Sergey Rachmaninov: Orchestra Works, Piano Concertos, Aleko CD, Import
録音こそ非常に古いが内容はなんとも豪華なセット。目玉のピアノ協奏曲全4曲では、1、4番の2曲は作曲家自身のピアノ、バックはオーマンディ/フィラデルフィア管の歴史的音源(1939〜41年)、2番は、ルービンシュタインとライナー/シカゴ響(同コンビによるパガニーニの主題による狂詩曲も併録)で固め、3番は、ギレリスとクリュイタンス/パリ音楽院管という強力な布陣。面白いのは、3番をのぞきもう1種の佳演(アンダ、ミケランジェリなど)をぶつけてきていることである。とくにアンダの2番は凛然とした好演。
ほかに交響曲、歌劇、その他ともバラエティに富んだ編成で、古い音源の録音の悪さは覚悟すべきながらラフマニノフ好きならスーパー廉価、買って損はない。
<収録情報(録音年)>
【ピアノ協奏曲】
◆第1番
(1)ラフマニノフ、オーマンディ/フィラデルフィア管(1939/40年)
(2)モイセイヴィチ、サージェント/フィルハーモニア管(1948年)
◆第2番
(1)ルービンシュタイン、ライナー/シカゴ響(1956年ステレオ)
[同コンビでパガニーニの主題による狂詩曲も併録]
→ Rubinstein Collection, Vol. 35 - Rachmaninoff
(2)ゲザ・アンダ、ガリエラ/フィルハーモニア管(1953年)
◆第3番
ギレリス、クリュイタンス/パリ音楽院管(1955年)
→ Gilels Plays Saint-Saens, Rachmaninov, Shostakovich
[ギレリスで楽興の時 変ニ長調 op.16-5(1951年)も併録]
◆第4番
(1)ラフマニノフ、オーマンディ/フィラデルフィア管(1941年)
(2)ミケランジェリ、エットーレ・グラチス/フィルハーモニア管(1957年ステレオ)
【交響曲】
◆第2番 ヴァーノン・ハンドリー指揮、ロイヤル・フィル(1994年デジタル)
→ Rachmaninov: Symphony No 2
◆第3番 ニコライ・ゴロワノフ/モスクワ放送管(録音時期:1948年)
→ Sergey Rachmaninov: The Rock, Three Russian Folksons, Symphony No. 3
【歌劇】
◆『アレコ』全曲
イワン・ペトロフ(バス)、ニーナ・ポクロフスカヤ(ソプラノ)、アナトーリ・オルフェノフ(テノール)、アレクサンドル・オグニフツェフ(バス)、ブロニスラワ・ズラトゴロワ(バス)
ゴロワノフ指揮、ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団(1951年)
→ Rachmaninov ALEKO. Nikolai Golovanov
【その他】
・交響詩『死の島』 アンセルメ/パリ音楽院管(1954年)
・10の前奏曲 op.23、13の前奏曲 op.32 モーラ・リンパニー(ピアノ)(1951年)
・前奏曲ト短調op.23-5 ホロヴィッツ(ピアノ)(1931年)
・ラフマニノフによるピアノ独奏
[バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番(トランスクリプション)、メンデルスゾーン:スケルツォ(真夏の夜の夢より)、チャイコフスキー:子守歌 op.16-1](1935/1942年))
http://www.amazon.co.jp/Sergey-Rachmaninov-Orchestra-Works-Concertos/dp/B003BF8V34/ref=sr_1_4?s=music&ie=UTF8&qid=1414914937&sr=1-4&keywords=membran+10+cd
Shostakovich: Symphonies, Concertos, Piano Works, Chamber Music
選曲、演奏陣とも充実したセット。交響曲では、ミトロプーロス Dimitri Mitropoulos (1896-1960) Conductor がショスタコーヴィチ 交響曲第5番&第10番 などをニューヨーク・フィルで積極的に取り上げたのが下敷きとなって、バーンスタイン 交響曲第5番 の名盤が生まれたのではと思った。一方、ベルリン・フィルでは、カラヤンが録音で取り上げたのは10番 Shostakovich: Symphony No.10 In Eminor, Op. 93 のみで、チェリビダッケの古い音源(7,9番)には希少価値がある。
本セットの魅力は、ショパンコンクールにも出場した「名ピアニスト」としてのショスタコーヴィチを知ることができることで、ピアノ協奏曲第1番、第2番(バックは、クリュイタンス/フランス国立放送管弦楽団で文句なし)、ピアノ三重奏曲第2番、2台のピアノのためのコンチェルティーノなどが所収されている。
また、オイストラフのヴァイオリン協奏曲第1番、ギレリスの24の前奏曲とフーガなど旧ソ連の名演奏家の秀演やハイフェッツの前奏曲なども聴きもの。
弦楽四重奏曲や交響曲第10番を除き、全般の録音は古く音質の悪さは否めないが、この価格である。ショスタコーヴィチの多彩な風貌を知る上では有益なセット。
(収録情報、カッコ内録音時点)
【交響曲】
・交響曲第5番(1952年):ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル
・交響曲第7番『レニングラード』(1946年):チェリビダッケ/ベルリン・フィル
・交響曲第9番(1947年):チェリビダッケ/ベルリン・フィル
・交響曲第10番(1995年):フランク・シップウェイ/ロイヤル・フィル
【管弦楽曲】
・組曲『馬あぶ』抜粋(1995年):ジョナサン・カーネイ(ヴァイオリン)
フランク・シップウェイ/ロイヤル・フィル
・祝典序曲(1994年):マッケラス/ロイヤル・フィル
【協奏曲】
・ピアノ協奏曲第1番、第2番(1958年):ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)
クリュイタンス/フランス国立放送管弦楽団
・ヴァイオリン協奏曲第1番(1956年):オイストラフ(ヴァイオリン)、ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル
【室内楽曲】
・ピアノ五重奏曲ト短調 op.57(1952年):ヴィクター・アラー(ピアノ)、ハリウッド弦楽四重奏団
・ピアノ三重奏曲第2番(1945年):ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)
ディミトリ・ツィガノフ(ヴァイオリン)、セルゲイ・シリンスキー(チェロ)
・弦楽四重奏曲第2番、第8番(1995年):ザポルスキー四重奏団
・弦楽四重奏曲第3番(1998年):カイリン四重奏団
【ヴァイオリン曲】
・前奏曲嬰ハ短調 op.34-10、前奏曲変ニ長調 op.34-15(ツィガノフ編、マガニーニ編)(1945年):ハイフェッツ(ヴァイオリン)、エマニュエル・ベイ(ピアノ)
【ピアノ曲】
・2台のピアノのためのコンチェルティーノ(1956年):マキシム&ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)
・24の前奏曲とフーガより第1番、第5番、第24番(1954/1955年):ギレリス(ピアノ)
・同第1番、第4番、第5番、第8番、第22番、第23番、第24番、3つの幻想的舞曲、子供のノート(1946/1958年):ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)
http://www.amazon.co.jp/Shostakovich-Symphonies-Concertos-Piano-Chamber/dp/B003BF8V3E/ref=pd_sim_m_3?ie=UTF8&refRID=1XC9FHWNFT9021M0EGY1
The Greatest Works of Johannes Brahms: Symphonies, Concertos, Piano Music, Chamber Music, A German Requiem
非常に古い音源だが、リスナーにとって掘り出し物と思えるものが1、2点あれば、この価格ならライヴラリーに加えて損はない。小生は、以下のクナッパーツブッシュ、カラヤン、ケンペなどは一聴に値すると思う。
【収録内容(録音時点)】
◆交響曲
・第1番(1943年)カラヤン指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
→ グレート・コンダクター・シリーズ/カラヤン ブラームス:交響曲 第1番 他
・第2番(1947年)フリッツ・ブッシュ指揮、デンマーク放送交響楽団
・第3番(1944年)クナッパーツブッシュ指揮、ベルリン・フィル
→ ブラームス:交響曲第2番&第3番
・第4番(1950年)ヨーゼフ・クリップス指揮、ロンドン交響楽団
◆協奏曲
・ヴァイオリン協奏曲(1957年)メニューイン(ヴァイオリン)、ケンペ指揮、ベルリン・フィル
・ピアノ協奏曲第2番(1947年)ソロモン(ピアノ)、イザイ・ドブロウェン指揮、フィルハーモニア管弦楽団
◆室内楽、器楽曲
・ピアノ三重奏曲第1番(1952年)デイム・マイラ・ヘス(ピアノ)、アイザック・スターン(ヴァイオリン)、パブロ・カザルス(チェロ)
・弦楽六重奏曲第1番(1952年)アイザック・スターン、アレクサンダー・シュナイダー(ヴァイオリン)、ミルトン・カティムス、ミルトン・トーマス(ヴィオラ)、パブロ・カザルス、マデリン・フォリー(チェロ)
・2台のピアノによるハンガリー舞曲集全曲(1956年)ブレンデル、ヴァルター・クリーン(ピアノ)
・ラプソディ ト短調 op.79-2(1944年)ソロモン(ピアノ)
・間奏曲第1番、第2番(録音時期:1957年)ゲザ・アンダ(ピアノ)
・パガニーニの主題による変奏曲(録音時期:1953年)ゲザ・アンダ(ピアノ)
・ヴァイオリン・ソナタ第3番(1934年)メニューイン(ヴァイオリン)、ヘフツィバー・メニューイン(ピアノ)
◆宗教曲
・ドイツ・レクィエム(1955年)エリーザベト・グリュンマー(ソプラノ)、フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂合唱団、ケンペ指揮、ベルリン・フィル
→ グレート・コンダクター・シリーズ ケンペ ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
http://www.amazon.co.jp/The-Greatest-Works-Johannes-Brahms/dp/B003BF8V2K/ref=sr_1_56?s=music&ie=UTF8&qid=1414915960&sr=1-56&keywords=membran+10+cd
The Innovator
最近、モンテヴェルディ作品、特に『オルフェオ』、『ウリッセの帰還』、『ポッペーアの戴冠』などのオペラ作品が注目されている。かつてであれば、音楽史の授業で唯一、『聖母マリアの夕べの祈り』のさわり部分を聴くことくらいであったので、その作品への関心の高まりは、モンテヴェルディ復権といってもよいかも知れない。
さて、本集はそうしたなかにあって、普段あまり接することに少ないマドリガーレ集(声楽と器楽アンサンブルの組み合わせ)が中心の10枚組みである。小生、はじめて聴く曲ばかりだが、バッハのカンタータ集を連想させるが、よりくだけており、ある意味ではオペラの習作という気もすれば、歌曲集のはしりといった風情もあって面白い。録音は比較的新しく聴きやすい。
【収録情報】
・タッソのテキストによるマドリガーレ集(マドリガーレ集第1,2,3,4巻より)
コンチェルト・イタリアーノ、リナルド・アレッサンドリーニ(指揮)(1989年)
・マドリガーレ集第7巻
Cettina Cadelo, Cristina Miatello (Sopranos)、Claudio Cavina (Contralto), Emanuele De Cecchi (Contralto-Tenor)、Carlo Gaifa, Vincenzo Manno (Tenors)、Giovanni Faverio (Bass)、カペラ・マウリツィアーナ、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮)(1987〜1989年)
・マドリガーレ集第8巻より第1部『戦いのマドリガーレ集』
・マドリガーレ集第8巻より第2部『愛のマドリガーレ集』
イル・ルッジェーロ、エマヌエラ・マルカンテ(指揮、チェンバロ)(1998年)
・マドリガーレ集とカンツォーネ集(マドリガーレ集第7,8,9巻より)
Cettina Cadelo (Soprano)、Carlo Gaifa and Vincenzo Manno (Tenors)、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮、チェンバロ)(1987年)
・マドリガーレ集『音楽の戯れ』
ロジータ・フリザーニ(ソプラノ)、マヌエラ・クステル(アルト)、アンサンブル・アルテ=ムジチ、フランチェスコ・チェーラ(指揮)(1999年)
・ラプレゼンターティヴォ様式のマドリガーレ集(恋文、つれない女たちのバッロ、ニンファの嘆き、たとえそれが天の望む運命でも)
Cettina Cadelo (Soprano)、Vincenzo Manno and Emanuele De Checchi (Tenors)、Giovanni Faverio (Bass) and others,、アンサンブル・コンチェルト、 ロベルト・ジーニ(指揮、チェンバロ、オルガン)(1988年)
・『タンクレディとクロリンダの戦い』
Cettina Cadelo (Soprano)、Carlo Gaifa and Vincenzo Manno (Tenors)、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮、チェンバロ)(1987年)
・『情け知らずの女たちのバッロ』
Maurizia Barazzoni (Soprano), Elisabetta Martorana (Soprano)、Giovanna Dissera Bragadin (Contralto), Marcella Ventura (Contralto)、Daniele Gaspari (Tenor), Francesco Zane (Bass)、アンサンブル・シンフォニア・ペルジーナ、 サンドロ・ヴォルタ(指揮)(2003年)
・『アリアンナの嘆き』
ロジータ・フリザーニ(ソプラノ)、マヌエラ・クステル(アルト)、アンサンブル・アルテ=ムジチ、フランチェスコ・チェーラ(指揮)(1999年)
・1声、2声のためのさまざまな宗教的作品集
(Ecce sacrum、Salve, o Regina、Ergo dormino O quam pulchra、Ego flos campi、Laudate Dominum、Salve, Regina、Currite, populi、Venite, videte
・Exulta, filia、Cantate、Domino and Intonations for Organ by Giovanni and Andrea Gabrieli)
Cristina Miatello (Soprano), Caterina Calvi (Contralto)、Vincenzo Manno and Emanuele De Checchi (Tenors)、Giovanni Faverio (Bass)、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮、オルガン)(1990年)
http://www.amazon.co.jp/The-Innovator-Claudio-Monteverdi/dp/B007XT7X0Q/ref=sr_1_62?s=music&ie=UTF8&qid=1414915960&sr=1-62&keywords=membran+10+cd
Works of Robert Schumann
メンブラン・レーベルの作曲家選集のひとつ。このシューマン集のラインナップは充実している。1950年代を中心に粒ぞろいの名演が集められており、交響曲ではクリップスの4番、協奏曲では、ピアノ(リパッティ、カラヤン/フィルハーモニア管)、チェロ(カザルス、オーマンディ/プラド祝祭管)はいまも聴き継がれる秀でたもの。
ピアノ曲では、アンダ、ハスキル、カーゾン、ギーゼキングの聴きくらべができ、歌曲集では「詩人の恋」(フィッシャー=ディースカウ+デームス)、「女の愛と生涯」(フェリアー+ニューマーク)の若き声楽も魅力的。
最後に、珍しい「マンフレッド」全曲は、シューリヒト/シュトゥットガルト放送響が収録されている。この構成、価格からみればなんともお買い得。
<収録情報>
◆交響曲
・第1番:ピエロ・コッポラ/ロンドンナショナル響(1946年),
・第2番:バーンスタイン/バイエルン国立管(1948年)
・第3番:ダグラス・ボストック/チェコ室内フィル管(2002年)
・第4番:ヨーゼフ・クリップス/ロンドン響(1952年11月)
◆協奏曲
・ヴァイオリン協奏曲:メニューイン(Vn)、バルビローリ/ニューヨーク・フィル(1938年)
・ピアノ協奏曲:リパッティ(pf)、カラヤン/フィルハーモニア管(1948年)
・チェロ協奏曲:カザルス(Vc)、オーマンディ/プラド祝祭管(1952年)
◆器楽曲他
・クライスレリアーナOp.16、謝肉祭Op.9:ゲザ・アンダ(pf)(1955年)
・子供の情景Op.15、森の情景Op.82:クララ・ハスキル(pf)(1953, 1955年)
・幻想曲Op.17:クリフォード・カーゾン(pf)(1954年)
・交響的練習曲Op.13、3つのロマンスOp.28:ギーゼキング(pf)(1951年)
・ピアノ三重奏曲Op.63:ミェチスワフ・ホルショフスキ(pf)アレクサンダー・シュナイダー(Vn)パブロ・カザルス(Vc)(1952年)
・ヴァイオリンソナタOp.121:ユーディ・メニューイン(Vn)ヘプツィバ・メニューイン(pf)(1934年)
◆歌曲集
・「詩人の恋」:フィッシャー=ディースカウ(Br)イェルク・デームス(pf)(1957年)
・「女の愛と生涯」:キャスリーン・フェリアー(Alt)ジョン・ニューマーク(pf)(1950年)
◆劇音楽
・ 「マンフレッド」(全3幕)
Manfred: Peter Luhr, Gemsenjager: Walter Kottenkamp, Abt: Theodor Loos, Alpenfee: Uta Rucker, Nemesis: Mila Kopp, Astarte: Ingeborg Engelmann, Guter Geist: Lotte Bethke (S), Boser Geist: Kurt Haars (Br), Speaker: Harald Baender u.v.a 、シューリヒト/シュトゥットガルト放送響(1952年)
http://www.amazon.co.jp/Works-Robert-Schumann/dp/B002PDB9S2/ref=sr_1_71?s=music&ie=UTF8&qid=1414915960&sr=1-71&keywords=membran+10+cd
Berlioz: The Great Classical Collection
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