木曜日, 11月 25, 2021

小澤征爾 その若き偉業7 <フランス国立管弦楽団> Seiji Ozawa


 










【フランス国立管弦楽団】

 

・ビゼー:交響曲ハ長調、序曲「祖国」、子供の遊び(1982

・「アルルの女」「カルメン」組曲(1983

・ラロ:スペイン交響曲、サラサーテ:チゴイネルワイゼン~ムター(1984

サン=サーンス:交響曲第3番、ファエトン、オンファールの糸車(1985,86) 

・オッフェンバック:ホフマン物語 withドミンゴ、グルベローヴァ他(1986

・オネゲル:火刑台上のジャンヌ・ダルクwithマルト・ケラー、ジョルジュ・ウィルソン(語り手)フランス放送合唱団(1989

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【以下は引用】



● ビゼー:交響曲第1番ハ長調
● ビゼー:序曲『祖国』
● ビゼー:『子供の遊び』

フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1982年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

どの曲も小澤征爾の繊細な指揮が当時のフランス国立管弦楽団の魅力的なサウンドと相乗効果を発揮した素晴らしい演奏。交響曲第1番第2楽章アダージョでのミシェル・クロケノワの物悲しいオーボエ、絡むホルンやフルートの明るい響き、軽やかでどこまでも伸びていくヴァイオリンの澄んだ美しさなど病みつきになる魅力にあふれています。



● ビゼー:『アルルの女』組曲
● ビゼー:『カルメン』組曲

フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1983年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

『アルルの女』も『カルメン』もフランスの管弦楽曲であることを自然体で示すフランス国立管弦楽団の傑作。小澤征爾の指揮は心地よい躍動感と歌心で一貫、オーケストラの個性を最大限に引き出していると思います。



● ラロ:『スペイン交響曲』
● サラサーテ:『ツィゴイネルワイゼン』

アンネ・ゾフィー・ムター(Vn)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1984年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

アンネ=ゾフィー・ムターと小澤征爾の初共演録音として注目された演奏。2つの情熱的な作品で聴かせるムターの濃厚なソロと、隙なく支える小澤征爾指揮するフランス国立管弦楽団の雰囲気豊かなサウンドが聴きものです。



● サン=サーンス:交響曲第3番『オルガン付』
● サン=サーンス:交響詩『ファエトン』
● サン=サーンス:交響詩『オンファールの糸車』

フィリップ・ルフェーヴル(オルガン)
フランス国立管弦楽団
小澤征爾(指揮)

録音時期:1985,86年
録音場所:パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作レーベル:EMI

フランス国立管弦楽団は1970年にマルティノン(ERATO)、1975年に同じくマルティノン(EMI)とサン=サーンスの交響曲第3番を録音しており、比較的短期間のうちに3つの録音がおこなわれたことになります。小澤征爾盤はオルガンを別録りで壮麗なサウンドを実現、瞑想的な美しさが際立つポコ・アダージョと、迫力あるマエストーソで成果をあげています。

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 小澤征爾 一遍のナイーブな叙事詩 (amazon.co.jp)

本曲ではミュンシュ/ボストン響の名演がある。小澤征爾も師・ミュンシュの成果は十分に意識をしていたことだろう。そうした先入主で耳を傾けて、小澤征爾の実力に改めて感嘆した。

豪毅にドラマティックに演じたミュンシュに対して、小澤はまるで一遍のナイーブな叙事詩を語るかのようである。前半は、小澤らしく、柔らかくシルキーな音をフランス国立管から引き出し、整ったアンサンブルを際立たせる。どこまでも冷静にして理性的な演奏スタイルで、ゆっくりとした弱音の美しさは格別である。後半は一転、テンポをあげて熱量をおびてくるが、力押しの部分は一切なく、緻密な音の重なりに細心の注意をはらっているようだ。オルガンは別録りで慎重にチューニングして全体のバランスを崩さないように配意しており、フィナーレでの消え入る残響が心地よい。

併録の交響詩『ファエトン』では思い切り快速にとばし、交響詩『オンファールの糸車』は木管楽器が表情豊かで、ふたたび小澤流叙事詩の世界に誘う。


織工Ⅲ 拾遺集 小澤征爾の芸術1~25  目次 (fc2.com)

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