オネゲル:交響曲第2番&第5番「3つのレ」、ルーセル:バッカスとアリアーヌ第2番
交響曲第2番は、第二次世界大戦中に作曲されたもので、戦争の悲惨さ、絶望感が表現されていることから、戦時映像のバックで流されることもある曲。執拗なテーマの繰り返し、陰惨な曲想、一貫した緊張感の醸成に特色がある。第3楽章の最後にトランペットが用いられるが基本は「弦楽のための交響曲」であり、弦楽五重奏曲の拡大版を聴くような感じ。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管で、コンサートマスターを務めていたミュンシュならでは、弦楽器の使い方の巧みさ、各楽器の音色の奥深い響きは、この曲でも十分生かされている。
交響曲第5番『三つのレ』(全3楽章がレ(ニ)音で終わる)は、ミュンシュ/ボストン響によって1951年に初演された(本盤は翌年の録音)。第2楽章に十二音技法が用いられているということでも知られるが、リズミックさが強調されているため、あまり意識されない。
ルーセル「バッカスとアリアーヌ」はバレエ曲らしい華やかさがあり、お口直し的に明るく力強いエンディングである。ミュンシュらしい快演。
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ミュンシュ/ボストン交響楽団による『幻想交響曲』『イタリアのハロルド』『夏の夜』の2枚組。『幻想』ではマルケヴィッチやベイヌムも良い演奏だが、ミュンシュのちょっと真似のできないスケール感はやはり大書しておくべきだろう。
構えが大きく立派で、全般の運行早く軽快なテンポを保ち、熱っぽく汗が迸るような演奏であることがミュンシュの特色である。
クラシック音楽を聴きはじめた頃、1968年11月6日にミュンシュは逝去した。直後の11日に追悼記念コンサートのテレビ放映があり、その演目は『幻想』であった。当時は、こうした映像自身がめったに紹介されることがなかったから、この貴重な記録を食い入るように魅入った思い出がある。他の2曲は下記データのとおりだが定評ある名演。
◆『幻想交響曲』
録音:1954年11月 ボストン・シンフォニー・ホール(2トラック録音)
◆交響曲『イタリアのハロルド』
ウィリアム・プリムローズ(va)
録音:1958年3月31日 ボストン、シンフォニー・ホール(3トラック録音)
◆歌曲集『夏の夜』
ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
録音:1955年4月12,13日、ボストン、シンフォニー・ホール(MONO)
晩年のパリ管との関係、特にフランスものの秀演(上記はその代表作「幻想」など)があまりにも有名だが、ドイツ音楽の正統を継ぎ、かつ黄金時代は、手兵ボストン響との名コンビで全米はもとより世界で鳴らした。
本選集ではこれに加えて、メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲では、ハイフェッツと、ブラームス/ピアノ協奏曲第2番ではルービンシュタインとの共演を聞ける。どの演奏も大筆で一気に揮毫するような迫力があるけれど、けっして大味ではなく全体の構成が自然でいささかも崩れていない。
特に得意のブラームスの熱気は凄いし、普段あまり聞くことのないシューベルト/交響曲第2番なども実に楽しく飽きずに聴くことができる。
【収録内容】
CD1:メンデルスゾーン/交響曲第3番『スコットランド』、ヴァイオリン協奏曲ホ短調[v.ハイフェッツ]、華麗なるカプリッチョ ロ短調[p.ゲイリー・グラフマン](録音/1959年、1960年ステレオ)
CD2:同上/交響曲第4番『イタリア』、同第5番『宗教改革』、弦楽八重奏曲変ホ長調~スケルツォ(録音/1958年、1957年、1960年)
CD3:ブラームス/交響曲第1番、悲劇的序曲(録音/1956年、1955年)
CD4:同上/交響曲第2番、同第4番(録音/1955年、1958年)
CD5:シューベルト/交響曲第2番、ブラームス:ピアノ協奏曲第1番[p.ゲイリー・グラフマン](録音/1960年、1958年)
CD6:同上/交響曲第8番『未完成』、同第9番『グレート』(録音/1955年、1958年)
CD7:シューマン/交響曲第1番『春』、『マンフレッド』序曲(録音/1959年)
CD8:同上/『ゲノヴェーヴァ』序曲、ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調[p.ルービンシュタイン](録音/1951年、1952年のみモノラル)
クラシック音楽 聴きはじめ 2
http://blog.livedoor.jp/shokkou/archives/2013-09.html
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