (テノール)/パウル・クーン - Paul Kuen (テノール)/Jean Madeira (メゾ・ソプラノ)/Gustav Neidlinger (バス・バリトン)/Walter Kreppel (バス)/クルト・ベーメ - Kurt Bohme (バス)/Oda Balsborg (ソプラノ)/ヘティ・プリュマッハー - Hetty Plumacher (メゾ・ソプラノ)/Ira Malaniuk (ソプラノ)、ウィーン・フィル(1958)


◆楽劇「ワルキューレ」 - 第2幕


キルステン・フラグスタート - Kirsten Flagstad (ソプラノ)/セット・スヴァンホルム - Set Svanholm (テノール)、ウィーン・フィル(1957)


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ショルティ、オペラ名曲選第4集。ワルキューレ第1幕からの抜粋。これは第3集のウイーン・フィルとの共演ではなく、バイエルン州立管弦楽団を振っての1947年の旧録音。



◆楽劇「ワルキューレ」(抜粋)



Marianne Schech (ソプラノ)/Franz Volker (テノール)/Frederick Dalberg (バス)、バイエルン州立管弦楽団(1947)


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ショルティ、1950年代のオペラ名曲選第5集。ワルキューレ第3幕からの抜粋。ワーグナーの「指輪」2曲からの抜粋。ワーグナー歌手として一世を風靡したフラグスタート(ソプラノ)、オットー・エーデルマン (バス)などの名歌手の聴かせどころも魅力。


◆楽劇「ワルキューレ」(抜粋)

キルステン・フラグスタート - Kirsten Flagstad (ソプラノ)/Otto Edelmann (バス)/Marianne Schech (ソプラノ)/Oda Balsborg (ソプラノ)/イローナ・シュタイングルーバー - Ilona Steingruber (ソプラノ)/グレース・ホフマン - Grace Hoffman (コントラルト)/Claire Watson (ソプラノ)/アニー・デロリー - Annie Delorie (コントラルト)/Frieda Roesler (ソプラノ)/ヘティ・プリュマッハー - Hetty Plumacher (メゾ・ソプラノ)、ウィーン・フィル(1957)

http://www.amazon.co.jp/Solti-The-Opera-Conductor-Vol/dp/B0047EQ2XE/ref=cm_cr-mr-title


 (以下はそれ以外の参考)

・歌劇「セミラーミデ」 - 序曲 、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団(1959)

◆歌劇「オテロ」(抜粋)

Hans Hopf (テノール)/Claire Watson (ソプラノ)/ヨーゼフ・メッテルニヒ - Josef Metternich (バリトン)/ Richard Holm (テノール)/ Peter Witsch (テノール)/Heiner Horn (バス)/Gertrud Schretter (メゾ・ソプラノ)、ケルン放送合唱団&交響楽団 (1958)

◆歌劇「アイーダ」 - 第3幕 Wehe, mein Vater! (ドイツ語歌唱)

アンネリース・クッパー - Annelies Kupper (ソプラノ)/Hans Reinmar (バリトン)、バイエルン州立管弦楽団(1949)


◆歌劇「ファルスタッフ」(抜粋)

Hans Reinmar (バリトン)/Maud Cunitz (ソプラノ)/ Albrecht Peter (バリトン)/ウィルマ・リップ - Wilma Lipp (ソプラノ)/Richard Holm (テノール)/Res Fischer (メゾ・ソプラノ)/Ingeborg Lasser (アルト)/Peter Offermanns (テノール)/Walter Kassek (ヴォーカル)/Willy Schonweiss (ヴォーカル)、ケルン放送合唱団&交響楽団(1960)


・ 歌劇「運命の力」 - 序曲、ロンドン・フィル(1952)


◆歌劇「椿姫」(抜粋)

Clara Ebers (ソプラノ)/ヴァルター・ルートヴィヒ - Walther Ludwig (テノール)/カール・シュミット=ワルター - Karl Schmitt-Walter (バリトン)/エリノール・ユンケル=ギーゼン - Ellinor Junker-Giesen (ソプラノ)/Irma Schafer (ヴォーカル)/Franz Klarwein (テノール)/Josef Knapp (バリトン)/Siegfried Spottel (テノール)、バイエルン放送合唱団&交響楽団(1951)


 ・歌劇「椿姫」 - 第3幕への前奏曲、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団(1959)

など(以下略)。




 

水曜日, 8月 01, 2012

初期 カラヤンを聴く

初期録音集

初期カラヤンの録音について、以下、そのいくつかを添付します。

◆Maestro Vol. 1: Herbert von Karajan [Box set, Import, from US]

カラヤンの主として50年代のフィルハーモニア管弦楽団との演奏。モノラルながら聴きやすい録音。今日聴いても、その明確な解釈、快速な運行、品位ある抒情性に感心する。特にウイーン・フィルとのベートーヴェン「第九」、ヴェルディ「レクイエム」は迫力にあふれた出色のもの。
 40年代のコンセルトヘボウとの共演も興味深く、ブラームス交響曲第1番や「サロメ」でのカラヤンは溌剌とし実に巧い。
協奏曲では相性のよいギーゼキングとベートーヴェンの4,5番、グリーグなどを収録。録音こそ古いが、いずれもこの価格では文句なし、粒ぞろいの名曲・名演集となっている。

【収録情報】

<モーツァルト> 

・交響曲第35番、第40番(RAIトリノ管弦楽団/1942年10月),

・『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』(ウィーン・フィル/1946年10月)

<ベートーヴェン>

・交響曲:第3番(1952年11月)、第7番(1952年11月)、第8番(ウィーン・フィル/1946年11月)、第9番(シュヴァルツコップ(S)、エリーザベト・ヘンゲン(Ms)、ユリウス・パツァーク(T)、 ハンス・ホッター(Bs)、ウィーン楽友協会合唱団、ウィーン・フィル/1947年11,12月)

・ピアノ協奏曲:第4番、第5番(ギーゼキング(p)/1951年6月)

・『レオノーレ』序曲第3番(コンセルトヘボウ/1943年)

<ブラームス>

・交響曲第1番(コンセルトヘボウ/1943年9月)

<ヴェルディ>

・レクイエム(ヒルデ・ザデク(S)、マルガレーテ・クローゼ(C)、ヘルゲ・ロスヴァンゲ(T)、ボリス・クリストフ(B)、ウィーン楽友協会合唱団、ウィーン・フィル/1949年8月14日、ザルツブルク[ライヴ])

<R.シュトラウス>

・『ばらの騎士』~“Herr Gott im Himmel”(シュヴァルツコップ(S)、イルムガルト・ゼーフリート(Ms)、ウィーン・フィル/1947年12月)

・『サロメ』~7枚のヴェールの踊り(コンセルトヘボウ/1943年9月)

<シベリウス>

・交響曲第5番、『フィンランディア』(1952年7月)

<その他>

・フランク:交響的変奏曲(ギーゼキング(p)/1951年6月)

・グリーグ:ピアノ協奏曲(同上)

・ストラヴィンスキー:『かるた遊び』(1952年5月)

・バルトーク:管弦楽のための協奏曲(1953年6月)


◆Karajan [Import, from UK]
   カラヤンの1950年代前半を中心とする10枚のモノラル録音集。このシリーズではクレンペラーのセットを購入して大いに満足。溌剌とし、スピード感あふれるこの時代の斬新なカラヤンの演奏は魅力。すでに全体の半分以上は持っているが、熟慮のうえ本集も購入することにした。下記ラインナップのうち、コンチェルト・ファンなら妙味あるグールドの3番ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番&シベリウス:交響曲第5番ほかデニス・ブレインのホルン協奏曲集Horn Concertos Nos 1-4 / Quintet K452だけで十分に元がとれる。オペラ・ファンなら「モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」(シュワルツコップ/カラヤン)」に食指が動こう。

<収録情報>(録音時点)

【CD1】

・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番(1957年)グレン・グールド(ピアノ)、ベルリン・フィル

・バルトーク:ピアノ協奏曲第3番(1954年)ゲザ・アンダ(ピアノ)、R

【CD2】

・モーツァルト:クラリネット協奏曲(1955年)バーナード・ウォルトン(クラリネット)、P

・モーツァルト:ホルン協奏曲第1番、第4番(1953年)デニス・ブレイン(ホルン)
、P

【CD3】

・モーツァルト:ホルン協奏曲第2番、第3番(1953年)同上

・ブラームス:ピアノ協奏曲第2番(1954年)ゲザ・アンダ(ピアノ)、R

【CD4】

・ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』(1954年)テレサ・シュティッヒ=ランダル(ソプラノ)、ヒルデ・レッセル=マイダン(メゾ・ソプラノ)、ヴァルデマール・クメント(テノール)、ゴットロープ・フリック(バス) R&合唱団

【CD5】

・ベートーヴェン:交響曲第6番『田園』(1953年)P

・シベリウス:交響曲第4番(1953年)P

【CD6】

・J.シュトラウス:喜歌劇『こうもり』序曲(1955年)P

・R.シュトラウス:歌劇『ナクソス島のアリアドネ』~プロローグ(1954年)P

・ビゼー:カルメン組曲(1954年)ウィーン交響楽団

・ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』~第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲(1951年) バイロイト祝祭管弦楽団

・モーツァルト:歌劇『魔笛』序曲、僧侶の行進(録音時期:1953年)P

・フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』前奏曲集(1953年)P

【CD7】

・ブルックナー:交響曲第8番(第2楽章~第4楽章)(1944年)プロイセン国立歌劇場管弦楽団

【CD8-CD10】

・モーツァルト:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』全曲(録音時期:1954年)

 エリーザベト・シュヴァルツコップ(フィオルディリージ)、ナン・メリマン(ドラベッラ)、レオポルド・シモノー(フェルランド)、ロランド・パネライ(グリエルモ)、セスト・ブルスカンティーニ(ドン・アルフォンソ)、リザ・オットー(デスピーナ)P&合唱団
http://www.amazon.co.jp/Karajan-Vol-10/dp/B004JL2VU8/ref=cm_cr-mr-title

(注)P:フィルハーモニア管弦楽団、R: RAIローマ交響楽団

 



さらに遡っての3枚を添付します。いずれも天才の閃きを感じさせます。

◆Herbert von Karajan : The Early Recordings (1938-1946)
  「運命の力」序曲(1938年2月)、「マイスタージンガー」第1幕前奏曲(1939年2月)、「モルダウ」(1940年6月)、「セミラーミデ」序曲(1942年10月、トリノ)、「魔弾の射手」序曲(1943年9月13日、アムステルダム)を所収。最初期5年のカラヤンの録音群であるとともに、4つのオケとの共演を3つの主要都市(記載がないものはベルリン)で行っている。
ほかにも「魔笛」序曲(1938年12月9日)、「アナクレオン」序曲(1939年4月、いずれもベルリン)なども別の音源で聴くことができるHerbert von Karajan (Early Recordings Volume 1 1938 - 1939)。
SP復刻ながら演奏の内容が十分わかる水準の録音だろう。冴え渡った解釈、しかし上質のデリカシーも内在した演奏で、「運命の力」序曲は折々に聴いて、その都度胸に響き感心する。「モルダウ」のファンタジー、「魔弾の射手」の神聖な森のイメージ、どれも目くるめく多彩な表現で飽きさせない。それに比べると「魔笛」と「アナクレオン」は手堅い巧さが少し前面にでているようにも思う。

◆Herbert von Karajan (Early Recordings Volume 1 1938 - 1939)
  1939年4月15日、ベルリン・フィルとの録音(チャイコフスキーの交響曲ではカラヤン、現存する最初の録音記録)。ベートーヴェンの交響曲では、1941年6月、ベルリン国立歌劇場管弦楽団との7番Herbert von Karajan : Early Recordings, Vol. 3 (1941-1942)、ブラームスでは、1943年9月6~11日、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との1番Herbert von Karajan : Early Recordings, Vol. 6 (Amsterdam 1943)の演奏がカラヤンの初出だが、さらに遡って1930年代の音源ながら、意外と「音」が生きており、当時のドイツの録音技術の高さを偲ばせる。
演奏は、さきの2曲同様、カラヤンの「悲愴」はすでにこの段階から、しっかりとモデレがなされていたという感想をもつ。むしろ後年の演奏よりも各楽章でメリハリをはっきりとつけたクリア・カットな演奏である。第1楽章のアダージョの序奏部は暗渠を歩くような不気味な感じを見事にだし、展開部の激烈な爆発力は、第3楽章の行進曲風のパートでも発揮される。第2楽章のエレジーや終楽章の哀切の旋律は、情感豊かに歌われ終結部の感動を誘引する。
ベルリン・フィルをカラヤンがはじめて指揮したのは1938年4月8日であり、カラヤン30才の誕生日の3日後であった。本曲は1年後の収録ながら、これだけ鮮烈にカラヤンの個性を出せるのだから、当時のベルリン・フィルから強い信頼を勝ち得ていたことの証左だろう。 

◆Herbert von Karajan : Early Recordings, Vol. 3 (1941-1942)
1941年6月、ベルリン国立歌劇場管弦楽団との7番(ベートーヴェンの交響曲ではカラヤン、現存する最初の録音記録)。圧倒的なスピード感、メリハリの利いた解釈、気力溢れる演奏。しかし、力押しばかりでなく、ときに柔らかく溌剌としたフレーズが心に滲みてくる。天才的な「冴え」である。後日、ベルリン・フィルがフルトヴェングラーの後任にカラヤンを指名した理由がよくわかるような気がする。カラヤンのアプローチの斬新さはいま聴いても褪せてはいない。
 一方で、カラヤンがおそらくはトスカニーニ(1935年6月12日)やクナッパーツブッシュ(1929年)のSP録音およびライヴ演奏をよく研究していたであろうことも本盤から感じとることができる。ディテールを真似するのではなく、4楽章の構成力や大胆なリズム感、加速度的なスピード感の重視といった点で本盤は両巨頭の至芸を十分意識しているようだ。その聴きくらべも一興。

こちらも参照→