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比較的ヒスが少なく音がきれいに録れている3楽章から聴いてみると良いと思う。このスケルツオのメロディのなんとも暖かな素朴さ、リズムの躍動感、次第に強烈なパッションが表出するオーケストラの高揚感、そしてブルックナー休止そのままの突然の楽章そのもののエンディング。こんな演奏にはめったにお目にかかれない。かってワルター/コロンビアsoの9番でも書いたが、一点の曇りもない明快な解釈に裏打ちされ、しかも緊張感ある迫力十分の4番の名演である。
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この4番の演奏は、「ロマンティック」といった感傷性とはまったく異質な、「剛」のものの行進であり、晩年の柔らかなワルターのイメージとも一致しない。管楽器は輝かしく咆哮し、ティンパニーの連打は前面で多用されて全体の隈取りはくっきりと強い。
テンポは全般にはやく(16:44,14:45,8:29,18:48/計58:48)、しかも大胆に可変的である。とても男性的できわめてパッショネイトな演奏とでも言っておこうか。いまでは、評論家が許してくれまいが、原典版、改訂版といった厳密さとは無縁な大指揮者時代の貴重な遺産である。
(参考)
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