【ボストン交響楽団】
・交響曲全集(No.1–10)(1977-90)、亡き子をしのぶ歌(1988) |
スチュアート・バロウズ(テノール)、ドナルド・マッキンタイア(バリトン)、トマス・ポール(バス)ほか、タングルウッド祝祭合唱団(1973 DG) |
・R.シュトラウス:歌劇《エレクトラ》全曲 クリテムネストラ:クリスタ・ルートヴィヒ(メッゾ・ソプラノ)、エレクトラ(クリテムネストラの娘):ヒルデガルト・ベーレンス(ソプラノ)、クリソテミス(クリテムネストラの娘):ナディーヌ・セクンデ(ソプラノ)エギスト:ラグナー・ウルフング(テノール)、オレスト(クリテムネストラの息子):ヨルマ・ヒュンニネン(バリトン)、オレストの後見人:ブライアン・マシューズ(バリトン)他 タングルウッド祝祭合唱団(合唱指揮:ジョン・オリヴァー)(1998年11月12-23日、ボストン/ライヴ) |
・ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」[1919年版]、バレエ音楽「ペトルーシュカ」[1947年版]マイケル・ティルソン・トーマス(p)(1969)
・べルリオーズ:幻想交響曲(1973)
・ラヴェル:ボレロ、古風なメヌエット、道化師の朝の歌、亡き王女のためのパヴァーヌ、ラ・ヴァルス、クープランの墓、マ・メール・ロワ、スペイン狂詩曲、ダフニスとクロエ(以上1974)、『鏡』より「海原の小舟」、高雅で感傷的なワルツ(1975)
・レスピーギ:交響詩《ローマの噴水》、《ローマの祭り》、《ローマの松》(1977)、リュートのための古風な舞曲とアリア(1975-78)
・ファリャ:バレエ《三角帽子》 テレサ・ベルガンサ(メッゾ・ソプラノ)(1976)
・バルトーク:『中国の不思議な役人』組曲(1975)
・バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(1977)
・バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番withムター(1991)
・チャイコフスキー:交響曲第5番(1977)
・チャイコフスキー&シベリウス: ヴァイオリン協奏曲withムローヴァ(vn)
(1985 DECCA)
・チャイコフスキー:交響曲第6番(1986)
・チャイコフスキー:『白鳥の湖』(1978)、『くるみ割り人形』、『眠りの森の美女』組曲(1990)
・ホルスト:惑星(1979)
・R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき、英雄の生涯 (1981)
・ストラヴィンスキー:火の鳥(1983)
・プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(1986)
・フォーレ:ペレアスとメリザンド、夢のあとに、パヴァーヌ、エレジー、『ドリー』組曲withロレイン・ハント・リーバーソン(ソプラノ)、ジュールズ・エスキン(チェロ)、タングルウッド祝祭合唱団(1986)
・プーランク:グローリア、スターバト・マーテルwithキャスリーン・バトル、タングルウッド祝祭合唱団(1987)
・プーランク:『クラヴサンと管弦楽のための田園奏楽マイ・ウェイ・オブ・ライフ』withドウェイン・クロフト(Br)(1991)
・プーランク:『オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲』withオレル・ニコレ(F)、サイモン・プレストン(Org)、トレヴァー・ピノック(Chem)、エヴェレット・ファース(ティンパニ)(1991ライヴ)
・フランク:交響曲 ボストン響(1991 DG)
・メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』withバトル(S) シュターデ(Ms)
タングルウッド音楽祭合唱団、ボストン響(1992 DG)
・ショスタコーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲第2番&シューマン:
チェロ協奏曲(ショスタコーヴィチによるヴァイオリン協奏曲版)
withクレーメル(vn)(1992 DG)
・バーンスタイン:セレナーデ
・ルーカス・フォス:3つのアメリカの小品~(1994)
・デュティユー:時間の影(1998)
・バッハ・トランスクリプション:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(ストコフスキー編)、『高きみ空よりわれは来たれり』によるカノン変奏曲 BWV769(同)、プレリュードとフーガ 変ホ長調 BWV552(シェーンベルク編)、音楽の捧げもの BWV1079:6声のリチェルカーレ(ヴェーベルン編)、パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004~シャコンヌ(齋藤秀雄編)(2007)
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・シェーンベルク:グレの歌 ジェシー・ノーマン(ソプラノ)、タティアナ・トロヤノス(アルト)、ジェイムズ・マクラッケン(テノール)、キム・スコウン(テノール)、デイヴィッド・アーノルド(バリトン)、ヴェルナー・クレンペラー(語り)、タングルウッド祝祭合唱団(1979年3月30日-4月3日 ボストン/ライヴ) |
シェーンベルクの大曲、作品への親和性を高める劇的表現力
小澤征爾の代表的な録音の一つ。小澤は若き日より、「ロメオとジュリエット」など、男女の悲恋ものストーリーを得意としている。また、先行して、メシアン:トゥーランガリラ交響曲(1967年)や、べルリオーズ:『ファウストの劫罰』(1973年)など大規模な管弦楽を必要とする曲をシリーズで取り上げている。その両方がいわば相まった本曲は、いかにも小澤好みといえよう。
主力歌手をふくめ信頼感するメンバーと一気呵成に録音をしたライヴ盤ながら、セッション録音と変わらない安定度と完成度を示している。
本演奏では、ワーグナー(トリスタンとイゾルデ)的陶酔感とベルリオーズ(幻想交響曲、ファウストの劫罰)的ドラマツルギー、そしてラヴェル(マ・メール・ロワ、ダフニスとクロエ)的な色彩感が、めくるめく展開され、その明解な解釈から、現代音楽への敷居の高さを少しも感じさせない。シェーンベルクの先駆的な音楽をこのように自然にリスナーに繋げる能力こそ、小澤ならではなのだろう。ドイツ語の歌詞には親しみを感じにくくても、音楽の流れの良さと劇的表現が作品への親和性を高めている。全編、良質なファンタジックさを纏(まとい)ながら、実は、さまざまな技巧に長けた演奏であると思う。
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