土曜日, 9月 08, 2018

ジョージ・セル/ザ・コンプリート・アルバム・コレクション / George Szell The Complete Columbia Album Collection

ジョージ・セル/ザ・コンプリート・アルバム・コレクション(106CD)
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RQCNB8KHYJKA2/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B079VD2YRP

セルの集大成(クリーヴランド管創立100年を記念した106枚のボックス・セット)。セルは欧州にも来演しており、コンセルトヘボウ管との共演やザルツブルク音楽祭ライヴなどの他音源もあるが、本セットが中心であることに変わりはない。
「快速、冷静、明燦」のセルの演奏に駄演なし、は定評のあるところだが、以下の収録情報をチェックしても、録音は極めて周到になされており、同一演目の再演が少ないことがなによりの特色である。
全体を4つに分けると、ドイツ音楽のメインロード(ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームス、ワーグナー)が第1グループ。次は、ハンガリー生まれのセルが共感をもって振った民族派音楽系(ドヴォルザーク、スメタナ、バルトーク、ヤナーチェク、コダーイ)。第3は特定の共演者とじっくりと仕上げた協奏曲系、第4はその他の幅広いレパートリー群である。
演奏の均質性は、セルのセルフ・コントロールはトスカニーニばりであり折り紙付き。

(収録情報)
【ハイドン】
<交響曲>
・第88番 1954年4月9日
・第92番『オックスフォード』①1949年4月27日、②1961年10月20日
・第93番 1968年4月19日
・第94番『驚愕』1967年5月5日
・第95番 1969年1月17-18日
・第96番『奇蹟』1969年10月11-12日
・第97番 ①1957年10月25-26日、②1969年10月3,6日 
・第98番 1969年10月10日
・第99番 1957年10月25-26日
・第104番『ロンドン』1954年4月9日
➡ 第89番、第90番、第91番、第100~103番がない。第98番は1969年10月10日の録音。セルが存命していれば、こうした番数を収録したのではないかと思われる。

【モーツァルト】
<交響曲>
・第28番 1965年10月5日
・第33番 1962年10月26日
・第35番『ハフナー』1960年1月8-10日
・第39番 ①1947年4月22日、②1960年3月11-12日
・第40番 ①1955年11月18日、②1967年8月25日
・第41番『ジュピター』①1955年11月18日、②1963年10月11,25日
・『フィガロの結婚』序曲 1957年10月25日
・『劇場支配人』序曲 1966年1月28-29日
・ディヴェルティメント第2番 1963年4月20日
・セレナード第13番『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』1968年10月7日
・セレナード第9番『ポストホルン』1969年1月10日
<ピアノ協奏曲>
・第10番(2台のピアノのための)K.365、カサドシュ&ギャビー・カサドシュ(P)C 1955年12月19、21日(以下、Cはコロンビア響)
・第12番、カサドシュ(P)C 1955年12月20日
・第15番、カサドシュ(P)1968年10月18日
・第17番、①ゼルキン(P)C 1955年11月20-21日、②1964年10月18,19,21日
・第18番、カサドシュ(P)1957年10月10-11日
・第19番、ゼルキン(P)C 1961年4月26-28日
・第20番、①カサドシュ(P)1957年10月10-11日、②ゼルキン(P)C 1961年4月26-28日
・第21番、カサドシュ(P)1961年11月3-5日
・第22番、カサドシュ(P)1959年11月13日
・第23番、カサドシュ(P)1958年11月14-15日
・第24番、①カサドシュ(P)C 1954年1月12-13日、②1961年11月3-5日
・第25番、①ゼルキン(P)C 1955年11月20-21日、1953年4月16日、②レオン・フライシャー(P)1959年1月10日
・第26番『戴冠式』、①カサドシュ(P)C 1954年1月15-16日、②カサドシュ(P)C 1962年11月2-4日
・第27番、カサドシュ(P)C 1962年11月2-4日
<ヴァイオリン協奏曲>
・第1番、スターン(Vn.)C 1961年1月22-23日
・第3番、スターン(Vn.)1961年1月21-22日
・第5番『トルコ風』スターン(Vn.)C 1963年4月19日
・クラリネット協奏曲K.622、ロバート・マーセラス(Cl.)1961年10月21日
・協奏交響曲 K.364、ラファエル・ドルイアン(Vn.)、エイブラハム・スカーニック(Vla.)1963年12月28日
・モテット『エクスルターテ・ユビラーテ』K.165、ジュディス・ラスキン(ソプラノ)1964年5月11日
・ピアノ四重奏曲第1番、第2番、セル(P)ブダペスト弦楽四重奏団 1946年8月19-20日
・ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 K.376、ト長調 K.301、ホ短調 K.304、ハ長調 K.296、ラファエル・ドルイアン(Vn.)、セル(P)1967年8月1-3日
➡ 交響曲は最後期の3曲は再録している。ピアノ協奏曲ではカサドシュとの、ヴァイオリン協奏曲ではスターンとの相性が良かったことがわかる。

【ベートーヴェン】
<交響曲全集>
・第1番 1964年10月2日
・第2番 1964年10月23日
・第3番『英雄』1957年2月22-23日
・第4番 ①1947年4月22日、②1963年4月5-6日
・第5番『運命』①1955年11月26日、②1963年10月11,25日
・第6番『田園』①ニューヨーク・フィル1955年12月5日、②1962年1月20-21日
・第7番 1959年10月30-31日
・第8番 1961年4月15日
・第9番『合唱』、アデーレ・アディソン(ソプラノ)、ジェーン・ホブソン(メゾ・ソプラノ)、リチャード・ルイス(テノール)、ドナルド・ベル(バリトン)、クリーヴランド管&合唱団 1961年4月15,21,22日
・『レオノーレ』序曲第1番 1967年8月25日
・『レオノーレ』序曲第2番 1966年10月8日
・『レオノーレ』序曲第3番 1963年4月5-6日
・『エグモント』序曲 1966年10月8日
・『コリオラン』序曲 1966年10月29日
・『シュテファン王』序曲 1966年10月29日
・『フィデリオ』序曲 1967年8月25日
<ピアノ協奏曲全集>
・第1番、レオン・フライシャー(P)1961年2月25日
・第2番、レオン・フライシャー(P)1961年4月16日
・第3番、レオン・フライシャー(P)1961年4月16日
・第4番、レオン・フライシャー(P)1959年1月10日
・第5番、レオン・フライシャー(P)1961年3月3-4日
➡ 交響曲全集(新盤)は第3番(1957年)から第1番、第2番(1964年)まで7年をかけて慎重に行われている。ピアノ協奏曲は全てレオン・フライシャーとの共演。

【シューベルト】
・交響曲第8番『未完成』①1955年11月26日、②1960年3月12日
・交響曲第9番『グレート』1957年11月1日
・劇音楽『ロザムンデ』 D.797より(序曲/間奏曲第3番/バレエ音楽第2番)1967年1月7日

【シューマン】
<交響曲全集>
・第1番『春』1959年1月21日
・第2番 ①1952年11月28日、②1960年10月21,24日
・第3番『ライン』1960年10月21日
・第4番 ①1947年11月26日、②1960年3月12,22日
・『マンフレッド』序曲 1959年1月21日
・ピアノ協奏曲 Op.54、レオン・フライシャー(P)1960年1月8日

【メンデルスゾーン】
・交響曲第4番『イタリア』①1947年11月26日、1951年11月17日、②1962年10月26日
・序曲『フィンガルの洞窟』1962年10月26日
・劇音楽『真夏の夜の夢』 Op.61より(序曲/スケルツォ/夜想曲/間奏曲/結婚行進曲)①ニューヨーク・フィル1951年1月8,17日、②1967年1月13日
・ヴァイオリン協奏曲Op.64、フランチェスカッティ(Vn.)C 1961年12月1日
 
【ブラームス】
<交響曲全集>
・第1番 ①1957年3月1-2日、②1966年10月7日
・第2番 1967年1月6日
・第3番 1964年10月16日
・第4番 1966年4月8日
・ハイドンの主題による変奏曲 1964年10月24日
・大学祝典序曲 1966年10月28日
・悲劇的序曲 1966年10月28日
・ピアノ協奏曲第1番、①ゼルキン(P)1952年11月30日、②レオン・フライシャー(P)1958年2月21-22日、③ゼルキン(P)1968年4月19-20日
・ピアノ協奏曲第2番、①レオン・フライシャー(P)1962年10月19日、②ゼルキン(P)1966年1月21-22日
➡ ブラームスの交響曲全集も晩年に近い時期に収録。一方、ピアノ協奏曲第1番は3種(但しゼルキンが2回)の音源。

【ワーグナー】
・『ラインの黄金』より「ワルハラ城への神々の入場」1968年10月7,11-12日
・『ワルキューレ』より「ワルキューレの騎行」①1956年11月2日、②1968年10月7,11-12日
・同上より「魔の炎の音楽」①1956年11月2日、②1968年10月7,11-12日)
・『ジークフリート』より「森のささやき」①1956年11月2日、②1968年10月7,11-12日
・『神々の黄昏』より「夜明けとジークフリートのラインへの旅」①1956年11月2日、②1968年10月7,11-12日
・同上より「ジークフリートの葬送行進曲」①1956年11月2日、②1968年10月7,11-12日
・『トリスタンとイゾルデ』より前奏曲と「愛の死」1962年1月26日
・『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第1幕への前奏曲、①ニューヨーク・フィル1951年1月8日、②1962年1月26日
・『タンホイザー』序曲 ①ニューヨーク・フィル1951年1月4日、②1962年1月26日
・『さまよえるオランダ人』序曲 ①ニューヨーク・フィル1951年1月4日、②1965年12月10日
・『ファウスト』序曲 1965年12月10日
・『ローエングリン』第1幕への前奏曲 1965年12月10日
・『リエンツィ』序曲 ①ニューヨーク・フィル1951年1月4日、②1965年12月10日

★ ★ ★ ★ ★

【ドヴォルザーク】
・交響曲第7番 1960年3月18日
・交響曲第8番 1958年10月25,31日、11月1日
・交響曲第9番『新世界より』①1952年1月18日、②1959年3月20-21日
・スラヴ舞曲集 Op.46(全8曲)、同 Op.72(全8曲)、①1962年7月19日、1962年8月2日、1963年1月4-5日、②1963年1月~1965年1月
・同上Op.46より第1番、第3番、Op.72より第2番、第7番 1962年7月19日、1962年8月2日、1963年1月4-5日
・同上(Op.46より第1番、第3番、第8番、Op.72より第2番、第7番)1947年4月21日
・ピアノ協奏曲 Op.33、ルドルフ・フィルクシュニー(P)1954年4月9,11日
・序曲『謝肉祭』1962年7月19日、1963年1月4-5日
➡ セルはスラヴ舞曲集をこよなく愛しており、全16曲を2回、なかでも通番で、第1番、第3番、第10番、第15番は4回も収録している。

【スメタナ】
・弦楽四重奏曲第1番『わが生涯より』(オーケストラ用編曲:セル)1947年4月26日
・『売られた花嫁』序曲 1958年3月15日
・『売られた花嫁』より3つの舞曲 1962年8月2日、1963年1月4-5日
・『わが祖国』より『モルダウ』①1951年1月7-8日、②1963年1月4-5日
・『わが祖国』より『ボヘミアの森と草原から』1951年1月8日

【バルトーク】
・管弦楽のための協奏曲 1965年1月15-16日
・ピアノ協奏曲第1番 Sz.83 ゼルキン(P)C 1962年4月20-21日

【ヤナーチェク】
・シンフォニエッタ Op.60 1965年10月15日
・ヒンデミットの主題による変奏曲 1964年10月9日

【コダーイ】
・『ハーリ・ヤーノシュ』組曲 1969年1月10-11日

★ ★ ★ ★ ★
【J.S.バッハ】
・ヴァイオリン協奏曲 BWV.1053 フランチェスカッティ(Vn.)C 1953年1月6日
・ヴァイオリン協奏曲 BWV.1056(シゲティ編)シゲティ(Vn.)C 1954年1月13日

【ヘンデル】
・ヴァイオリン・ソナタHWV.371、シゲティ(Vn.)1954年2月23日

【タルティーニ】
・ヴァイオリン協奏曲D.45、シゲティ(Vn.)C 1954年1月15日
・ヴァイオリン・ソナタB.G.19、シゲティ(Vn.)1954年2月22日

【ブルッフ】
・ヴァイオリン協奏曲第1番、フランチェスカッティ(Vn.)シッパース/ニューヨーク・フィル 1962年1月23日

【ウィリアム・シューマン】
・オルフェウスの歌 レナード・ローズ(Vc.)1964年1月11日

【リスト】
・ピアノ協奏曲第2番、カサドシュ(P)1952年1月20日

【ラフマニノフ】
・パガニーニの主題による狂詩曲、レオン・フライシャー(P) 1956年10月26日

【フランク】
・交響的変奏曲 M.46 レオン・フライシャー(P)1956年12月28日

【グリーグ】
・ピアノ協奏曲Op.16、レオン・フライシャー(P)1960年1月8日

【バーバー】
・ピアノ協奏曲 Op.38 ジョン・ブラウニング(P)1964年1月3日

★ ★ ★ ★ ★

【ヒンデミット】
・ウェーバーの主題による交響的変容 1947年11月25日

【ウェーバー】
・『オベロン』序曲 ①ニューヨーク・フィル1951年1月8日、②1963年1月4日
・『魔弾の射手』序曲 ニューヨーク・フィル1951年1月8日
・コンツェルトシュテュックOp.79、カサドシュ(P)1952年1月20日

【ディーリアス】
・『イルメリン』前奏曲 1956年10月28日

【オーベール】
・『フラ・ディアヴォロ』序曲 1957年11月2日

【ボロディン】
・だったん人の踊り 1958年2月28日、3月1日

【リムスキー=コルサコフ】
・スペイン奇想曲 1958年2月28日、3月1日

【ベルリオーズ】
・序曲『ローマの謝肉祭』 1958年3月15日

【ウォルトン】
・管弦楽のためのパルティータ 1959年1月21日
・交響曲第2番 1961年2月24日

【ストラヴィンスキー】
・組曲『火の鳥』(1919年版)1961年2月24日、3月3,4日

【J.シュトラウス&J.シュトラウス2世、ヨゼフ・シュトラウス】
・『こうもり』序曲 1958年3月1日
・『美しく青きドナウ』、ピチカート・ポルカ、『うわごと』、『春の声』 、『オーストリアの村つばめ』、常動曲 1962年1月5日

【ドビュッシー】
・交響詩『海』1963年1月11-12日

【ラヴェル】
・『ダフニスとクロエ』第2組曲 1963年1月11-12日
・亡き王女のためのパヴァーヌ 1963年1月11-12日

【ムソルグスキー】
・『ホヴァンシチナ』より前奏曲『モスクワ河の夜明け』1958年2月28日、3月1日
・組曲『展覧会の絵』(ラヴェル編)1963年10月30日

【リャードフ】
・魔法にかけられた湖  1963年10月30日

【R.シュトラウス】
・交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』① 1949年4月15日、②1957年3月29日
・交響詩『ドン・ファン』1957年3月29日
・交響詩『死と浄化(変容)』1957年3月29日
・交響詩『ドン・キホーテ』フルニエ(Vc.)1960年10月28-29日
・ホルン協奏曲第1番Op.11、マイロン・ブルーム(Hr.)1961年10月27日
・家庭交響曲 1964年1月10日

【ビゼー】
・『アルルの女』第1組曲(全曲)、第2組曲より『ファランドール』1965年3月25日

【ヒンデミット】
・ウェーバーの主題による交響的変容 1964年10月10日

【グリーグ】
・『ペールギュント』第1組曲(全曲)、第2組曲より『ソルヴェイグの歌』1965年2月16日

【プロコフィエフ】
・交響曲第5番 1959年10月24,31日
・組曲『キージェ中尉』1969年1月17-18日
・ピアノ協奏曲第1番、グラフマン(P)1966年3月26日
・ピアノ協奏曲第3番、グラフマン(P)1966年3月26日
・ピアノ協奏曲第4番、ゼルキン(P)オーマンディ/フィラデルフィア管 1958年3月30
・ピアノ・ソナタ第3番『古い手帳から』グラフマン(P)1962年12月26日

【ロッシーニ】
・『ランスへの旅』序曲 1967年1月14日
・『イタリアのトルコ人』序曲 1967年1月14日
・『アルジェのイタリア女』序曲 1967年5月5日
・『どろぼうかささぎ』序曲 ①1958年3月15日、②1967年5月5日
・『絹のはしご』序曲 1967年5月27日

【チャイコフスキー】
・交響曲第5番 1959年10月23-24日
・ロココの主題による変奏曲 Op.33、レナード・ローズ(Vc.)1952年1月8日
・イタリア奇想曲 1958年2月28日、3月1日
・ピアノ協奏曲第1番 ①ホロヴィッツ(P)ニューヨーク・フィル1953年1月12日(ライヴ)、②グラフマン(P)1969年1月24-25日、3月20日

【ブルックナー】
・交響曲第3番ニ短調(1889年第3稿 ノーヴァク版)1966年1月28-29日
・交響曲第8番ハ短調(1890年第2稿 ノーヴァク版)1969年10月3,6,10,13日

【マーラー】
・交響曲第10番嬰ヘ短調よりアダージョ(クルシェネク版)1958年11月1日
・交響曲第10番嬰ヘ短調よりプルガトリオ(クルシェネク版)1958年11月1日
・交響曲第4番、ジュディス・ラスキン(ソプラノ)1965年10月1-2日
・交響曲第6番『悲劇的』、1967年10月(ライヴ)

<その他>
ボーナストラック:セルのインタビューなど

➡ ジョージ・セル・エディション 49枚組 

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1KK43QWOEB6FR/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B00BMKDQHQ   も参照


土曜日, 8月 04, 2018

小澤征爾の名演 2 シカゴ響

R.コルサコフ:シェエラザード/ボロディン:ダッタン人の踊り
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R97LBCHOG2XD1/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B00YNO23CM

小澤征爾は、若き日、狭量の日本楽壇とのあつれきもあって渡米、その後、シカゴ響を振って1969年にこの1枚を録音する。いま聴き直して、そのしなやかで、みずみずしい感性に驚く。

まだ30代前半の若手指揮者、それが天下のシカゴ響とこうした名演を残し、それがいまも現役盤であること自体、驚異的なことである。小澤征爾の特質は本盤でも十分に知ることができる。オーケストラが伸び伸びと臨場している。音楽が生気をもって発散する。リズムとメロディの織りなすバランス感が抜群で、それがけっして崩れず耳になじみ聴きやすい。そして、どこか東洋的なエキゾチックさ(日本人にとっては言いにくいが)をたたえているようにも感じる。弦楽器は透明感があって美しく、管楽器はそれをよくサポートしているように過不足なく響く。音楽の基調は明るいが、折々での陰影ある表現も十分である。若き小澤の才能を知ることのできる貴重な記録と言えよう。


バルトーク:管弦楽のための協奏曲&コダーイ:ガランタ舞曲
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3DKCV0OAGCR0/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B00YNO25R0

管弦楽のための協奏曲はシカゴ響の持駒のような演目である。いまだに燦然と輝くライナー(1955年)の名盤があり、小生が親しんでいるショルティ(1980年)Solti Conducts Bartok の後にも、レヴァイン(1989年)、ブーレーズ(1992年)と名指揮者のラインナップが並ぶ。そのなかにあって、小澤征爾の本盤は1969年の録音で、ライナーから14年後、ショルティの11年前というちょうど中間に位置している。34才の新鋭指揮者がこうした成果を残したその1点をもってしても小澤の実力を知ることができる。

しかも、その表情の豊かさは随一。音に色彩感があり、おどけた表情から暗き沈思まで変幻自在に表現できる能力は、天才的と言ってよいだろう。ダイナミクスが勝って、ちょっと粗目の部分もあるが、そこは初期カラヤンを彷彿とさせる。録音も優秀。小澤征爾の若き日の代表盤。


ヤナーチェク:シンフォニエッタ/ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RUXQAWL3OV86Y/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B00YNO20D4

ポーランドの作曲家、ルトスワフスキが1950~54年に作曲した管弦楽のための協奏曲。当時のポーランドは旧ソ連の重要な同盟国(というよりも統治下)であり、本作品もショスタコーヴィチなどと共通する雰囲気はあるが、ポーランドの民族主義的なメロディも盛られているとも言われる。バルトークの同名の曲とともに、小澤征爾はシカゴ響と本曲を取り上げた。野心的な取り組みである。思い切りリズムの躍動感を強調しつつ打楽器と管楽器を前面に立てたクリアで切れのよいサウンドを刻んでいく。左右のレンジを広くとった録音が表現の幅をひろげている。実演よりも録音技術によって曲想のコントラストがよりはっきりと出ているかも知れない。

ヤナーチェクのシンフォニエッタは故国モラヴィア民謡が盛られていると言われるが、小澤征爾は、ルトスワフスキと組み合わせていわば「東欧音楽の粋」といったカップリングで世に問うた。冒頭の「ファンファーレ」は金管が輝かしいが以降、「城塞(シュピルベルク城)」、「修道院(ブルノの王妃の修道院)」、「街路(古城に至る道)」では低弦の基調に、曲のイメージによって多彩な楽器が繰り出されて民族的メロディをのせていく。終曲「市庁(ブルノ旧市庁舎)」では哀愁をおびたフルートの響きがどこか懐かしく親しみを感じさせる。小澤のアプローチは純音楽的にリズムの躍動感(指揮台で奮戦しジャンプしている姿を連想させる)を大切にあらゆる楽節をバランスよく表現することに腐心しているようだ。その取り組みは見事に成功していると思う。




(参考)以下は引用


1960年代】N響事件ののち海外に活路を見出そうとした小澤征爾は、1964年、シカゴのラヴィニア音楽祭で代役出演で成功を収め、それが縁でRCAにシカゴ響との録音を開始、1965年にはカナダのトロント交響楽団の首席指揮者に就任して世界的なキャリアを本格的にスタート。1969年にはEMIにレコーディングを開始しています。
◆シカゴ交響楽団→R=コルサコフ:シェエラザード、バルトーク:管弦楽のための協奏曲、ヤナーチェク:シンフォニエッタ、ボロディン:だったん人の踊り

➡ 小澤征爾の名演
 
 
 

土曜日, 7月 28, 2018

小澤征爾の名演

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2PQ568FOL15GV/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B01N212Y20

ドヴォルザーク:交響曲第9番<新世界より>、他
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2JZORVBQXNGVO/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B001RVITLS

ビゼー:組曲「アルルの女」他(クラシック・マスターズ)
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R25EHMQITU3N6A/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B00JBJWGCQ

オルフ:カルミナ・ブラーナ



Seiji Ozawa: The Complete Warner Recordings


日本が生んだ最高の指揮者、小澤征爾、若き日からのワーナー録音全集25枚である。全体を俯瞰すると、チャイコフスキー、ストラヴィンスキー、ビゼー、サン=サーンス、ガーシュウィンの注目すべき録音のほか、1970年代、現代音楽の領域まで貪欲に挑戦していることがわかる。

本集のもう一つの特色は、小澤征爾の人柄がにじむように、共演者のめくるめく抜群の広がりである。シカゴ響、ボストン響、パリ管、フランス国立管、ベルリン・フィル、フィルハーモニア管、ロンドン響、ロンドン・フィル、日本フィルといったオケ、協奏曲では、ヴァイオリンは、潮田益子、パールマン、ムター、ピアノは、ワイセンベルク、ベロフ、チェロは、盟友ロストロポーヴィチと見てくれば、その陣容の充実ぶりを特筆すべき。

さらに、1935年生まれの小澤征爾の30代から60代前半までの記録ということを考えると、いかに世界の巨匠へ着実な歩みをしてきたかを知ることができる。1曲毎、丁寧に聴き直してみたい素晴らしい廉価BOXと言えよう。


【収録情報】

 [チャイコフスキー]

・交響曲第4番(1970年)~パリ管

・交響曲第6番(1986年)~ボストン響

・イタリア奇想曲(1982年)~フィルハーモニア管

・大序曲1812年、スラヴ舞曲、エフゲニー・オネーギンよりポロネーズ、フランチェスカ・ダ・リミニ(1984年)~ベルリン・フィル

・ヴァイオリン協奏曲(1982年)~ウラディーミル・スピヴァコフ(Vn) フィルハーモニア管

・ロココ風の主題による変奏曲(1985年)~ロストロポーヴィチ(Vc) ロンドン響


[ストラヴィンスキー]

・火の鳥:[1]1972年)パリ管、[2]1983年)ボストン響

・ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ、ピアノと管楽器のための協奏曲、ピアノと管弦楽のための楽章(1971年)~ミシェル・ベロフ(P) ~パリ管


[ビゼー]

・交響曲ハ長調、序曲「祖国」、子供の遊び(1982年)

・「アルルの女」「カルメン」組曲(1983年)~フランス国立管


[サン=サーンス]

・交響曲第3番、ファエトン、オンファールの糸車(1985,86年)~フランス国立管


[ガーシュウィン]

・ラプソディー・イン・ブルー、アイ・ガット・リズム変奏曲、「ポーギーとベス」より「なまず横町」組曲』(1983年)~ワイセンベルク(P) ベルリン・フィル


[その他]

R=コルサコフ:シェエラザード.

・ボロディン:だったん人の踊り

・バルトーク:管弦楽のための協奏曲,

・コダーイ:ガランタ舞曲

・ヤナーチェク:シンフォニエッタ(以上1969年)

・ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲(1970年)~シカゴ響

・石井眞木:「遭遇II番」(雅楽と管弦楽のための),

・武満徹:「カシオペア」(独奏打楽器と管弦楽のための)1971年)~日本フィル

・バーンスタイン:セレナーデ,

・ルーカス・フォス:3つのアメリカの小品(1994年)~ボストン響

・デュティユー:時間の影(1998年)~ボストン響


[協奏曲集]

<ワイセンベルク(P)

・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3

・ラヴェル:ピアノ協奏曲(1970年)~パリ管

―――――

<潮田益子(Vn)

・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲

・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(1971年)~日本フィル

―――――

<パールマン(Vn)

・ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1&2番(1971年)~ロンドン・フィル

・アール・キム:ヴァイオリン協奏曲(1984年)

・ロバート・ステアラー:ヴァイオリン協奏曲(1984年)

・バーバー:ヴァイオリン協奏曲(1994年)~ボストン響

―――――

<ムター(Vn)

・ラロ:スペイン交響曲

・サラサーテ:チゴイネルワイゼン(1984年)~フランス国立管

―――――

<ロストロポーヴィチ(Vc)

・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(1985年)

・プロコフィエフ:交響的協奏曲(1987年)

・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番(1987年)

・シチェドリン:ソット・ヴォーチェ協奏曲(1994年)

・ルノー・ギャノー:トリプティック(1994年)~ロンドン響

 


【以下はHMVからの引用】
小澤征爾 ワーナー録音ボックス(25CD)

小澤征爾がかつてEMIとERATO、TELDECで制作したアルバムをまとめた限定ボックスがワーナーから登場。オリジナル通りの曲目構成が採用されたそれぞれのディスクは、オリジナル・デザイン仕様の紙ジャケットに封入されているので、CD鑑賞時のジャケット眺めの楽しみにも役立ちます。

【1960年代】
N響事件ののち海外に活路を見出そうとした小澤征爾は、1964年、シカゴのラヴィニア音楽祭で代役出演で成功を収め、それが縁でRCAにシカゴ響との録音を開始、1965年にはカナダのトロント交響楽団の首席指揮者に就任して世界的なキャリアを本格的にスタート。1969年にはEMIにレコーディングを開始しています。
◆シカゴ交響楽団→R=コルサコフ:シェエラザード、バルトーク:管弦楽のための協奏曲、ヤナーチェク:シンフォニエッタ、ボロディン:だったん人の踊り

【1970年代】
1970年代は小澤征爾が飛躍した年で、サンフランシスコ響とボストン響の音楽監督になったこともあり、いろいろなレーベルにレコーディングをおこなうようになります。
◆シカゴ交響楽団→ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
◆パリ管弦楽団→チャイコフスキー交響曲第4番、ストラヴィンスキー:『火の鳥』、ワイセンベルクとのラヴェル&プロコフィエフ:ピアノ協奏曲集、ベロフとのストラヴィンスキー:ピアノ協奏曲集
◆日本フィルハーモニー管弦楽団→潮田益子とのヴァイオリン協奏曲集、ツトム・ヤマシタとの現代作品集
◆ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団→パールマンとのヴァイオリン協奏曲集

【1980年代】
1980年代に入ると、小澤征爾は次代を担う指揮者と評されて活動の国際化も進み、レコーディングもさらに増えることに。この頃からロストロポーヴィチとの交流もあり、エラートへの録音もおこなうようになります。
◆フランス国立管弦楽団→ビゼー作品集(2枚)、ムターとのスペイン交響曲、サンサーンス:オルガン交響曲
◆ボストン交響楽団→ストラヴィンスキー:『火の鳥』、パールマンとの現代ヴァイオリン協奏曲集、チャイコフスキー:悲愴、ロストロポーヴィチとのドヴォルザーク
◆ベルリン・フィルハーモニー→ワイセンベルクとのガーシュウィン、チャイコフスキー:管弦楽作品集
◆フィルハーモニア管弦楽団→スピヴァコフとのチャイコフスキー
◆ロンドン交響楽団→ロストロポーヴィチとのプロコフィエフ

【1990年代】
ボストン響きの音楽監督を務める一方で、サイトウ・キネン・オーケストラの音楽監督にも就任。EMI、エラート、TELDECへの録音はいったん終了となります。
◆ボストン交響楽団→パールマンとのアメリカ作品集、デュティユー:時間の影
◆ロンドン交響楽団→ロストロポーヴィチとの現代作品集

【収録情報】

Disc1
● R=コルサコフ:『シェエラザード』
● ボロディン:『だったん人の踊り』

シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1969年
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

『シェエラザード』、『だったん人の踊り』共に、小澤征爾若き日のイキの良いスタイルでシカゴ響から覇気に富むサウンドを引き出した快演。小澤征爾は1963年にシカゴのラヴィニア音楽祭に出演して以来、シカゴ交響楽団とは何度も共演しており、ここでもリムスキー=コルサコフの美しい和声などでその成果を聴かせています。

Disc2
● バルトーク:管弦楽のための協奏曲
● コダーイ:『ガランタ舞曲』

シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1969年
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

小澤征爾がシカゴ交響楽団を相手に録音したバルトークの管弦楽のための協奏曲は、構えが大きめで細部の表現も大事にした演奏。25年後のボストン響との再録音(PHILIPS)では初演版エンディングを採用していましたが、ここでは通常ヴァージョンによっています。

Disc3
● ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
● ヤナーチェク:シンフォニエッタ

シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1969年(ヤナーチェク)、1970年(ルトスワフスキ)
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

ヴィトルド・ルトスワフスキ[1913-1994]はさまざまなスタイルの作品を残していますが、オーケストラ作品で随一の人気を誇るのが「管弦楽のための協奏曲」です。この作品は、指揮者クーセヴィツキーからの委嘱によって書かれたバルトークの「管弦楽のための協奏曲」の成功を受けて、指揮者ロヴィツキが、ルトスワフスキに対して作曲を依頼、1950年から54年にかけて書かれたというものです。ルトスワフスキはここでポーランドの民俗的な旋律を用い、部分的に無調による対位法まで交えながら、パッサカリア、アリオーソ、コラールといったバロックを髣髴とさせる技法を導入、20世紀なかばの作品としては聴きやすく、しかもオーケストラのヴィルトゥオジティが存分に発揮される音楽に仕上げています。
若き小澤征爾によるこの録音は、作品の普及に一役買った高水準な演奏で、シカゴ交響楽団の優れた技術を示すという意味でも注目度の高い内容となっています。

Disc4
● プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
● ラヴェル:ピアノ協奏曲

アレクシス・ワイセンベルク(P)
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1970年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

隠遁から復帰して4年目のワイセンベルクが、若き小澤征爾指揮するパリ管弦楽団と組んだ録音。ラヴェルもプロコフィエフも作品の雰囲気を大切にした表現をおこなっており、どちらも頽廃感のような味わいが魅力たっぷりに示されるのが印象的。両作品共にバリバリ派の演奏も多いですが、意外にもここでのワイセンベルクは味わい派。パリ管弦楽団のかなり個性的なサウンドもそうしたアプローチにはふさわしいと思います。

Disc5
● チャイコフスキー:交響曲第4番
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1970年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

サル・ワグラムで録音された当時のパリ管弦楽団の特徴でもある中間色豊かなサウンドが、第2楽章など抒情的な部分にユニークな彩りを添えています。若いだけに快速部分も率直でエネルギッシュ、持って回った表現など皆無の心地良さも印象的。

Disc6
● ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ
● ストラヴィンスキー:ピアノと管楽器のための協奏曲
● ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のための楽章

ミシェル・ベロフ(P)
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1971年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

ベロフは10代の頃からEMIと契約を結び、華々しいレコーディング活動を行っていますが、これはまさにその時期、20代前半の頃の演奏です。やはりまだ若々しさを多分に残していた小澤征爾との共演もまた魅力的で、いかにもベロフ、いかにもストラヴィンスキーという、切れ込み鋭い、痛快な演奏を展開しています。

Disc7
● シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
● ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番

潮田益子(Vn)
日本フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1971年
録音場所:東京、杉並公会堂
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

潮田益子[1942-2013]が29歳の時に若き小澤と組んだ共演盤。シベリウスではすでに大きな実績のあった日フィルとの共演を海外スタッフが来日して録音したのも話題となりました。

Disc8
● 石井眞木:『遭遇II番(雅楽と管弦楽のための)』
● 武満徹:『カシオペア(独奏打楽器と管弦楽のための)』

ツトム・ヤマシタ(打楽器)
日本フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1971年
録音場所:東京、杉並公会堂
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

小澤征爾指揮ニューヨーク・フィルのコンサートで武満徹の『カシオペア』を演奏、話題となった24歳のパーカッショニスト、ツトムヤマシタによる同曲のセッション録音。組み合わせは石井眞木の『遭遇II番』。雅楽とオーケストラの織りなすクラスター・サウンドと静寂の交錯、斬新な響きが強烈です。レコードアカデミー賞受賞。

Disc9
● ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番
● ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番

イツァーク・パールマン(Vn)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1971年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

ブラームスより2歳若いポーランドの作曲家ヴィエニャフスキの2つのヴァイオリン協奏曲は、技巧的な面白さと、どこかショパンやシューマン、メンデルスゾーンを思わせるようなところや、後のシベリウスに似た部分もある音楽。ここでは若きパールマンと小澤征爾が切れ味の良い演奏でロマン派の魅力を楽しませてくれます。

Disc10
● ストラヴィンスキー:『火の鳥』全曲
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1972年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI

サル・ワグラムでのセッション録音ならではの色彩豊かなパリ管サウンドを堪能できるアルバム。全曲ヴァージョンの魅力は細部にあるとよく言われますが、この演奏で聴く細部の表情の多彩さには見事なものがあります。

Disc11
● チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
● チャイコフスキー:『イタリア奇想曲』

ウラディーミル・スピヴァコフ(Vn)
フィルハーモニア管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1982年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

幼少からヴァイオリニストとして才能を発揮したスピヴァコフは、13歳でモスクワの指揮者コンクールで優勝するという天才でもありました。このアルバムは、スピヴァコフが27歳の時の録音で、小澤征爾指揮フィルハーモニア管弦楽団ともども、完成度高く趣味の良い演奏を聴かせています。

Disc12
● ビゼー:交響曲第1番ハ長調
● ビゼー:序曲『祖国』
● ビゼー:『子供の遊び』

フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1982年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

どの曲も小澤征爾の繊細な指揮が当時のフランス国立管弦楽団の魅力的なサウンドと相乗効果を発揮した素晴らしい演奏。交響曲第1番第2楽章アダージョでのミシェル・クロケノワの物悲しいオーボエ、絡むホルンやフルートの明るい響き、軽やかでどこまでも伸びていくヴァイオリンの澄んだ美しさなど病みつきになる魅力にあふれています。

Disc13
● ビゼー:『アルルの女』組曲
● ビゼー:『カルメン』組曲

フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1983年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

『アルルの女』も『カルメン』もフランスの管弦楽曲であることを自然体で示すフランス国立管弦楽団の傑作。小澤征爾の指揮は心地よい躍動感と歌心で一貫、オーケストラの個性を最大限に引き出していると思います。

Disc14
● ストラヴィンスキー:『火の鳥』全曲
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1983年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

イギリスのエンジニア、クリストファー・パーカーによる名録音。パーカーのアメリカ制作を代表するジュリーニ&シカゴ響のブルックナー9番と並ぶ優秀録音盤としても知られています。

Disc15
● ガーシュウィン:『ラプソディー・イン・ブルー』
● ガーシュウィン:『アイ・ガット・リズム変奏曲』
● ガーシュウィン:『キャットフィッシュ・ロウ』組曲(ポーギーとベスより)

アレクシス・ワイセンベルク(P)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1983年
録音場所:ベルリン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

ボストン響の音楽監督に就任して10年目の小澤征爾が、ベルリン・フィルに客演してアメリカ作品を録音した話題盤。ピアノにワイセンベルク、クラリネットはカール・ライスターという布陣で、徹底的にクラシカルなガーシュウィンを聴かせた快適なアルバムです。

Disc16
● アール・キム:ヴァイオリン協奏曲
● ロバート・スタラー:ヴァイオリン協奏曲

イツァーク・パールマン(Vn)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1984年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

2人の20世紀アメリカ人作曲家によるヴァイオリン協奏曲をパールマンのソロと小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏でクリストファー・パーカーが録音したヴァイオリン協奏曲の注目盤。20世紀作品ならではの多彩な表現を楽しめる優秀録音盤です。

Disc17
● ラロ:『スペイン交響曲』
● サラサーテ:『ツィゴイネルワイゼン』

アンネ・ゾフィー・ムター(Vn)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1984年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

アンネ=ゾフィー・ムターと小澤征爾の初共演録音として注目された演奏。2つの情熱的な作品で聴かせるムターの濃厚なソロと、隙なく支える小澤征爾指揮するフランス国立管弦楽団の雰囲気豊かなサウンドが聴きものです。

Disc18
● チャイコフスキー:『1812年』
● チャイコフスキー:『スラヴ行進曲』
● チャイコフスキー:『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ
● チャイコフスキー:『フランチェスカ・ダ・リミニ』

ベルリン・フィル
小澤征爾(指揮)

録音時期:1984年
録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

ベルリン・フィルの機動力をフルに発揮したダイナミックでスケールの大きなチャイコフスキー作品集。『1812年』ではじっくりしたテンポで壮大な戦いの音楽を再現、大砲の音も交えての終盤の盛り上がりには凄いものがあります。小澤征爾はこの曲を8年後にDGに再録音していますが、そこでは教会の鐘の音が大きすぎてオケの音があまり聴こえなかったので、こちらの方が良かったように思います。

Disc19
● チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1986年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO

小澤征爾が得意とする『悲愴』には1974年のパリ管弦楽団とのPHILIPS録音、1995年のサイトウキネンとのPHILIPS録音、2008年収録のベルリン・フィルとの2種の映像作品がありますが、バランスの良さではこのエラート・レーベルによる録音が一番かもしれません。エンジニアはアバド&シカゴのチャイコフスキーなどを録っていたジョン・ニュートンです。

Disc20
● サン=サーンス:交響曲第3番『オルガン付』
● サン=サーンス:交響詩『ファエトン』
● サン=サーンス:交響詩『オンファールの糸車』

フィリップ・ルフェーヴル(オルガン)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1985,86年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

フランス国立管弦楽団は1970年にマルティノン(ERATO)、1975年に同じくマルティノン(EMI)とサン=サーンスの交響曲第3番を録音しており、比較的短期間のうちに3つの録音がおこなわれたことになります。小澤征爾盤はオルガンを別録りで壮麗なサウンドを実現、瞑想的な美しさが際立つポコ・アダージョと、迫力あるマエストーソで成果をあげています。

Disc21
● ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
● チャイコフスキー:『ロココ風の主題による変奏曲』

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1985年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO

ロストロポーヴィチはドヴォルザークのチェロ協奏曲を何度も録音していますが、これはその最後のもの。作品を知り尽くした味わい深く雄大なチェロを、小澤征爾がこまやかなサポートで引き立てています。

Disc22
● プロコフィエフ:交響的協奏曲
● ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ロンドン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1987年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO

ロストロポーヴィチがソ連時代に献呈されたチェロ協奏曲の傑作を小澤征爾指揮ロンドン交響楽団との共演で。ここでの成功もあってか、ロストロポーヴィチはこの翌年からロンドン交響楽団を自身で指揮してショスタコーヴィチの交響曲やヴァイオリン協奏曲の録音に取り組み始めます。

Disc23
● バーンスタイン:『セレナーデ』
● バーバー:ヴァイオリン協奏曲
● ルーカス・フォス:『3つのアメリカの小品』

イツァーク・パールマン(Vn)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1994年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

躍動感あるバーンスタインのセレナーデは、ジャズの雰囲気などもあわせもつ楽しい作品。バーバーのヴァイオリン協奏曲は、資産家に依頼されその息子のために書いた作品ですが、奏者の技術的な問題から作曲に横槍が入りながらも、バーバーの意思通りに完成させたロマンあふれる傑作。ルーカス・フォスの『3つのアメリカの小品』は、「アーリー・ソング」、「献呈」、「作曲家の休日」から成る作品。パールマンのソロはどれも美しく快活で、小澤征爾指揮するボストン交響楽団の精緻な演奏と息の合った共演を聴かせています。

Disc24
● ガニュー:チェロと管弦楽のためのトリプティーク
● シチェドリン:チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ロンドン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1994年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:TELDEC

デュティユーに師事した1947年生まれのフランスの作曲家、ルノー・ガニューによる繊細な音響が印象的な作品「チェロと管弦楽のためのトリプティーク」と、1932年生まれのソ連/ロシアの作曲家、ロディオン・シチェドリンの作品「チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲」を収録。シチェドリン若き日のにぎやかな代表作『カルメン』とは正反対の静けさ、北の大地を思わせる独特の色彩感が、ロストロポーヴィチのチェロとリコーダーなどが活躍するオーケストラ・サウンドの組み合わせで表現されています。

Disc25
● デュティユー:『時間の影』
ジョエル・エッシャー(声)
ラシェル・プロトキン(声)
ジョーダン・スワイム(声)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1998年
録音場所:ボストン
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
制作レーベル:ERATO

ときに現代のドビュッシーとも言われるアンリ・デュティユー[1916- ]の作風は、ドビュッシーや、ラヴェル、オネゲルなど、フランス近代の流れを汲む精妙な美しさと迫力を兼ね備えたもので、無調など現代風味の技法も適度に加味しながら、独自の世界を築き上げています。 『時の影』は、小澤征爾からの委嘱作で、きわめて色彩豊かな美しい作品に仕上がっています。
http://www.hmv.co.jp/artist_Box-Set-Classical_000000000088040/item_%E5%B0%8F%E6%BE%A4%E5%BE%81%E7%88%BE-%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%95%EF%BC%A3%EF%BC%A4%EF%BC%89_6306790