日本ステレオ名盤選5 ポップス・コンサート
NHK交響楽団には中学生の頃からお世話になっている。岩城宏之、若杉弘などの後年の第一級指揮者がいまだ若手の時代であった。内幸町の旧NHKホールでの収録に足しげく通った。とても贅沢な時間であったといまも感謝している。
クラシック音楽聴きはじめ2:岩城宏之
さて、それから幾星霜をへていま思うのだが、NHK交響楽団には「3つの疑問」があると思う。
1.CD・DVDをなぜ作らないのか
著作権などの問題もあるのだろうが、世界的にみてもここまで優秀な放送響はそうないと思うのだが、ライヴ音源をふくめ、CD・DVD数の少なさはなぜなのだろう。もちろん、マタチッチはじめ歴史的音源の存在は知っているし、最近はゲーム音楽など、少し気を入れ始めているようにも見えるが、クラシック音楽の本流での絶対数は少ない。これでは、激烈極める世界のオーケストラ競争時代にあって、日本の代表として真剣勝負をしていると言えるだろうか。
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2.小澤征爾/NHK交響楽団はなぜ実現しないのか
若き小澤征爾との決裂のエピソード(※)は有名だが、オーケストラのプライドが高いのか、歴代プロデューサーなどの伝統か、その後、1995年1月23日「N響で32年ぶりタクト」などの関係改善(※※)はあったが、いまだCDやDVD制作にはいたっていない。また、かつての岩城、若杉時代と比較しても今日、若手指揮者の発掘、育成そして登竜門になっているかどうかも知りたいところ。
経緯を知らない若い日本のファンであれば、誰でもなぜ、「小澤征爾/NHK交響楽団」の組み合わせのCD、DVDがないのかはミステリーだろう。双方に言い分があるのかも知れないが、そもそも上記1、世界のクラシック音楽界での「成果主義的発想」が乏しいからとも思う。カラヤンとウィーン・フィルだって、チェルビダッケとベルリン・フィルだって、いろいろあっても時間をおいて歴史的和解を可能とした。小澤征爾/NHK交響楽団のCD、DVDーまだ、間に合うのでは? そして、功あり名を遂げた老大家ばかりでなく、小澤問題を「奇貨」として、若手指揮者の育成ももっとしっかりとやってほしい。
※ http://www.tapthepop.net/story/52982
※※ https://ameblo.jp/baybay22/entry-11762781491.html
3.NHK交響楽団は本当に一流なのか
TVで鑑賞するN響も無難、標準以上ながら「これは畢生の名演」といったものには最近、とんと巡り合わない。また、客席をうめるクラシック音楽ファンのなかでもN響の定期会員はとても高いプライドをもっておられる。でも、「N響は一流、定期会員は目利き」論は、それ以外のクラシック・ファンからは、いささか疑問符を付けたくなる。こういった体質自体が、日本のクラシック音楽の裾野をひろげる障害になっているのかも知れないとも思う。たとえば、小生は永らく「都民劇場」のC席ないしD席会員(※※※)だったが、相対比較ではN響の定期会員にはなかなか食指が動かなかった。最近はどちらもまったくご無沙汰なので、固陋のオールド・ファンの昔話かも知れないが。
※※※ http://www.tomin-gekijo.or.jp/circle/music/
(オマケ)
NHKエンタープライズさんはすでに以下の販売を行っている。ボストン響でなくて、これがN響だって十分にありえるのでは・・・? 創設100周年に向けて是非、検討していただきたい。
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