以下の「10人の偉大なソプラノ歌手たち(10CD)」を見ていて、まてよ、誰か忘れていないかと考えた。
CD-1:キルステン・フラグスタート(1895-1962)
CD-2:ジンカ・ミラノフ(1906-1989)
CD-3:リューバ・ヴェリッチュ(1913-1996)
CD-4:エリーザベト・シュヴァルツコップ(1915-2006)
CD-5:リーザ・デラ・カーザ(1919- )
CD-6:イルムガルト・ゼーフリート(1919-1988)
CD-7:セーナ・ユリナッチ(1921- )
CD-8:レナータ・テバルディ(1922-2004)
CD-9:ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(1923-2005)
CD-10:マリア・カラス(1923-1977)
1970年頃、都民劇場に入っていて、アンネリーゼ・ローテンベルガー(1926年6月19日ー2010年5月24日)を聴いた。上記によれば、テバルディ(1922-2004)、アンヘレス(1923-2005)、マリア・カラス(1923-1977)とほぼ同世代であることがわかる。
1970年には、シュヴァルツコップやリーザ・デラ・カーザが来日して話題を呼んだが、美貌のリリック・ソプラノであり、ローテンベルガーのファンもおおかったことと思う。
【プロフィール】
アンネリーゼ・ローテンベルガーは、1926年6月19日、マンハイムに生まれたドイツのリリック・ソプラノ歌手。マンハイムの音楽院でエリカ・ミュラーに声楽を師事した彼女は、1943年、コブレンツ市立劇場でデビューし、歌手と俳優として契約します。
戦後、1946年に演出家ギュンター・レンネルトによってハンブルク国立歌劇場に招かれ、1955年まで同劇場に所属、座付きアンサンブルの一員として、海外公演や放送などに活躍します。
その間、1953年にはウィーン国立歌劇場に出演し、以後定期的に呼ばれるようになり、さらに1954年にはザルツブルク音楽祭にも招待されています。
1956年になるとライン・ドイツ・オペラと契約しますが、2年後の1958年、ウィーン国立歌劇場と契約し、以後の華々しい活動に繋がって行きます。1960年には、ミラノ・スカラ座とメトロポリタン歌劇場の両方にデビューして成功を収め、その後各国の劇場に出演していますが、やがてオペレッタ映画やテレビでの活躍も増え、自身の番組を持って長年に渡って人気を博すなど、ドイツの国民的スターといえる存在になっていました。
【芸風】
若かった頃の細身の軽やかで抒情的な歌唱は、まさにリリック・ソプラノそのものといった感じでしたが、やがて声に重みが備わってくると、持ち前の愛らしい歌い回しを生かしながらドラマティックな役柄をもこなすようになります。
最も得意とした作曲家はモーツァルトとリヒャルト・シュトラウスでしたが、高水準な歌唱技術に加え、さらに卓越した演技感覚の鋭さもあって、ベルクの『ルル』やオペレッタ映画など、演技力の要求される作品はもちろん、イタリア・オペラからロシア・オペラ、フランス・オペラまで巧みにこなせたのは、やはり並外れた演技の才能あってのものでしょう。
自身がパーソナリティを務めるテレビ番組が長く続いたのも、そうしたセンスの良さが備わっていたからに違いありません。
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