日曜日, 2月 08, 2015

チャイコフスキー 交響曲第2番 ショルティ/パリ管(1956年)

チャイコフスキー:交響曲第2番&第5番


ショルティ、壮年期のパリ音楽院管弦楽団とのチャイコフスキー集(1956年録音) 。以下は2番について。この曲を普段、好んで聴く好事家は多くはないだろう。後期3曲にくらべて、構成力が弱く求心力にも欠ける(特に第1、第4楽章)。チャイコフスキーらしい哀調のメロディは魅力だが分断化されており、一定のイメージを形成するだけの曲想にいたらず中途半端な印象は否めない。

 しかし、こうした曲なればこそ、ショルティの力量は実によく発揮される。ショルティ特有の堅固な音づくりが構成力の弱さを補強し、磨きこむようなテクスチャー解読によって、個々のメロディに強さと輝きを与えて名曲に準じるレヴェルまで演奏で引き上げていくような出来である。録音は解像力には問題はあるが、パリ音楽院管弦楽団の各パートの生き生きとした楽器の妙技は光る(特に第2楽章)。
 

2 件のコメント:

Kz さんのコメント...

はじめまして。私は32歳のサラリーマンです。クラシックの名盤情報を探して織工Ⅱを読ませていただいておりましたが、06年で更新が途絶えていたので、残念に思っておりました。Ⅲに書き継がれていたんですね。これからもブログを拝読させていただきますので、よろしくお願いいたします。

織工 さんのコメント...

暖かな励ましの言葉をいただき、どうもありがとうございます。とてもマイナーなプログですが、コツコツと書いていきたいと思っています。こちらこそ、今後とも宜しくお願い申し上げます。織工