オーマンディは米国にあって、実はショスタコーヴィッチ演奏の先駆者である。残念ながら、その音源はあまり有名ではないが、以下のラインナップ等が知られている。
◆ショスタコーヴィッチ集(交響曲第1番、第4番、第5番、第10番、チェロ協奏曲第1番、組曲「黄金時代」作品22a‾第3曲:ポルカ) オーマンディ・コンダクツ・ショスタコーヴィチ
◆交響曲第1番&チェロ協奏曲第1番 Shostakovich: Symphony No.1, Cello Concerto No. 1 (このジャケット写真の両雄の表情は実によい)
◆交響曲第4番、第10番 Symphonies 4 & 10
◆交響曲第13番 「バービイ・ヤール」 ショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バービイ・ヤール」
◆交響曲第14番 「死者の歌」 ショスタコーヴィチ:交響曲第14番「死者の歌」&ブリテン:「ピーター・グライムズ」‾4つの海の間奏曲
◆交響曲第15番 Symphony 15 in a Major / Piano Sonata 2
<以下は第5番について>
第5番はバーンスタイン盤とかぶるので、当時のレコード会社の方針もあってか、バーンスタインの第5番+オーマンディのチェロ協奏曲第1番(ヨー・ヨー・マ)のカップリングが主力で、オーマンディの第5番の存在の影はうすかった。
しかし、これはこれで素晴らしいものである。フィラデルフィア・サウンドを強調するあまり、各楽器を際立たせた録音になっており、その分全体の構成力が見えにくいが、よく耳を研ぎ澄ませば、全体のバランスもよく、熱情型とは異なるテンポの安定した冷静で分析的な演奏であることがわかる。曖昧さのない明解で、かつクリアなサウンドは、作曲家自身が高く評価したとおりショスタコーヴィッチの優れたオーケストレーションをよく描ききっていると思う。
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(参考)
20世紀オーケストラ作品集 オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団 Eugene Ormandy Conducts 20th Century Classics
オーマンディ Eugene Ormandy
ハンガリアン・ファミリー 再考