ベートーヴェン交響曲第3番。クナッパーツブッシュ/ベルリン・フィル。1943年の録音。
ブルックナーばかり聴いているせいか、クナッパーツブッシュのこの演奏から、ブルックナー的なメロディや音階がときに出現し驚く。■「違うでしょ!ブルックナーが<エロイカ>を研究しつくしていたから近似性があるのでしょ」。●否、そうではなくて、クナッパーツブッシュの音楽へのアプローチが、ベートーヴェンもブルックナーも共通していると思うのだ。■「あたりまえでしょ!絶対音楽、ソナタ形式とも両者に共通しているのだから、鑑賞上そう感じて当然」。●否、うまく言えないのだが、音のつくり方、音楽の運行の仕方のようなところで、あっ、そうかと思う部分があるということ。葬送行進曲も「暗さ」が抑制されているし、終楽章のフォルテシモでは、さあいくぞというところで、実はぐっと音量を抑えてじっくりと構えてみたり、そういう「所作」がブルックナー演奏にもあると感じるんだな。■「それがクナッパーツブッシュ流の演奏スタイルなら、別にブラームスでもヒンデミットでも同様なんじゃないの・・・」●なるほど、他ももっと聴いてみないとわからないか・・・。
そんなことを自問自答しながら耳を傾ける。敗戦の直前、クナッパーツブッシュ55才頃の録音、生硬だが組み立てのしっかりした実に良い演奏である。
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