日曜日, 3月 28, 2010

ブルックナー vs フルトヴェングラー 交響曲第5番

 2つの録音があるが、ウイーン・フィルとの演奏は、1951年ザルツブルク音楽祭でのライヴ盤である。2つの録音の聞き比べは以下のサイトが綿密に解説してくれる。
 http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5362/bru5.html

 自分の感想は、以下に書いている。それにしてもこのジャケットの写真はあまりにひどい(よって別の写真を上に掲げた)。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC5%E7%95%AA-%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B9%E7%89%88-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E7%AE%A1%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%A3/dp/B00005HN28/ref=cm_cr-mr-title

 『フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ』 ジョン アードイン (著), 藤井 留美 (翻訳) 音楽之友社 (2000/12/1) では、5番の4つの楽章の循環的性格が簡略に示される。そいて、この循環性ももっとも見事に表現しているのがフルトヴェングラーであるとしている。

 「第1、4楽章の始まり方が、第2、3楽章と似ており、また、第2、3楽章には第1、4楽章の起源を感じさせるものがあることから、循環性が非常に強い作品である。また、それ以上に、全体を通じて他家受粉のような主題の相互交換が行われており、ブルックナーの交響曲の全楽章中最大の規模と野心を誇る第4楽章、その冒頭で確定される循環性と合わさって、この相互交換が思考と行動のずばぬけた経済性を生み出している」(p.321)

 5番については、ヨッフムの解釈に強い影響をうけてきた。しかし、ヨッフムと各楽章の力点の置き方に違いはあるが、フルトヴェングラーのテクスチャーの読み込みは深く明確で、複雑な回線を混戦せずに見事に結びつけてような「整理学」と全体を巨大に再構成していく「推進力」は抜群である。

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