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ライナーノート(大木正純氏)によれば、「人徳すこぶる豊かにして謙虚、しかも思いやりのある温かい心の持主」とのことで、1956年5月29日に逝去したときには何千人もの市民がお墓まで見送ったとのことだから、一見強面そうな外見や演奏から受ける印象とはすこぶる異なる。
ライプツイヒでは1934年以降ワルターの後任、その後東西ドイツの分断で東独で活動することになるのでその演奏が知られる機会は乏しかったが、曖昧さのない自信に満ちたブルックナー像を構築しており、これ1曲では即断はできないけれど、ほぼ同時代のシューリヒト(1880ー1967年)、クレンペラー(1885ー1973年)、フルトヴェングラー(1886ー1954年)、クナッパーツブッシュ(1888ー1965年)らのなかにあっても独自の地歩を築いていた名匠と言えるのかも知れない。悪い癖で、例によってほかの番も聴いてみたい欲求にかられている。
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