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日本が生んだ最高の指揮者、小澤征爾、若き日からのワーナー録音全集25枚である。全体を俯瞰すると、チャイコフスキー、ストラヴィンスキー、ビゼー、サン=サーンス、ガーシュウィンの注目すべき録音のほか、1970年代、現代音楽の領域まで貪欲に挑戦していることがわかる。
本集のもう一つの特色は、小澤征爾の人柄がにじむように、共演者のめくるめく抜群の広がりである。シカゴ響、ボストン響、パリ管、フランス国立管、ベルリン・フィル、フィルハーモニア管、ロンドン響、ロンドン・フィル、日本フィルといったオケ、協奏曲では、ヴァイオリンは、潮田益子、パールマン、ムター、ピアノは、ワイセンベルク、ベロフ、チェロは、盟友ロストロポーヴィチと見てくれば、その陣容の充実ぶりを特筆すべき。
さらに、1935年生まれの小澤征爾の30代から60代前半までの記録ということを考えると、いかに世界の巨匠へ着実な歩みをしてきたかを知ることができる。1曲毎、丁寧に聴き直してみたい素晴らしい廉価BOXと言えよう。
【収録情報】
[チャイコフスキー]
・交響曲第4番(1970年)~パリ管
・交響曲第6番(1986年)~ボストン響
・イタリア奇想曲(1982年)~フィルハーモニア管
・大序曲1812年、スラヴ舞曲、エフゲニー・オネーギンよりポロネーズ、フランチェスカ・ダ・リミニ(1984年)~ベルリン・フィル
・ヴァイオリン協奏曲(1982年)~ウラディーミル・スピヴァコフ(Vn) フィルハーモニア管
・ロココ風の主題による変奏曲(1985年)~ロストロポーヴィチ(Vc) ロンドン響
[ストラヴィンスキー]
・火の鳥:[1](1972年)パリ管、[2](1983年)ボストン響
・ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ、ピアノと管楽器のための協奏曲、ピアノと管弦楽のための楽章(1971年)~ミシェル・ベロフ(P) ~パリ管
[ビゼー]
・交響曲ハ長調、序曲「祖国」、子供の遊び(1982年)
・「アルルの女」「カルメン」組曲(1983年)~フランス国立管
[サン=サーンス]
・交響曲第3番、ファエトン、オンファールの糸車(1985,86年)~フランス国立管
[ガーシュウィン]
・ラプソディー・イン・ブルー、アイ・ガット・リズム変奏曲、「ポーギーとベス」より「なまず横町」組曲』(1983年)~ワイセンベルク(P) ベルリン・フィル
[その他]
・R=コルサコフ:シェエラザード.
・ボロディン:だったん人の踊り
・バルトーク:管弦楽のための協奏曲,
・コダーイ:ガランタ舞曲
・ヤナーチェク:シンフォニエッタ(以上1969年)
・ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲(1970年)~シカゴ響
・石井眞木:「遭遇II番」(雅楽と管弦楽のための),
・武満徹:「カシオペア」(独奏打楽器と管弦楽のための)(1971年)~日本フィル
・バーンスタイン:セレナーデ,
・ルーカス・フォス:3つのアメリカの小品(1994年)~ボストン響
・デュティユー:時間の影(1998年)~ボストン響
【以下はHMVからの引用】
小澤征爾 ワーナー録音ボックス(25CD)
小澤征爾がかつてEMIとERATO、TELDECで制作したアルバムをまとめた限定ボックスがワーナーから登場。オリジナル通りの曲目構成が採用されたそれぞれのディスクは、オリジナル・デザイン仕様の紙ジャケットに封入されているので、CD鑑賞時のジャケット眺めの楽しみにも役立ちます。
【1960年代】
N響事件ののち海外に活路を見出そうとした小澤征爾は、1964年、シカゴのラヴィニア音楽祭で代役出演で成功を収め、それが縁でRCAにシカゴ響との録音を開始、1965年にはカナダのトロント交響楽団の首席指揮者に就任して世界的なキャリアを本格的にスタート。1969年にはEMIにレコーディングを開始しています。
◆シカゴ交響楽団→R=コルサコフ:シェエラザード、バルトーク:管弦楽のための協奏曲、ヤナーチェク:シンフォニエッタ、ボロディン:だったん人の踊り
【1970年代】
1970年代は小澤征爾が飛躍した年で、サンフランシスコ響とボストン響の音楽監督になったこともあり、いろいろなレーベルにレコーディングをおこなうようになります。
◆シカゴ交響楽団→ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
◆パリ管弦楽団→チャイコフスキー交響曲第4番、ストラヴィンスキー:『火の鳥』、ワイセンベルクとのラヴェル&プロコフィエフ:ピアノ協奏曲集、ベロフとのストラヴィンスキー:ピアノ協奏曲集
◆日本フィルハーモニー管弦楽団→潮田益子とのヴァイオリン協奏曲集、ツトム・ヤマシタとの現代作品集
◆ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団→パールマンとのヴァイオリン協奏曲集
【1980年代】
1980年代に入ると、小澤征爾は次代を担う指揮者と評されて活動の国際化も進み、レコーディングもさらに増えることに。この頃からロストロポーヴィチとの交流もあり、エラートへの録音もおこなうようになります。
◆フランス国立管弦楽団→ビゼー作品集(2枚)、ムターとのスペイン交響曲、サンサーンス:オルガン交響曲
◆ボストン交響楽団→ストラヴィンスキー:『火の鳥』、パールマンとの現代ヴァイオリン協奏曲集、チャイコフスキー:悲愴、ロストロポーヴィチとのドヴォルザーク
◆ベルリン・フィルハーモニー→ワイセンベルクとのガーシュウィン、チャイコフスキー:管弦楽作品集
◆フィルハーモニア管弦楽団→スピヴァコフとのチャイコフスキー
◆ロンドン交響楽団→ロストロポーヴィチとのプロコフィエフ
【1990年代】
ボストン響きの音楽監督を務める一方で、サイトウ・キネン・オーケストラの音楽監督にも就任。EMI、エラート、TELDECへの録音はいったん終了となります。
◆ボストン交響楽団→パールマンとのアメリカ作品集、デュティユー:時間の影
◆ロンドン交響楽団→ロストロポーヴィチとの現代作品集
【収録情報】
Disc1
● R=コルサコフ:『シェエラザード』
● ボロディン:『だったん人の踊り』
シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1969年
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
『シェエラザード』、『だったん人の踊り』共に、小澤征爾若き日のイキの良いスタイルでシカゴ響から覇気に富むサウンドを引き出した快演。小澤征爾は1963年にシカゴのラヴィニア音楽祭に出演して以来、シカゴ交響楽団とは何度も共演しており、ここでもリムスキー=コルサコフの美しい和声などでその成果を聴かせています。
Disc2
● バルトーク:管弦楽のための協奏曲
● コダーイ:『ガランタ舞曲』
シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1969年
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
小澤征爾がシカゴ交響楽団を相手に録音したバルトークの管弦楽のための協奏曲は、構えが大きめで細部の表現も大事にした演奏。25年後のボストン響との再録音(PHILIPS)では初演版エンディングを採用していましたが、ここでは通常ヴァージョンによっています。
Disc3
● ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
● ヤナーチェク:シンフォニエッタ
シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1969年(ヤナーチェク)、1970年(ルトスワフスキ)
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
ヴィトルド・ルトスワフスキ[1913-1994]はさまざまなスタイルの作品を残していますが、オーケストラ作品で随一の人気を誇るのが「管弦楽のための協奏曲」です。この作品は、指揮者クーセヴィツキーからの委嘱によって書かれたバルトークの「管弦楽のための協奏曲」の成功を受けて、指揮者ロヴィツキが、ルトスワフスキに対して作曲を依頼、1950年から54年にかけて書かれたというものです。ルトスワフスキはここでポーランドの民俗的な旋律を用い、部分的に無調による対位法まで交えながら、パッサカリア、アリオーソ、コラールといったバロックを髣髴とさせる技法を導入、20世紀なかばの作品としては聴きやすく、しかもオーケストラのヴィルトゥオジティが存分に発揮される音楽に仕上げています。
若き小澤征爾によるこの録音は、作品の普及に一役買った高水準な演奏で、シカゴ交響楽団の優れた技術を示すという意味でも注目度の高い内容となっています。
Disc4
● プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
● ラヴェル:ピアノ協奏曲
アレクシス・ワイセンベルク(P)
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1970年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
隠遁から復帰して4年目のワイセンベルクが、若き小澤征爾指揮するパリ管弦楽団と組んだ録音。ラヴェルもプロコフィエフも作品の雰囲気を大切にした表現をおこなっており、どちらも頽廃感のような味わいが魅力たっぷりに示されるのが印象的。両作品共にバリバリ派の演奏も多いですが、意外にもここでのワイセンベルクは味わい派。パリ管弦楽団のかなり個性的なサウンドもそうしたアプローチにはふさわしいと思います。
Disc5
● チャイコフスキー:交響曲第4番
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1970年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
サル・ワグラムで録音された当時のパリ管弦楽団の特徴でもある中間色豊かなサウンドが、第2楽章など抒情的な部分にユニークな彩りを添えています。若いだけに快速部分も率直でエネルギッシュ、持って回った表現など皆無の心地良さも印象的。
Disc6
● ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ
● ストラヴィンスキー:ピアノと管楽器のための協奏曲
● ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のための楽章
ミシェル・ベロフ(P)
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
ベロフは10代の頃からEMIと契約を結び、華々しいレコーディング活動を行っていますが、これはまさにその時期、20代前半の頃の演奏です。やはりまだ若々しさを多分に残していた小澤征爾との共演もまた魅力的で、いかにもベロフ、いかにもストラヴィンスキーという、切れ込み鋭い、痛快な演奏を展開しています。
Disc7
● シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
● ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
潮田益子(Vn)
日本フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:東京、杉並公会堂
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
潮田益子[1942-2013]が29歳の時に若き小澤と組んだ共演盤。シベリウスではすでに大きな実績のあった日フィルとの共演を海外スタッフが来日して録音したのも話題となりました。
Disc8
● 石井眞木:『遭遇II番(雅楽と管弦楽のための)』
● 武満徹:『カシオペア(独奏打楽器と管弦楽のための)』
ツトム・ヤマシタ(打楽器)
日本フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:東京、杉並公会堂
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
小澤征爾指揮ニューヨーク・フィルのコンサートで武満徹の『カシオペア』を演奏、話題となった24歳のパーカッショニスト、ツトムヤマシタによる同曲のセッション録音。組み合わせは石井眞木の『遭遇II番』。雅楽とオーケストラの織りなすクラスター・サウンドと静寂の交錯、斬新な響きが強烈です。レコードアカデミー賞受賞。
Disc9
● ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番
● ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
イツァーク・パールマン(Vn)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
ブラームスより2歳若いポーランドの作曲家ヴィエニャフスキの2つのヴァイオリン協奏曲は、技巧的な面白さと、どこかショパンやシューマン、メンデルスゾーンを思わせるようなところや、後のシベリウスに似た部分もある音楽。ここでは若きパールマンと小澤征爾が切れ味の良い演奏でロマン派の魅力を楽しませてくれます。
Disc10
● ストラヴィンスキー:『火の鳥』全曲
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1972年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
サル・ワグラムでのセッション録音ならではの色彩豊かなパリ管サウンドを堪能できるアルバム。全曲ヴァージョンの魅力は細部にあるとよく言われますが、この演奏で聴く細部の表情の多彩さには見事なものがあります。
Disc11
● チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
● チャイコフスキー:『イタリア奇想曲』
ウラディーミル・スピヴァコフ(Vn)
フィルハーモニア管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1982年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
幼少からヴァイオリニストとして才能を発揮したスピヴァコフは、13歳でモスクワの指揮者コンクールで優勝するという天才でもありました。このアルバムは、スピヴァコフが27歳の時の録音で、小澤征爾指揮フィルハーモニア管弦楽団ともども、完成度高く趣味の良い演奏を聴かせています。
Disc12
● ビゼー:交響曲第1番ハ長調
● ビゼー:序曲『祖国』
● ビゼー:『子供の遊び』
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1982年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
どの曲も小澤征爾の繊細な指揮が当時のフランス国立管弦楽団の魅力的なサウンドと相乗効果を発揮した素晴らしい演奏。交響曲第1番第2楽章アダージョでのミシェル・クロケノワの物悲しいオーボエ、絡むホルンやフルートの明るい響き、軽やかでどこまでも伸びていくヴァイオリンの澄んだ美しさなど病みつきになる魅力にあふれています。
Disc13
● ビゼー:『アルルの女』組曲
● ビゼー:『カルメン』組曲
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1983年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
『アルルの女』も『カルメン』もフランスの管弦楽曲であることを自然体で示すフランス国立管弦楽団の傑作。小澤征爾の指揮は心地よい躍動感と歌心で一貫、オーケストラの個性を最大限に引き出していると思います。
Disc14
● ストラヴィンスキー:『火の鳥』全曲
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1983年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
イギリスのエンジニア、クリストファー・パーカーによる名録音。パーカーのアメリカ制作を代表するジュリーニ&シカゴ響のブルックナー9番と並ぶ優秀録音盤としても知られています。
Disc15
● ガーシュウィン:『ラプソディー・イン・ブルー』
● ガーシュウィン:『アイ・ガット・リズム変奏曲』
● ガーシュウィン:『キャットフィッシュ・ロウ』組曲(ポーギーとベスより)
アレクシス・ワイセンベルク(P)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1983年
録音場所:ベルリン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
ボストン響の音楽監督に就任して10年目の小澤征爾が、ベルリン・フィルに客演してアメリカ作品を録音した話題盤。ピアノにワイセンベルク、クラリネットはカール・ライスターという布陣で、徹底的にクラシカルなガーシュウィンを聴かせた快適なアルバムです。
Disc16
● アール・キム:ヴァイオリン協奏曲
● ロバート・スタラー:ヴァイオリン協奏曲
イツァーク・パールマン(Vn)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1984年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
2人の20世紀アメリカ人作曲家によるヴァイオリン協奏曲をパールマンのソロと小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏でクリストファー・パーカーが録音したヴァイオリン協奏曲の注目盤。20世紀作品ならではの多彩な表現を楽しめる優秀録音盤です。
Disc17
● ラロ:『スペイン交響曲』
● サラサーテ:『ツィゴイネルワイゼン』
アンネ・ゾフィー・ムター(Vn)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1984年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
アンネ=ゾフィー・ムターと小澤征爾の初共演録音として注目された演奏。2つの情熱的な作品で聴かせるムターの濃厚なソロと、隙なく支える小澤征爾指揮するフランス国立管弦楽団の雰囲気豊かなサウンドが聴きものです。
Disc18
● チャイコフスキー:『1812年』
● チャイコフスキー:『スラヴ行進曲』
● チャイコフスキー:『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ
● チャイコフスキー:『フランチェスカ・ダ・リミニ』
ベルリン・フィル
小澤征爾(指揮)
録音時期:1984年
録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
ベルリン・フィルの機動力をフルに発揮したダイナミックでスケールの大きなチャイコフスキー作品集。『1812年』ではじっくりしたテンポで壮大な戦いの音楽を再現、大砲の音も交えての終盤の盛り上がりには凄いものがあります。小澤征爾はこの曲を8年後にDGに再録音していますが、そこでは教会の鐘の音が大きすぎてオケの音があまり聴こえなかったので、こちらの方が良かったように思います。
Disc19
● チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1986年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO
小澤征爾が得意とする『悲愴』には1974年のパリ管弦楽団とのPHILIPS録音、1995年のサイトウキネンとのPHILIPS録音、2008年収録のベルリン・フィルとの2種の映像作品がありますが、バランスの良さではこのエラート・レーベルによる録音が一番かもしれません。エンジニアはアバド&シカゴのチャイコフスキーなどを録っていたジョン・ニュートンです。
Disc20
● サン=サーンス:交響曲第3番『オルガン付』
● サン=サーンス:交響詩『ファエトン』
● サン=サーンス:交響詩『オンファールの糸車』
フィリップ・ルフェーヴル(オルガン)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1985,86年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
フランス国立管弦楽団は1970年にマルティノン(ERATO)、1975年に同じくマルティノン(EMI)とサン=サーンスの交響曲第3番を録音しており、比較的短期間のうちに3つの録音がおこなわれたことになります。小澤征爾盤はオルガンを別録りで壮麗なサウンドを実現、瞑想的な美しさが際立つポコ・アダージョと、迫力あるマエストーソで成果をあげています。
Disc21
● ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
● チャイコフスキー:『ロココ風の主題による変奏曲』
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1985年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO
ロストロポーヴィチはドヴォルザークのチェロ協奏曲を何度も録音していますが、これはその最後のもの。作品を知り尽くした味わい深く雄大なチェロを、小澤征爾がこまやかなサポートで引き立てています。
Disc22
● プロコフィエフ:交響的協奏曲
● ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ロンドン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1987年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO
ロストロポーヴィチがソ連時代に献呈されたチェロ協奏曲の傑作を小澤征爾指揮ロンドン交響楽団との共演で。ここでの成功もあってか、ロストロポーヴィチはこの翌年からロンドン交響楽団を自身で指揮してショスタコーヴィチの交響曲やヴァイオリン協奏曲の録音に取り組み始めます。
Disc23
● バーンスタイン:『セレナーデ』
● バーバー:ヴァイオリン協奏曲
● ルーカス・フォス:『3つのアメリカの小品』
イツァーク・パールマン(Vn)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1994年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
躍動感あるバーンスタインのセレナーデは、ジャズの雰囲気などもあわせもつ楽しい作品。バーバーのヴァイオリン協奏曲は、資産家に依頼されその息子のために書いた作品ですが、奏者の技術的な問題から作曲に横槍が入りながらも、バーバーの意思通りに完成させたロマンあふれる傑作。ルーカス・フォスの『3つのアメリカの小品』は、「アーリー・ソング」、「献呈」、「作曲家の休日」から成る作品。パールマンのソロはどれも美しく快活で、小澤征爾指揮するボストン交響楽団の精緻な演奏と息の合った共演を聴かせています。
Disc24
● ガニュー:チェロと管弦楽のためのトリプティーク
● シチェドリン:チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ロンドン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1994年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:TELDEC
デュティユーに師事した1947年生まれのフランスの作曲家、ルノー・ガニューによる繊細な音響が印象的な作品「チェロと管弦楽のためのトリプティーク」と、1932年生まれのソ連/ロシアの作曲家、ロディオン・シチェドリンの作品「チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲」を収録。シチェドリン若き日のにぎやかな代表作『カルメン』とは正反対の静けさ、北の大地を思わせる独特の色彩感が、ロストロポーヴィチのチェロとリコーダーなどが活躍するオーケストラ・サウンドの組み合わせで表現されています。
Disc25
● デュティユー:『時間の影』
ジョエル・エッシャー(声)
ラシェル・プロトキン(声)
ジョーダン・スワイム(声)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1998年
録音場所:ボストン
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
制作レーベル:ERATO
ときに現代のドビュッシーとも言われるアンリ・デュティユー[1916- ]の作風は、ドビュッシーや、ラヴェル、オネゲルなど、フランス近代の流れを汲む精妙な美しさと迫力を兼ね備えたもので、無調など現代風味の技法も適度に加味しながら、独自の世界を築き上げています。 『時の影』は、小澤征爾からの委嘱作で、きわめて色彩豊かな美しい作品に仕上がっています。
http://www.hmv.co.jp/artist_Box-Set-Classical_000000000088040/item_%E5%B0%8F%E6%BE%A4%E5%BE%81%E7%88%BE-%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%95%EF%BC%A3%EF%BC%A4%EF%BC%89_6306790
[協奏曲集]
<ワイセンベルク(P)>
・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
・ラヴェル:ピアノ協奏曲(1970年)~パリ管
―――――
<潮田益子(Vn)>
・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(1971年)~日本フィル
―――――
<パールマン(Vn)>
・ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1&2番(1971年)~ロンドン・フィル
・アール・キム:ヴァイオリン協奏曲(1984年)
・ロバート・ステアラー:ヴァイオリン協奏曲(1984年)
・バーバー:ヴァイオリン協奏曲(1994年)~ボストン響
―――――
<ムター(Vn)>
・ラロ:スペイン交響曲
・サラサーテ:チゴイネルワイゼン(1984年)~フランス国立管
―――――
<ロストロポーヴィチ(Vc)>
・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(1985年)
・プロコフィエフ:交響的協奏曲(1987年)
・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番(1987年)
・シチェドリン:ソット・ヴォーチェ協奏曲(1994年)
・ルノー・ギャノー:トリプティック(1994年)~ロンドン響
【以下はHMVからの引用】
小澤征爾 ワーナー録音ボックス(25CD)
小澤征爾がかつてEMIとERATO、TELDECで制作したアルバムをまとめた限定ボックスがワーナーから登場。オリジナル通りの曲目構成が採用されたそれぞれのディスクは、オリジナル・デザイン仕様の紙ジャケットに封入されているので、CD鑑賞時のジャケット眺めの楽しみにも役立ちます。
【1960年代】
N響事件ののち海外に活路を見出そうとした小澤征爾は、1964年、シカゴのラヴィニア音楽祭で代役出演で成功を収め、それが縁でRCAにシカゴ響との録音を開始、1965年にはカナダのトロント交響楽団の首席指揮者に就任して世界的なキャリアを本格的にスタート。1969年にはEMIにレコーディングを開始しています。
◆シカゴ交響楽団→R=コルサコフ:シェエラザード、バルトーク:管弦楽のための協奏曲、ヤナーチェク:シンフォニエッタ、ボロディン:だったん人の踊り
【1970年代】
1970年代は小澤征爾が飛躍した年で、サンフランシスコ響とボストン響の音楽監督になったこともあり、いろいろなレーベルにレコーディングをおこなうようになります。
◆シカゴ交響楽団→ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
◆パリ管弦楽団→チャイコフスキー交響曲第4番、ストラヴィンスキー:『火の鳥』、ワイセンベルクとのラヴェル&プロコフィエフ:ピアノ協奏曲集、ベロフとのストラヴィンスキー:ピアノ協奏曲集
◆日本フィルハーモニー管弦楽団→潮田益子とのヴァイオリン協奏曲集、ツトム・ヤマシタとの現代作品集
◆ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団→パールマンとのヴァイオリン協奏曲集
【1980年代】
1980年代に入ると、小澤征爾は次代を担う指揮者と評されて活動の国際化も進み、レコーディングもさらに増えることに。この頃からロストロポーヴィチとの交流もあり、エラートへの録音もおこなうようになります。
◆フランス国立管弦楽団→ビゼー作品集(2枚)、ムターとのスペイン交響曲、サンサーンス:オルガン交響曲
◆ボストン交響楽団→ストラヴィンスキー:『火の鳥』、パールマンとの現代ヴァイオリン協奏曲集、チャイコフスキー:悲愴、ロストロポーヴィチとのドヴォルザーク
◆ベルリン・フィルハーモニー→ワイセンベルクとのガーシュウィン、チャイコフスキー:管弦楽作品集
◆フィルハーモニア管弦楽団→スピヴァコフとのチャイコフスキー
◆ロンドン交響楽団→ロストロポーヴィチとのプロコフィエフ
【1990年代】
ボストン響きの音楽監督を務める一方で、サイトウ・キネン・オーケストラの音楽監督にも就任。EMI、エラート、TELDECへの録音はいったん終了となります。
◆ボストン交響楽団→パールマンとのアメリカ作品集、デュティユー:時間の影
◆ロンドン交響楽団→ロストロポーヴィチとの現代作品集
【収録情報】
Disc1
● R=コルサコフ:『シェエラザード』
● ボロディン:『だったん人の踊り』
シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1969年
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
『シェエラザード』、『だったん人の踊り』共に、小澤征爾若き日のイキの良いスタイルでシカゴ響から覇気に富むサウンドを引き出した快演。小澤征爾は1963年にシカゴのラヴィニア音楽祭に出演して以来、シカゴ交響楽団とは何度も共演しており、ここでもリムスキー=コルサコフの美しい和声などでその成果を聴かせています。
Disc2
● バルトーク:管弦楽のための協奏曲
● コダーイ:『ガランタ舞曲』
シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1969年
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
小澤征爾がシカゴ交響楽団を相手に録音したバルトークの管弦楽のための協奏曲は、構えが大きめで細部の表現も大事にした演奏。25年後のボストン響との再録音(PHILIPS)では初演版エンディングを採用していましたが、ここでは通常ヴァージョンによっています。
Disc3
● ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
● ヤナーチェク:シンフォニエッタ
シカゴ交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1969年(ヤナーチェク)、1970年(ルトスワフスキ)
録音場所:メダイナ・テンプル、シカゴ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
ヴィトルド・ルトスワフスキ[1913-1994]はさまざまなスタイルの作品を残していますが、オーケストラ作品で随一の人気を誇るのが「管弦楽のための協奏曲」です。この作品は、指揮者クーセヴィツキーからの委嘱によって書かれたバルトークの「管弦楽のための協奏曲」の成功を受けて、指揮者ロヴィツキが、ルトスワフスキに対して作曲を依頼、1950年から54年にかけて書かれたというものです。ルトスワフスキはここでポーランドの民俗的な旋律を用い、部分的に無調による対位法まで交えながら、パッサカリア、アリオーソ、コラールといったバロックを髣髴とさせる技法を導入、20世紀なかばの作品としては聴きやすく、しかもオーケストラのヴィルトゥオジティが存分に発揮される音楽に仕上げています。
若き小澤征爾によるこの録音は、作品の普及に一役買った高水準な演奏で、シカゴ交響楽団の優れた技術を示すという意味でも注目度の高い内容となっています。
Disc4
● プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
● ラヴェル:ピアノ協奏曲
アレクシス・ワイセンベルク(P)
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1970年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
隠遁から復帰して4年目のワイセンベルクが、若き小澤征爾指揮するパリ管弦楽団と組んだ録音。ラヴェルもプロコフィエフも作品の雰囲気を大切にした表現をおこなっており、どちらも頽廃感のような味わいが魅力たっぷりに示されるのが印象的。両作品共にバリバリ派の演奏も多いですが、意外にもここでのワイセンベルクは味わい派。パリ管弦楽団のかなり個性的なサウンドもそうしたアプローチにはふさわしいと思います。
Disc5
● チャイコフスキー:交響曲第4番
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1970年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
サル・ワグラムで録音された当時のパリ管弦楽団の特徴でもある中間色豊かなサウンドが、第2楽章など抒情的な部分にユニークな彩りを添えています。若いだけに快速部分も率直でエネルギッシュ、持って回った表現など皆無の心地良さも印象的。
Disc6
● ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ
● ストラヴィンスキー:ピアノと管楽器のための協奏曲
● ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のための楽章
ミシェル・ベロフ(P)
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
ベロフは10代の頃からEMIと契約を結び、華々しいレコーディング活動を行っていますが、これはまさにその時期、20代前半の頃の演奏です。やはりまだ若々しさを多分に残していた小澤征爾との共演もまた魅力的で、いかにもベロフ、いかにもストラヴィンスキーという、切れ込み鋭い、痛快な演奏を展開しています。
Disc7
● シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
● ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
潮田益子(Vn)
日本フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:東京、杉並公会堂
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
潮田益子[1942-2013]が29歳の時に若き小澤と組んだ共演盤。シベリウスではすでに大きな実績のあった日フィルとの共演を海外スタッフが来日して録音したのも話題となりました。
Disc8
● 石井眞木:『遭遇II番(雅楽と管弦楽のための)』
● 武満徹:『カシオペア(独奏打楽器と管弦楽のための)』
ツトム・ヤマシタ(打楽器)
日本フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:東京、杉並公会堂
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
小澤征爾指揮ニューヨーク・フィルのコンサートで武満徹の『カシオペア』を演奏、話題となった24歳のパーカッショニスト、ツトムヤマシタによる同曲のセッション録音。組み合わせは石井眞木の『遭遇II番』。雅楽とオーケストラの織りなすクラスター・サウンドと静寂の交錯、斬新な響きが強烈です。レコードアカデミー賞受賞。
Disc9
● ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番
● ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番
イツァーク・パールマン(Vn)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1971年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
ブラームスより2歳若いポーランドの作曲家ヴィエニャフスキの2つのヴァイオリン協奏曲は、技巧的な面白さと、どこかショパンやシューマン、メンデルスゾーンを思わせるようなところや、後のシベリウスに似た部分もある音楽。ここでは若きパールマンと小澤征爾が切れ味の良い演奏でロマン派の魅力を楽しませてくれます。
Disc10
● ストラヴィンスキー:『火の鳥』全曲
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1972年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
サル・ワグラムでのセッション録音ならではの色彩豊かなパリ管サウンドを堪能できるアルバム。全曲ヴァージョンの魅力は細部にあるとよく言われますが、この演奏で聴く細部の表情の多彩さには見事なものがあります。
Disc11
● チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
● チャイコフスキー:『イタリア奇想曲』
ウラディーミル・スピヴァコフ(Vn)
フィルハーモニア管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1982年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
幼少からヴァイオリニストとして才能を発揮したスピヴァコフは、13歳でモスクワの指揮者コンクールで優勝するという天才でもありました。このアルバムは、スピヴァコフが27歳の時の録音で、小澤征爾指揮フィルハーモニア管弦楽団ともども、完成度高く趣味の良い演奏を聴かせています。
Disc12
● ビゼー:交響曲第1番ハ長調
● ビゼー:序曲『祖国』
● ビゼー:『子供の遊び』
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1982年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
どの曲も小澤征爾の繊細な指揮が当時のフランス国立管弦楽団の魅力的なサウンドと相乗効果を発揮した素晴らしい演奏。交響曲第1番第2楽章アダージョでのミシェル・クロケノワの物悲しいオーボエ、絡むホルンやフルートの明るい響き、軽やかでどこまでも伸びていくヴァイオリンの澄んだ美しさなど病みつきになる魅力にあふれています。
Disc13
● ビゼー:『アルルの女』組曲
● ビゼー:『カルメン』組曲
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1983年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
『アルルの女』も『カルメン』もフランスの管弦楽曲であることを自然体で示すフランス国立管弦楽団の傑作。小澤征爾の指揮は心地よい躍動感と歌心で一貫、オーケストラの個性を最大限に引き出していると思います。
Disc14
● ストラヴィンスキー:『火の鳥』全曲
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1983年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
イギリスのエンジニア、クリストファー・パーカーによる名録音。パーカーのアメリカ制作を代表するジュリーニ&シカゴ響のブルックナー9番と並ぶ優秀録音盤としても知られています。
Disc15
● ガーシュウィン:『ラプソディー・イン・ブルー』
● ガーシュウィン:『アイ・ガット・リズム変奏曲』
● ガーシュウィン:『キャットフィッシュ・ロウ』組曲(ポーギーとベスより)
アレクシス・ワイセンベルク(P)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1983年
録音場所:ベルリン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
ボストン響の音楽監督に就任して10年目の小澤征爾が、ベルリン・フィルに客演してアメリカ作品を録音した話題盤。ピアノにワイセンベルク、クラリネットはカール・ライスターという布陣で、徹底的にクラシカルなガーシュウィンを聴かせた快適なアルバムです。
Disc16
● アール・キム:ヴァイオリン協奏曲
● ロバート・スタラー:ヴァイオリン協奏曲
イツァーク・パールマン(Vn)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1984年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
2人の20世紀アメリカ人作曲家によるヴァイオリン協奏曲をパールマンのソロと小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏でクリストファー・パーカーが録音したヴァイオリン協奏曲の注目盤。20世紀作品ならではの多彩な表現を楽しめる優秀録音盤です。
Disc17
● ラロ:『スペイン交響曲』
● サラサーテ:『ツィゴイネルワイゼン』
アンネ・ゾフィー・ムター(Vn)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1984年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
アンネ=ゾフィー・ムターと小澤征爾の初共演録音として注目された演奏。2つの情熱的な作品で聴かせるムターの濃厚なソロと、隙なく支える小澤征爾指揮するフランス国立管弦楽団の雰囲気豊かなサウンドが聴きものです。
Disc18
● チャイコフスキー:『1812年』
● チャイコフスキー:『スラヴ行進曲』
● チャイコフスキー:『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ
● チャイコフスキー:『フランチェスカ・ダ・リミニ』
ベルリン・フィル
小澤征爾(指揮)
録音時期:1984年
録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
ベルリン・フィルの機動力をフルに発揮したダイナミックでスケールの大きなチャイコフスキー作品集。『1812年』ではじっくりしたテンポで壮大な戦いの音楽を再現、大砲の音も交えての終盤の盛り上がりには凄いものがあります。小澤征爾はこの曲を8年後にDGに再録音していますが、そこでは教会の鐘の音が大きすぎてオケの音があまり聴こえなかったので、こちらの方が良かったように思います。
Disc19
● チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1986年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO
小澤征爾が得意とする『悲愴』には1974年のパリ管弦楽団とのPHILIPS録音、1995年のサイトウキネンとのPHILIPS録音、2008年収録のベルリン・フィルとの2種の映像作品がありますが、バランスの良さではこのエラート・レーベルによる録音が一番かもしれません。エンジニアはアバド&シカゴのチャイコフスキーなどを録っていたジョン・ニュートンです。
Disc20
● サン=サーンス:交響曲第3番『オルガン付』
● サン=サーンス:交響詩『ファエトン』
● サン=サーンス:交響詩『オンファールの糸車』
フィリップ・ルフェーヴル(オルガン)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1985,86年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
フランス国立管弦楽団は1970年にマルティノン(ERATO)、1975年に同じくマルティノン(EMI)とサン=サーンスの交響曲第3番を録音しており、比較的短期間のうちに3つの録音がおこなわれたことになります。小澤征爾盤はオルガンを別録りで壮麗なサウンドを実現、瞑想的な美しさが際立つポコ・アダージョと、迫力あるマエストーソで成果をあげています。
Disc21
● ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
● チャイコフスキー:『ロココ風の主題による変奏曲』
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1985年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO
ロストロポーヴィチはドヴォルザークのチェロ協奏曲を何度も録音していますが、これはその最後のもの。作品を知り尽くした味わい深く雄大なチェロを、小澤征爾がこまやかなサポートで引き立てています。
Disc22
● プロコフィエフ:交響的協奏曲
● ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ロンドン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1987年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:ERATO
ロストロポーヴィチがソ連時代に献呈されたチェロ協奏曲の傑作を小澤征爾指揮ロンドン交響楽団との共演で。ここでの成功もあってか、ロストロポーヴィチはこの翌年からロンドン交響楽団を自身で指揮してショスタコーヴィチの交響曲やヴァイオリン協奏曲の録音に取り組み始めます。
Disc23
● バーンスタイン:『セレナーデ』
● バーバー:ヴァイオリン協奏曲
● ルーカス・フォス:『3つのアメリカの小品』
イツァーク・パールマン(Vn)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1994年
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI
躍動感あるバーンスタインのセレナーデは、ジャズの雰囲気などもあわせもつ楽しい作品。バーバーのヴァイオリン協奏曲は、資産家に依頼されその息子のために書いた作品ですが、奏者の技術的な問題から作曲に横槍が入りながらも、バーバーの意思通りに完成させたロマンあふれる傑作。ルーカス・フォスの『3つのアメリカの小品』は、「アーリー・ソング」、「献呈」、「作曲家の休日」から成る作品。パールマンのソロはどれも美しく快活で、小澤征爾指揮するボストン交響楽団の精緻な演奏と息の合った共演を聴かせています。
Disc24
● ガニュー:チェロと管弦楽のためのトリプティーク
● シチェドリン:チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
ロンドン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1994年
録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:TELDEC
デュティユーに師事した1947年生まれのフランスの作曲家、ルノー・ガニューによる繊細な音響が印象的な作品「チェロと管弦楽のためのトリプティーク」と、1932年生まれのソ連/ロシアの作曲家、ロディオン・シチェドリンの作品「チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲」を収録。シチェドリン若き日のにぎやかな代表作『カルメン』とは正反対の静けさ、北の大地を思わせる独特の色彩感が、ロストロポーヴィチのチェロとリコーダーなどが活躍するオーケストラ・サウンドの組み合わせで表現されています。
Disc25
● デュティユー:『時間の影』
ジョエル・エッシャー(声)
ラシェル・プロトキン(声)
ジョーダン・スワイム(声)
ボストン交響楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1998年
録音場所:ボストン
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
制作レーベル:ERATO
ときに現代のドビュッシーとも言われるアンリ・デュティユー[1916- ]の作風は、ドビュッシーや、ラヴェル、オネゲルなど、フランス近代の流れを汲む精妙な美しさと迫力を兼ね備えたもので、無調など現代風味の技法も適度に加味しながら、独自の世界を築き上げています。 『時の影』は、小澤征爾からの委嘱作で、きわめて色彩豊かな美しい作品に仕上がっています。
http://www.hmv.co.jp/artist_Box-Set-Classical_000000000088040/item_%E5%B0%8F%E6%BE%A4%E5%BE%81%E7%88%BE-%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%EF%BC%88%EF%BC%92%EF%BC%95%EF%BC%A3%EF%BC%A4%EF%BC%89_6306790
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