(ジャケットは別です)
小澤征爾 〔4つのグループ〕から見る偉大なる指揮者の記録 (amazon.co.jp)
小澤征爾/ボストン響を中心とするCD50枚組である。本集の特色を以下、4つのグループから見てみたい。
第1は、ボストン響以外のオケとの共演盤である。サンフランシスコ響、フランス国立管そしてベルリン・フィルと年代別に収録。このうちベルリン・フィルを振ってのプロコフィエフ、チャイコフスキーおよびバルトークは小澤得意の演目である(➔は関連して、ボストン響との本集収録盤を示している)。
第2は、小澤の恩人・師にしてボストン響シェフの先達、ミュンシュの十八番のフランスものである。ベルリオーズ、ラヴェル、フォーレ、プーランクそしてフランクが年代別、かなり系統的に順次、取り上げられている。
第3は、他のレーベルへの録音の関係もあってか、本集でのウエイトは小さいが、交響曲、管弦楽の演目中、アイヴス、ブラームス、マーラー、レスピーギといかにも小澤らしく多様性に富んでいる。
第4は、曲目よりも共演者に注目したい(with以下の名前をご覧いただきたい)。世界的に有名なソリストがこぞって小澤との共演を評価していることに加えて、ミュンシュの遺訓を守って、『弦チェレ』の2度の収録をふくめ、ボストン響の首席奏者など楽員をクローズアップする配慮もここに感じる。
小澤征爾の偉大さと世界中のオケとの共演の成功の秘密をここに見ることも可能かもしれない。
<収録情報>(録音年)
〔第1グループ〕
【サンフランシスコ交響楽団】
・バーンスタイン:『ウェスト・サイド・ストーリー』より「シンフォニック・ダンス」(1972)
・ガーシュウィン:パリのアメリカ人(1976)
・ルッソ:ブルース・バンドとシンフォニー・オーケストラのための3つの小品(1972)、ストリート・ミュージックwithコーキー・シーゲル(ハーモニカ)(1976)
【フランス国立管弦楽団】
・オッフェンバック:ホフマン物語 withドミンゴ、グルベローヴァ他(1986)
・オネゲル:火刑台上のジャンヌ・ダルクwithマルト・ケラー、ジョルジュ・ウィルソン(語り手)フランス放送合唱団(1989)
【ベルリン・フィル】
・プロコフィエフ:交響曲全集(1989~1992)、交響組曲『キージェ中尉』(1990)
➔《プロコフィエフ》
・『ロメオとジュリエット』組曲(抜粋) (1972)、同全曲(1986)
・ピアノ協奏曲第2番withユンディ・リ(2007)
・チャイコフスキー:交響曲第4番(1988)、第5番(1989)、イタリア奇想曲(1988)、大序曲『1812年』(1992)
➔《チャイコフスキー》
・交響曲第5番(1977)
・幻想序曲『ロメオとジュリエット』(1972)
・『白鳥の湖』(1978)、『くるみ割り人形』、『眠りの森の美女』組曲(1990)
・バルトーク:ヴィオラ協奏曲withヴォルフラム・クリスト(1989)、『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』(1992)
➔《バルトーク》
・『中国の不思議な役人』組曲(1975)
・ヴァイオリン協奏曲第2番withムター(1991)
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』(1977)
〔第2グループ〕
《ベルリオーズ》
・幻想交響曲(1973)
・ファウストの劫罰withスチュアート・バロウズ(テノール)、ドナルド・マッキンタイア(バリトン)、トマス・ポール(バス)、タングルウッド祝祭合唱団(1973)
・ロメオとジュリエット(1972、1975)
《ラヴェル》
・ボレロ、古風なメヌエット、道化師の朝の歌、亡き王女のためのパヴァーヌ、
ラ・ヴァルス、クープランの墓、マ・メール・ロワ、スペイン狂詩曲、ダフニスとクロエ(以上1974)、『鏡』より「海原の小舟」、高雅で感傷的なワルツ(以上1975)
・ピアノ協奏曲withユンディ・リ(2007)
《フォーレ》
・ペレアスとメリザンド、夢のあとに、パヴァーヌ、エレジー、『ドリー』組曲withロレイン・ハント・リーバーソン(ソプラノ)、ジュールズ・エスキン(チェロ)、タングルウッド祝祭合唱団(1986)
《プーランク》
・グローリア、スターバト・マーテルwithキャスリーン・バトル、タングルウッド祝祭合唱団(1987)
・田園のコンセールwithトレヴァー・ピノック(1991ライヴ)
・オルガン協奏曲withサイモン・プレストン(オルガン)、エヴェレット・ファース(ティンパニ)(1991ライヴ)
《フランク》
・交響曲ニ短調(1991)
《その他》
・シャブリエ:スペイン、グノー:ファウスト、トーマス:ミニョン、オッフェンバック:パリの喜び(1986)
〔第3グループ〕
《アイヴス》
・交響曲第4番、宵闇のセントラル・パーク(1976)
《ブラームス》
・交響曲第1番(1977)、第2番(1975)
《マーラー》
:交響曲第1番(1977)
《レスピーギ》
・ローマの松、ローマの祭り、ローマの噴水(1977)
・古風な舞曲とアリア(第1-3組曲)(1978)
〔第4グループ〕
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番『皇帝』withエッシェンバッハ(1973)
・グラズノフ:吟遊詩人の歌、ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番withロストロポーヴィチ(1975)
・デ・ファリャ:三角帽子withテレサ・ベルガンサ(1976)
・リムスキー=コルサコフ:シェエラザードwithジョセフ・シルヴァースタイン(1976)
・モーツァルト:クラリネット協奏曲K.622、ファゴット協奏曲K.191 withハロルド・ライト(クラリネット)、シャーマン・ウォルト(ファゴット)(1978)、
・ベルグ:ヴァイオリン協奏曲『ある天使の思い出』、ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ調withパールマン(1978)
・リスト:ピアノ協奏曲第1番、第2番、死の舞踏withツィメルマン(1987)
・モレ:夢の中へwithムター(1991)
・メンデルスゾーン:夏の夜の夢withバトル(ソプラノ)、フレデリカ・フォン・シュターデ(メッゾ・ソプラノ)、ジュディ・デンチ(語り手)、タングルウッド祝祭合唱団(1992)
・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番、シューマン:チェロ協奏曲(ヴァイオリン編) withクレーメル(1992)
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番、第2番withツィメルマン(1997年、2000)
《その他》
・ロッシーニ:歌劇『セミラーミデ』序曲(1976)、パガニーニ:常動曲(1978)
・武満徹:カトレーン、鳥は星形の庭に降りる(1977、1978)
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➡ 小澤征爾の名演
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