金曜日, 11月 26, 2021

小澤征爾の名盤探訪 総括 INDEX Seiji Ozawa 


 










【オーケストラ別】

小澤征爾の名盤探訪 サイトウ・キネン・オーケストラ編



【個別の演奏評】

小澤征爾の名盤探訪 サイトウ・キネン・オーケストラ編 Seiji Ozawa


 










【サイトウ・キネン・オーケストラ】

 

ベートーヴェン交響曲全集

‎‎・交響曲全集:第7番(1993)、第3番(1998)、第5番(1998)、第6番(1998)、第1番(1999)、第2番(2000)、第4番(2001)、第82001)、第9番(2002

・序曲集:「エグモント」序曲(1998)、「レオノーレ」序曲第‎‎2番 、‎‎3番(‎1999)、第1番(2001

 

ブラームス交響曲全集

・交響曲全集:第41989)、第1番(1990)、第2番(‎1992)、第3‎1992‎‎・ハンガリー舞曲‎‎5番、第6番(1989‎‎13番、10番(1990

 

バッハ:マタイ受難曲

ジョン・マーク・エインズリー(T)、トーマス・クヴァストホフ(Bs-Br)、クリスティアーネ・ウルツェ(S)、ナタリー・シュトゥッツマン(A)、東京オペラシンガーズ他(19979月)

 

バッハ:ミサ曲 ロ短調

バーバラ・ボニー(S)、アンゲリカ・キルヒシュラーガー(MS)、ジョン・マーク・エインズリー(T)、アラステア・ミルズ(Bs)、東京オペラシンガーズ他(200089月)

 

・武満徹: ノヴェンバー・ステップス、尺八と琵琶のためのエクリプス、ヴィオラ協奏曲《ア・ストリング・アラウンド・オータム》with今井信子(va) サイトウ・キネン・オーケストラ(1989&90 DECCA

・武満徹:弦楽のためのレクイエム(1991)、セレモニアル(1992)、エア(フルートのための)(1994)系図(英語版)、マイ・ウェイ・オブ・ライフ(1995

・シェーンベルク: 浄夜(1993&94  DECCA

R.シュトラウス:カプリッチョ(1993&94  DECCA

・ブルックナー:交響曲第7番(2003

・バルトーク:管弦楽のための協奏曲、弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(2004

・ベルリオーズ:幻想交響曲(2007

・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(2007

・ストラヴィンスキー:オペラ=オラトリオ《エディプス王》 ジェシー・ノーマン(ソプラノ:ヨカスタ)、ペーター・シュライアー(テノール:エディプス)、ブリン・ターフェル(バス:クレオン)、白石加代子(語り)、他 東京オペラシンガーズ、晋友会合唱団(1992

・ストラヴィンスキー:ミューズを率いるアポロ(1993&94 DECCA

ストラヴィンスキー:歌劇《道楽者のなりゆき》 シルヴィア・マクネアー(S)、アンソニー・ロルフ・ジョンソン(T)、ドナルド・アダムス(Bs)、他、東京オペラシンガーズ(2009

・ラヴェル:歌劇《こどもと魔法》全曲 こども:イザベル・レナード(メッゾ・ソプラノ)、肘掛椅子、木:ポール・ガイ(バス・バリトン)、母親、中国茶碗、とんぼ:イヴォンヌ・ネフ(メッゾ・ソプラノ)、火、お姫様、うぐいす:アナ・クリスティ(ソプラノ)、雌猫、りす:マリー・ルノルマン(メッゾ・ソプラノ)、大時計、雄猫:エリオット・マドア(バリトン)、小さな老人、雨蛙、ティーポット:ジャン=ポール・フーシェクール(テノール)、安楽椅子、こうもり:藤谷佳奈枝(ソプラノ)SKF松本合唱団、SKF松本児童合唱団(2013/ライヴ)

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世界に届く、情感の豊かさと肌理こまやかさ (amazon.co.jp)

CD添付の解説書の最後に、全演奏家のリストがのっている。志あるサイトウ・キネン・オーケストラの面々が2002年9月松本に結集し、同月、小澤征爾がウィーン国立歌劇場音楽監督に就任したお祝いをこめたライヴ盤。同メンバーが1993年から足掛け10年、行ってきたベートーヴェン・チクルスの掉尾を飾る演奏でもある。

聴きながら、「実力」を自ら誇りながら録音を残さないN響にたいして、このオーケストラはいつの間にか、「日本」を世界に発信するユニークな楽団になっていることに思いがいたった。最近もN響を聴いたが、経済だけでなく、ここにも日本の「失われた20年」を感じる。

さて、本演奏はけっして表面的な響きの美しさを追求するものではない。アンサンブルの完璧さを求めるアプローチとも異なり、むしろ伸び伸びとした大らかさこそ身上かも知れない。全体の中で第3楽章が特に出色。この情感の豊かさには素直に心が動く。地理的には日本の真ん中の地方都市で、日本人指揮者、多くが日本人の演奏家によるベートーヴェン。でもこの情感の豊かさと肌理こまやかさの魅力は世界にしかと届くだろうなと感じさせる。心で歌い全員が全員の音楽に耳を傾ける、その様子が手に取るようにわかる。終楽章も緊張感はあってもファナティックさとは無縁で、格調の高さこそ求められているように思う。合唱も天晴れである。

織工Ⅲ 拾遺集 小澤征爾の芸術1~25  目次 (fc2.com)

小澤征爾の名盤探訪 ボストン交響楽団編 Seiji Ozawa


 










【ボストン交響楽団】

 

マーラー:交響曲全集

・交響曲全集(No.1–10)(1977-90)、亡き子をしのぶ歌(1988

 

べルリオーズ:劇的物語『ファウストの劫罰』

スチュアート・バロウズ(テノール)、ドナルド・マッキンタイア(バリトン)、トマス・ポール(バス)ほか、タングルウッド祝祭合唱団(1973 DG

 

R.シュトラウス:歌劇《エレクトラ》全曲

クリテムネストラ:クリスタ・ルートヴィヒ(メッゾ・ソプラノ)、エレクトラ(クリテムネストラの娘):ヒルデガルト・ベーレンス(ソプラノ)、クリソテミス(クリテムネストラの娘):ナディーヌ・セクンデ(ソプラノ)エギスト:ラグナー・ウルフング(テノール)、オレスト(クリテムネストラの息子):ヨルマ・ヒュンニネン(バリトン)、オレストの後見人:ブライアン・マシューズ(バリトン)他 タングルウッド祝祭合唱団(合唱指揮:ジョン・オリヴァー)(19981112-23日、ボストン/ライヴ)

 

・ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」[1919年版]、バレエ音楽「ペトルーシュカ」[1947年版]マイケル・ティルソン・トーマス(p)(1969

・べルリオーズ:幻想交響曲(1973

・ラヴェル:ボレロ、古風なメヌエット、道化師の朝の歌、亡き王女のためのパヴァーヌ、ラ・ヴァルス、クープランの墓、マ・メール・ロワ、スペイン狂詩曲、ダフニスとクロエ(以上1974)、『鏡』より「海原の小舟」、高雅で感傷的なワルツ(1975)

・レスピーギ:交響詩《ローマの噴水》、《ローマの祭り》、《ローマの松》(1977)、リュートのための古風な舞曲とアリア(197578

・ファリャ:バレエ《三角帽子》 テレサ・ベルガンサ(メッゾ・ソプラノ)(1976

・バルトーク:『中国の不思議な役人』組曲(1975

・バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(1977

・バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2withムター(1991)

・チャイコフスキー:交響曲第5番(1977

・チャイコフスキー&シベリウス: ヴァイオリン協奏曲withムローヴァ(vn) 1985 DECCA

・チャイコフスキー:交響曲第6番(1986

・チャイコフスキー:『白鳥の湖』(1978)、『くるみ割り人形』、『眠りの森の美女』組曲(1990

・ホルスト:惑星(1979

R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき、英雄の生涯 (1981

・ストラヴィンスキー:火の鳥(1983

・プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(1986

・フォーレ:ペレアスとメリザンド、夢のあとに、パヴァーヌ、エレジー、『ドリー』組曲withロレイン・ハント・リーバーソン(ソプラノ)、ジュールズ・エスキン(チェロ)、タングルウッド祝祭合唱団(1986)

・プーランク:グローリア、スターバト・マーテルwithキャスリーン・バトル、タングルウッド祝祭合唱団(1987)

・プーランク:『クラヴサンと管弦楽のための田園奏楽マイ・ウェイ・オブ・ライフ』withドウェイン・クロフト(Br)(1991

・プーランク:『オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲』withオレル・ニコレ(F)、サイモン・プレストン(Org)、トレヴァー・ピノック(Chem)、エヴェレット・ファース(ティンパニ)(1991ライヴ)

・フランク:交響曲 ボストン響(1991 DG

・メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』withバトル(S) シュターデ(Ms) タングルウッド音楽祭合唱団、ボストン響(1992 DG

・ショスタコーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲第2番&シューマン: チェロ協奏曲(ショスタコーヴィチによるヴァイオリン協奏曲版) withクレーメル(vn)1992 DG

・バーンスタイン:セレナーデ

・ルーカス・フォス:3つのアメリカの小品~(1994

・デュティユー:時間の影(1998

・バッハ・トランスクリプション:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(ストコフスキー編)、『高きみ空よりわれは来たれり』によるカノン変奏曲 BWV769(同)、プレリュードとフーガ 変ホ長調 BWV552(シェーンベルク編)、音楽の捧げもの BWV10796声のリチェルカーレ(ヴェーベルン編)、パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004~シャコンヌ(齋藤秀雄編)(2007

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・シェーンベルク:グレの歌

ジェシー・ノーマン(ソプラノ)、タティアナ・トロヤノス(アルト)、ジェイムズ・マクラッケン(テノール)、キム・スコウン(テノール)、デイヴィッド・アーノルド(バリトン)、ヴェルナー・クレンペラー(語り)、タングルウッド祝祭合唱団(1979330日-43日 ボストン/ライヴ)

 

シェーンベルクの大曲、作品への親和性を高める劇的表現力 

小澤征爾の代表的な録音の一つ。小澤は若き日より、「ロメオとジュリエット」など、男女の悲恋ものストーリーを得意としている。また、先行して、メシアン:トゥーランガリラ交響曲(1967年)や、べルリオーズ:『ファウストの劫罰』(1973年)など大規模な管弦楽を必要とする曲をシリーズで取り上げている。その両方がいわば相まった本曲は、いかにも小澤好みといえよう。

主力歌手をふくめ信頼感するメンバーと一気呵成に録音をしたライヴ盤ながら、セッション録音と変わらない安定度と完成度を示している。

本演奏では、ワーグナー(トリスタンとイゾルデ)的陶酔感とベルリオーズ(幻想交響曲、ファウストの劫罰)的ドラマツルギー、そしてラヴェル(マ・メール・ロワ、ダフニスとクロエ)的な色彩感が、めくるめく展開され、その明解な解釈から、現代音楽への敷居の高さを少しも感じさせない。シェーンベルクの先駆的な音楽をこのように自然にリスナーに繋げる能力こそ、小澤ならではなのだろう。ドイツ語の歌詞には親しみを感じにくくても、音楽の流れの良さと劇的表現が作品への親和性を高めている。全編、良質なファンタジックさを纏(まとい)ながら、実は、さまざまな技巧に長けた演奏であると思う。

グレの歌 歌詞

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小澤征爾の名盤探訪 ウィーン・フィル編 Seiji Ozawa


 










【ウィーン・フィル】

 

・ドヴォルザーク:交響曲第8番(1992)、 第9番(1991)、交響詩《真昼の魔女》序曲(1992)、《自然の中で》(1991

R=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》、序曲《ロシアの復活祭》(1993

R.シュトラウス:アルプス交響曲、ヨハネ騎士修道会の荘重な入場 AV103、ウィーン・フィルハーモニーのためのファンファーレ AV1091996

・ブラームス:交響曲第2番(2000、パリ、ライヴ)

J.シュトラウスII世ほか:ニューイヤー・コンサート2002 200211日 ウィーン/ライヴ)

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未来への希望を感じさせる小澤ならではの解釈 (amazon.co.jp)

溌剌とし、音楽が生き生きと躍動する「新世界から」である。第2楽章ラルゴがとても良い。ゆったりとした落ち着きのなか、心理の綾まで表現しようとするような演奏で、メロディが心に浸透してくる。けっして昏くはならず、遠くへの淡い憧憬を感じさせながらも細かい起伏もつけた表現ぶりは見事である。ウィーン・フィルは指揮者の要求に応えつつも伸び伸びと臨場している。こうした流儀でウィーン・フィルから充実した響きを引き出すことができるのだから小澤征爾の技量はたいしたものである。このオケとの息遣いあればこそ、翌年、小澤がウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任したのもさもありなんと思う。
第1楽章、第3楽章の解釈はオーソドックスで、控えめな印象もあるが、終楽章はメリハリを利かせたリズミックな演奏。哀愁はあまり感じさせないが、その分、未来への希望のような感興が込められているようにも感じる。気持ちのよい聴後感があろう。

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小澤征爾の名盤探訪 ベルリン・フィル編 Seiji Ozawa


 










【ベルリン・フィル】

 

プロコフィエフ:交響曲全集

・プロコフィエフ:交響曲全集(19891992)、交響組曲『キージェ中尉』シュミット(Br)1990

 

・ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー、アイ・ガット・リズム変奏曲、「ポーギーとベス」より「なまず横町」組曲』~ワイセンベルク(P) 1983

・ワーグナー:『さまよえるオランダ人』序曲、『ローエングリン』~第1幕への序曲、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』~第1幕への前奏曲、『タンホイザー』序曲、『トリスタンとイゾルデ』~前奏曲と愛の死(1986

・チャイコフスキー:大序曲『1812年』、スラヴ舞曲、エフゲニー・オネーギンよりポロネーズ、フランチェスカ・ダ・リミニ(1984

・チャイコフスキー:交響曲第4番(1988)、第5番(1989)、イタリア奇想曲(1988)、大序曲『1812年』(1992

・バルトーク:ヴィオラ協奏曲withヴォルフラム・クリスト(1989)、『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』(1992)

・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2withユンディ・リ(p) 2007 DG

・ラヴェル: ピアノ協奏曲withユンディ・リ(p) 2007 DG

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小澤征爾 ベルリン・フィルとの思い切りの“ドライブ”感 (amazon.co.jp)

カラヤンが小澤征爾に寄せる信頼感には並々ならぬものがあり、おそらくはダントツの一番弟子と評価していたことであろう。小澤征爾自身が語っているように、指揮者としてもっとも難しいオーケストラの操舵法の“極意”の伝授もうけている。さらに、刻苦勉励すべき職業的倫理観、そのストイシズムについても小澤は師カラヤンの教えを忠実に守ってきたことであろう。

そうした背景があればこそ、本盤のベルリン・フィルとの演奏にはなによりも小澤との一体感がある。また、小澤は誰に遠慮することもなく、思い切りベルリン・フィルとの“ドライブ”を楽しんでいるような風情もある。大音響の『1812年』から、生気溢れる『スラヴ行進曲』、表情豊かな『オネーギン』ポロネーズ、はち切れんばかりの迫力から抒情の粋まで、表現の幅広さを示す『フランチェスカ・ダ・リミニ』まで、一気に疾駆するような異色の1枚である。

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木曜日, 11月 25, 2021

小澤征爾 その若き偉業1~7 INDEX Seiji Ozawa 


 









20才台から50才くらいまでの小澤征爾の華々しい活躍の一部を以下に。ボストン響以外のオケとの共演を中心に若干、スケッチしたものです。各オケとの音源はこれ以外にもあると思いますが、典型的な演奏をいくつか取り上げてみました。ご参考まで。

小澤征爾 その若き偉業1

小澤征爾 その若き偉業2 <シカゴ交響楽団>

小澤征爾 その若き偉業3 <パリ管弦楽団>

小澤征爾 その若き偉業4 <日本フィル>

小澤征爾 その若き偉業5 <トロント交響楽団>

小澤征爾 その若き偉業6 <サンフランシスコ交響楽団>

小澤征爾 その若き偉業7 <フランス国立管弦楽団>


<主要な録音> 

【シカゴ交響楽団】

・バルトーク:ピアノ協奏曲第1番、第3番~ピーター・ゼルキン(P)1965-1966

・シェーンベルク:ピアノ協奏曲、ピアノのための5つの小品op.23、幻想曲

~ピーター・ゼルキン(P) (1967)

・ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」(1967)はげ山の一夜(1968

・ブリテン:青少年のための管弦楽入門(1967

・ベートーヴェン:交響曲第5番(1968

・シューベルト:交響曲第8番「未完成」(1968

・チャイコフスキー:交響曲第51968

・ストラヴィンスキー:幻想曲「花火」、バレエ「春の祭典」(1968

R=コルサコフ:シェエラザード(1969

・ボロディン:だったん人の踊り(1969

・バルトーク:管弦楽のための協奏曲(1969

・コダーイ:ガランタ舞曲(1969

・ヤナーチェク:シンフォニエッタ(1969

・ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲(1970

 

【パリ管弦楽団】

 ・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3~ワイセンベルク(P)1970

・ラヴェル:ピアノ協奏曲~ワイセンベルク(P)1970

チャイコフスキー:交響曲第4番(1970

・ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ、ピアノと管楽器のための協奏曲、ピアノと管弦楽のための楽章~ミシェル・ベロフ(P) 1971

・ストラヴィンスキー:火の鳥(1972

 

<トロント楽団との関係>

1965年 トロント響の音楽監督に就任(~69)。

1969年 トロント響と日本公演を行う。

 

【トロント管弦楽団】

・ベルリオーズ:幻想交響曲(1966)

・メシアン:トゥーランガリラ交響曲(1967)

・武満 徹:ノヴェンバー・ステップス~鶴田錦史(琵琶),横山勝也(尺八)(

 1967)、アステリズム~ピアノと管弦楽のための 高橋悠治(ピアノ)、地平線のドーリア、グリーン、弦楽のためのレクィエム(1969

 

<日本フィルとの関係>

1961年 日本フィルを指揮して、日本のオーケストラの定期公演にデビュー。

1968年 日本フィルの首席指揮者兼ミュージカル・アドヴァイザーに就任(~72)。

1972年 日本フィルの一部楽員と共に新日本フィルを結成し、首席指揮者に就任(91~名誉芸術監督。99~桂冠名誉指揮者)。

 

【日本フィル】

・石井眞木:「遭遇II番」(雅楽と管弦楽のための)

・武満徹:「カシオペア」(独奏打楽器と管弦楽のための)

・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲~潮田益子(Vn)

・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番~潮田益子(Vn) (以上1971

 

<サンフランシスコ交響楽団との関係>

1970年 サンフランシスコ響の音楽監督に就任(~76)。

1975年 サンフランシスコ響と日本公演を行う。

 

サンフランシスコ交響楽団

・チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』(1972

・プロコフィエフ:バレエ『ロメオとジュリエット』(抜粋)(1972

・ベルリオーズ:劇的交響曲『ロメオとジュリエット』~愛の情景(1972

・ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』(1975

・バーンスタイン:『ウェスト・サイド・ストーリー』より「シンフォニック・ダンス」(1972

・ガーシュウィン:パリのアメリカ人(1976

・ルッソ:ブルース・バンドとシンフォニー・オーケストラのための3つの小品(1972)、ストリート・ミュージックwithコーキー・シーゲル(ハーモニカ)1976 

 

【フランス国立管弦楽団】

 ・ビゼー:交響曲ハ長調、序曲「祖国」、子供の遊び(1982

・「アルルの女」「カルメン」組曲(1983

・ラロ:スペイン交響曲、サラサーテ:チゴイネルワイゼン~ムター(1984

・サン=サーンス:交響曲第3番、ファエトン、オンファールの糸車(1985,86) 

・オッフェンバック:ホフマン物語 withドミンゴ、グルベローヴァ他(1986

・オネゲル:火刑台上のジャンヌ・ダルクwithマルト・ケラー、ジョルジュ・ウィルソン(語り手)フランス放送合唱団(1989

 

≪その他≫

 

【ロンドン交響楽団】

・オネゲル:火刑台上のジャンヌ・ダルク

[語り役]ヴェラ・ゾリーナ[ジャンヌ・ダルク]、アレック・クリューンズ[僧ドミニック]、チャールズ・トーマス[廷臣3、ワーウィック伯爵、石臼とっつぁん]

バーバラ・ヒックス[酒樽おばさん]

[歌い手]グィニス・アニア(ソプラノ)[処女マリア]、ヘザー・ハーパー(ソプラノ)[マルグリット]、ヘレン・ワッツ(コントラルト)[カトリーヌ]、アレクサンダー・ヤング(テノール)[豚、廷臣1、司祭]、フォーブス・ロビンソン(バス)[騾馬、廷臣2]、レスリー・サマーズ、ジル・ウィルソン[子供の声のソロ]

ジャンヌ・ロリオ(オンド・マルトノ)、オービントン・ジュニア合唱団

ロンドン交響楽団・合唱団(196666&7日、ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホール)

 

【(ニュー)フィルハーモニア管】

 ・ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(1974

・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲~ウラディーミル・スピヴァコフ(Vn)、イタリア奇想曲(1982


追記:2021年12月10日

【以下は引用】

★モーツァルト:交響曲第41番、ベートーヴェン:交響曲第1番、シューベルト:未完成、他 小澤征爾&トゥールーズ・キャピトール管弦楽団、他(1960)(2CD 

国立視聴覚研究所(INA)提供による音源を使用したスペクトラム・サウンドの大好評のベルアーム・シリーズ。今回は小澤征爾が1960年収録の貴重な録音が日の目をみます!

小澤征爾は1959年に第9回ブザンソン国際指揮者コンクール第1位を受賞。その翌年19604月、放送用の収録でトゥールーズ・キャピトール管弦楽団を振った録音がこの度正規初出としてお目見えします。419日、21日、25日と3日間の収録で、ベートーヴェンの交響曲第1番、『エグモント』序曲、モーツァルトの交響曲第41番『ジュピター』、ディヴェルティメント、歌劇『魔笛』序曲、ブラームスのハンガリー舞曲集、シューベルトの交響曲『未完成』、カバレフスキーの組曲『道化師』と実に多彩なプログラムを披露。マエストロ小澤征爾の国際的なキャリアとしてはじめての録音を「INA」の正規音源からスペクトラム・サウンドが丁寧に復刻いたしました。

また、同年1214日、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団を振ったモーツァルトの交響曲第28番とヨハン・シュトラウス2世の歌劇『こうもり』序曲も収録。こちらも放送用セッションながら小澤征爾のパリ・デビューということで、これもまた貴重な録音を聴くことができます。

若かりしマエストロがすがすがしくタクトを振る姿が聴いているだけで想像できる名演。翌年以降、世界をまたにかけ活躍がはじまったマエストロ。その世界的指揮者が産声をあげたような溌溂とした演奏をお楽しみいただけます。

平林直哉氏による日本語解説書付。日本市場向けの完全限定発売。(輸入元情報) 

【収録情報】

Disc1

1. ベートーヴェン:『エグモント』序曲(7:53

2. モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.13612:25

3. ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 Op.2121:24

4. モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』(26:02

 

Disc2

5. ブラームス:ハンガリー舞曲第1番、第3番、第5番、第6番(3:112:252:483:21

6. モーツァルト:歌劇『魔笛』序曲(6:40

7. シューベルト:交響曲第87)番 ロ短調 D.759『未完成』(29:32

8. カバレフスキー:組曲『道化師』 Op.2618:00

 

トゥールーズ・キャピトール管弦楽団

小澤征爾(指揮) 

録音時期:1960419日(1-3)、21日(4,5)、25日(6-8

録音場所:トゥールーズ

モノラル(放送用録音)

 

9. モーツァルト:交響曲第28番ハ長調 K.20015:30

10. ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』序曲(7:46

 

フランス放送フィルハーモニー管弦楽団

小澤征爾(指揮) 

録音時期:19601214

録音場所:パリ、ORF

モノラル(放送用録音) 

Licensed by INA and 24bit/192kHz digital restoration and remastering from the original master tapes

モーツァルト:交響曲第41番、ベートーヴェン:交響曲第1番、シューベルト:未完成、他 小澤征爾&トゥールーズ・キャピトール管弦楽団、他(1960)(2CD) : 小澤征爾 (1935-) | HMV&BOOKS online - CDSMBA102


小澤征爾 その若き偉業7 <フランス国立管弦楽団> Seiji Ozawa


 










【フランス国立管弦楽団】

 

・ビゼー:交響曲ハ長調、序曲「祖国」、子供の遊び(1982

・「アルルの女」「カルメン」組曲(1983

・ラロ:スペイン交響曲、サラサーテ:チゴイネルワイゼン~ムター(1984

サン=サーンス:交響曲第3番、ファエトン、オンファールの糸車(1985,86) 

・オッフェンバック:ホフマン物語 withドミンゴ、グルベローヴァ他(1986

・オネゲル:火刑台上のジャンヌ・ダルクwithマルト・ケラー、ジョルジュ・ウィルソン(語り手)フランス放送合唱団(1989

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【以下は引用】



● ビゼー:交響曲第1番ハ長調
● ビゼー:序曲『祖国』
● ビゼー:『子供の遊び』

フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1982年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

どの曲も小澤征爾の繊細な指揮が当時のフランス国立管弦楽団の魅力的なサウンドと相乗効果を発揮した素晴らしい演奏。交響曲第1番第2楽章アダージョでのミシェル・クロケノワの物悲しいオーボエ、絡むホルンやフルートの明るい響き、軽やかでどこまでも伸びていくヴァイオリンの澄んだ美しさなど病みつきになる魅力にあふれています。



● ビゼー:『アルルの女』組曲
● ビゼー:『カルメン』組曲

フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1983年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

『アルルの女』も『カルメン』もフランスの管弦楽曲であることを自然体で示すフランス国立管弦楽団の傑作。小澤征爾の指揮は心地よい躍動感と歌心で一貫、オーケストラの個性を最大限に引き出していると思います。



● ラロ:『スペイン交響曲』
● サラサーテ:『ツィゴイネルワイゼン』

アンネ・ゾフィー・ムター(Vn)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1984年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

アンネ=ゾフィー・ムターと小澤征爾の初共演録音として注目された演奏。2つの情熱的な作品で聴かせるムターの濃厚なソロと、隙なく支える小澤征爾指揮するフランス国立管弦楽団の雰囲気豊かなサウンドが聴きものです。



● サン=サーンス:交響曲第3番『オルガン付』
● サン=サーンス:交響詩『ファエトン』
● サン=サーンス:交響詩『オンファールの糸車』

フィリップ・ルフェーヴル(オルガン)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1985,86年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

フランス国立管弦楽団は1970年にマルティノン(ERATO)、1975年に同じくマルティノン(EMI)とサン=サーンスの交響曲第3番を録音しており、比較的短期間のうちに3つの録音がおこなわれたことになります。小澤征爾盤はオルガンを別録りで壮麗なサウンドを実現、瞑想的な美しさが際立つポコ・アダージョと、迫力あるマエストーソで成果をあげています。

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 小澤征爾 一遍のナイーブな叙事詩 (amazon.co.jp)

本曲ではミュンシュ/ボストン響の名演がある。小澤征爾も師・ミュンシュの成果は十分に意識をしていたことだろう。そうした先入主で耳を傾けて、小澤征爾の実力に改めて感嘆した。

豪毅にドラマティックに演じたミュンシュに対して、小澤はまるで一遍のナイーブな叙事詩を語るかのようである。前半は、小澤らしく、柔らかくシルキーな音をフランス国立管から引き出し、整ったアンサンブルを際立たせる。どこまでも冷静にして理性的な演奏スタイルで、ゆっくりとした弱音の美しさは格別である。後半は一転、テンポをあげて熱量をおびてくるが、力押しの部分は一切なく、緻密な音の重なりに細心の注意をはらっているようだ。オルガンは別録りで慎重にチューニングして全体のバランスを崩さないように配意しており、フィナーレでの消え入る残響が心地よい。

併録の交響詩『ファエトン』では思い切り快速にとばし、交響詩『オンファールの糸車』は木管楽器が表情豊かで、ふたたび小澤流叙事詩の世界に誘う。


織工Ⅲ 拾遺集 小澤征爾の芸術1~25  目次 (fc2.com)