シノーポリについては、以下でこのブログで取り上げてきました(特にⅤを参照)。今回はブルックナー2曲について付記しておきます。5,8番はそのうち書こうと思っています。
【シノーポリ】
http://shokkou3.blogspot.jp/2011/12/blog-post_23.html
【シノーポリⅡ】
http://shokkou3.blogspot.jp/2011/12/blog-post_4381.html
【シノーポリⅢ】
http://shokkou3.blogspot.jp/2011/12/blog-post_678.html
【シノーポリⅣ】
http://shokkou3.blogspot.jp/2011/12/blog-post_98.html
【シノーポリⅤ】
http://shokkou3.blogspot.jp/2011/12/blog-post_5893.html
http://www.amazon.co.jp/Bruckner-Symphony-Romantic-Staatskapelle-Dresden/dp/B00DGNZBW0/ref=cm_cr-mr-title
シノーポリのブルックナーでは、なにより重厚で緻密な音の響きを重視しているように思う。それは伝統あるドレスデンとの共演だからというよりも、ブルックナーの本源的な魅力をそこに見ているからであり、よって、速度の可変、フレージングの技法は意識的に抑制されている。
このシノーポリのオーソドックスともいえるブルックナー解釈は本番に限らず、残された録音すべてに共通する。劇的な様相をさほど感じることがない一方、滔々たる流れは聴きこめば心地よき快感にかわる。
4番では第2楽章。静寂な朝靄のなか、ほの明るき黎明、そして一気に立ち上がる日の出をへてふたたび静謐な空気に包まれていく・・・といったイメージが丹念な音の積み重ねによって見事に表現されている。他方、終楽章での激しい盛り上がりを期待すると肩透かしをくう。一種ユニークだが、背後の一貫した音響美を最後まで味わおうとするリスナー向けの演奏ともいえよう。
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シノーポリのブルックナーは7番に限らず、変則的ではないオーソドックスな演奏である。シノーポリは、ブルックナーのもつ重厚で緻密な音の響きをなによりも大切にしており、テンポを意識的に動かしたり、過度にフレーズを強調するといったことがない。極力、素材の良さを丹念に引き出せば、そこから自然に感動が生まれると、しかと確信しているような演奏である。
第2楽章の音響美がそうした特質をもっとも端的にあらわしているが、楽章ごとにかくあるべしというイメージはもっており、第3楽章の「ほどよき」快活さ、終楽章の「節度ある」盛り上げ方とも落ち着いた演奏スタイルを堅持する。
劇的な演奏を好むリスナーには少しく物足りなさを感じるかも知れないが、じっくりとブルックナーの楽曲にふれたい向きにはその丁寧さに得心できるのではないかと思う。
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