クルト・マズア(Kurt Masur, 1927年7月18日 - )は、旧東ドイツ出身の指揮者。マズアは1970年代、かつて東京で一度だけ聴いた。いまやドイツの大老といってよいだろう。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団楽長を1970 - 1996年の四半世紀以上にわたって勤めた。
ゲヴァントハウスの首席指揮者の歴史は凄い。アルトゥル・ニキシュ、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ブルーノ・ワルター、ヘルマン・アーベントロート、ヘルベルト・アルベルト、フランツ・コンヴィチュニー、ヴァーツラフ・ノイマン、そしてマズアののち、ヘルベルト・ブロムシュテット、リッカルド・シャイー(2005年 –)と続く。マズアのシェフ時代は、カラヤンなど華麗な指揮者の活動がもっとも目立った時代と重なるが、そのディスコグラフィは充実しており、地味ながら、しっかりと地歩を固めていたと評価できるだろう。
【以下は引用】
<HMV レビュー>
リスト:管弦楽曲集、ピアノ協奏作品集(7CD)
マズア&ゲヴァントハウス管弦楽団、ベロフ
ゲヴァントハウス管弦楽団音楽監督として大活躍していた東独時代のクルト・マズアは、カペルマイスター・タイプの実力派として人気がありました。彼らの代表作のひとつに数えられるフランツ・リストの管弦楽作品集がセッションによりステレオ・レコーディングされたのは、1970年代の終わりから1980年代初頭にかけてのことでした。
当時のマズアとゲヴァントハウス管弦楽団は、ベートーヴェンやブラームス、シューマン、メンデルスゾーン、ブルッフ、ブルックナーなどの交響曲全集でも率直な演奏を聴かせていたのが印象的で、特にメンデルスゾーンの初期交響曲の魅力を世に広めることにもなった全集録音の仕上がりには格別なものがありました。
リストの管弦楽作品集もそれらと同様に水準の高いもので、素朴で重厚な響きによる肌触りの良いサウンドには実に魅力的なものがあります。
一連のリストの交響詩と交響曲は、『ゆりかごから墓場まで』を除いて、彼がワイマールに滞在して宮廷楽長を務めていた40代の頃に書かれており、ロマン派の雰囲気を濃厚に湛えているのが特徴。そのワイマールの東北東50キロという近場にあるライプツィヒでは、当時すでにゲヴァントハウス管弦楽団が活発に公演をおこなっており、このマズアとの録音は、それから約130年を経てのものということになります。
組み合わせの「ピアノと管弦楽のため作品集」はCD2枚分の分量で、当時すでに世界的な人気を博していた27歳のベロフとの共演を楽しむことができます。
収録場所はライプツィヒのパウル・ゲルハルト教会で、ゲヴァントハウス管弦楽団の重厚なサウンドを活かしながらも、要所で切れの良さを見せるマズアの演奏を見事に再現してくれています。クラムシェル・ボックス仕様で12ページのブックレット付。限定盤(HMV)
【収録情報】
CD1
リスト:
1. 交響詩第1番『山上にて聞きしこと』S95
2. 交響詩第2番『タッソー、悲哀と勝利』S96
3. 交響詩第3番『前奏曲』S97
4. 交響詩第4番『オルフェウス』S98
ゲルハルト・ボッセ(ヴァイオリン:1,4)
ユルニャコプ・ティム(チェロ:4)
CD2
1. 交響詩第5番『プロメテウス』S99
2. 交響詩第6番『マゼッパ』S100
3. 交響詩第7番『祭典の響き』S101
4. 交響詩第8番『英雄の嘆き』S102
5. メフィスト・ワルツ第2番 S111
CD3
1. 交響詩第9番『ハンガリー』S103
2. 交響詩第10番『ハムレット』S104
3. 交響詩第11番『フン族の戦争』S105
4. 交響詩第12番『理想』S106
カール・ズスケ(ヴァイオリン:1)
CD4
1. ゆりかごから墓場まで(交響詩第13番)S107
2. ファウスト交響曲(3人の人物描写による)S108
クラウス・ケーニヒ(テナー:2)
ライプツィヒ放送合唱団男性合唱団員(2)
ヴァルター・ハインツ・ベルンシュタイン(オルガン:2)
CD5
1. レーナウの『ファウスト』からの2つのエピソードS110
2. ダンテ交響曲(ダンテの『神曲』による交響曲)S109
フォルカー・アルント(児童ソプラノ/トレブル:2)
ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団員(2)
マティアス・アイゼンベルク(オルガン:2)
CD6
1. ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S124
2. ピアノ協奏曲第2番イ長調S125
3. シューベルト:さすらい人幻想曲D760(トランスクリプション:リスト)S366
4. ヴェーバー:華麗なポロネーズJ268(トランスクリプション:リスト)S367
ミシェル・ベロフ(ピアノ)
CD7
1. ハンガリー幻想曲S123
2. ベートーヴェンの『アテネの廃墟』のモティーフによる幻想曲
3. ベルリオーズの『レリオ』の主題による交響的大幻想曲S120
4. 呪い S121
5. 死の舞踏(聖歌『怒りの日』によるパラフレーズ)S126
ミシェル・ベロフ(ピアノ)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
クルト・マズア(指揮)
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