小澤征爾/A Life for Music (tower.jp)
本集の特色は、3つに集約できると思う。第1に日本が誇るサイトウ・キネン・オーケストラの実力を世界に発信することである。『ミサ曲ロ短調』はじめドイツの主流音楽からストラヴィンスキーまでの意欲的録音を行っている。
第2は、これに加えて、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ボストン響、サンフランシスコ響との多彩な演目の収録である。ここではいかにも小澤らしく、師たるバーンスタインや武満徹の作品が重要な一角をしめていよう。また、合唱に注目すれば、タングルウッド音楽祭合唱団とメンデルスゾーン、ベルリオーズ、プーランク、シェーンベルクを取り上げている。
第3は、当代1級のソリストと共演した協奏曲集で、ユンディ・リ、パールマン、ムローヴァ、クレーメルそして畏友ロストロポーヴィチとの熱演を聴くことができる。小澤征爾のグルーバルな活動の一環を知ることができる選集といえよう。
<収録情報>(録音年とレーベル)
〔第1グループ:サイトウ・キネン・オーケストラ〕
【バッハ】
・ミサ曲ロ短調 BWV232 withボニー、キルヒシュラーガー(S) エインズリー(T) マイルズ(Bs)
東京オペラ・シンガースほか(2000 DECCA)
【ベートーヴェン】
・交響曲第7番、シューベルト: 同第8番《未完成》(1993 DECCA)
【シューベルト】
・交響曲第9番『グレート』(1996 DECCA)
【ブラームス】
・交響曲第4番、ハンガリー舞曲5&6番(1989 DECCA)
【ストラヴィンスキー】
・ミューズを率いるアポロ(1993&94 DECCA)
〔第2グループ:様々なオーケストラとの共演〕
【R.シュトラウス】
・カプリッチョ サイトウ・キネン・オーケストラ(1993&94 DECCA)
・ウィーン・フィルハーモニーのためのファンファーレ、アルプス交響曲
ショルツ(org) ウィーン・フィル(1996 DECCA)
【ドヴォルザーク】
・交響曲第8番、交響詩『真昼の魔女』ウィーン・フィル(1992 DECCA)
【プロコフィエフ】
・交響曲第5番、交響的組曲『キージェ中尉』シュミット(Br) ベルリン・フィル(1990 DG)
・ピアノ協奏曲第2番withユンディ・リ(p) ベルリン・フィル(2007 DG)
【メンデルスゾーン】
・『真夏の夜の夢』withバトル(S) シュターデ(Ms)
タングルウッド音楽祭合唱団、ボストン響(1992 DG)
【ベルリオーズ】
・劇的物語『ファウストの劫罰』タングルウッド音楽祭合唱団、ボストン少年合唱団、ボストン響(1973 DG)
【プーランク】
・グローリア、スターバト・マーテル withバトル(S) タングルウッド音楽祭合唱団、ボストン響(1987 DG)
・オルガンと弦楽器とティンパニのための協奏曲 withプレストン(org) ファース(timp)
ボストン響(1991 DG)
【シェーンベルク】
・グレの歌 withノーマン(S) トロヤノス(Ms)
マクラッケン(T) アーノルド(Br) タングルウッド音楽祭合唱団、ボストン響(1979 DECCA)
・ 浄夜 サイトウ・キネン・オーケストラ(1993&94 DECCA)
【フランク】
・交響曲 ボストン響(1991 DG)
【アメリカ系】
・ガーシュウィン: パリのアメリカ人
・バーンスタイン:『ウエストサイド・ストーリー』シンフォニック・ダンス
・ルッソ: ストリート・ミュージック ブルース・コンチェルト
withシーゲル(ハーモニカ) サンフランシスコ交響楽団(1972&76 DG)
【日本】
武満徹: ノヴェンバー・ステップス、尺八と琵琶のためのエクリプス、ヴィオラ協奏曲《ア・ストリング・アラウンド・オータム》with今井信子(va) サイトウ・キネン・オーケストラ(1989&90 DECCA)
〔第3グループ::様々なソリストとの共演〕
【協奏曲集】
・ラヴェル: ピアノ協奏曲withユンディ・リ(p)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2007 DG)
・ベルク&ストラヴィンスキー: ヴァイオリン協奏曲withパールマン(vn)
ボストン交響楽団(1978 DG)
・チャイコフスキー&シベリウス: ヴァイオリン協奏曲withムローヴァ(vn)
ボストン交響楽団(1985 DECCA)
・ショスタコーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲第2番&シューマン:
チェロ協奏曲(ショスタコーヴィチによるヴァイオリン協奏曲版) withクレーメル(vn)
ボストン交響楽団(1992 DG)
・ショスタコーヴィチ: チェロ協奏曲第2番withロストロポーヴィチ(vc)
ボストン交響楽団(1975 DG)
➡ 小澤征爾の名演
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