金曜日, 11月 26, 2021

小澤征爾の名盤探訪 ウィーン・フィル編 Seiji Ozawa


 










【ウィーン・フィル】

 

・ドヴォルザーク:交響曲第8番(1992)、 第9番(1991)、交響詩《真昼の魔女》序曲(1992)、《自然の中で》(1991

R=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》、序曲《ロシアの復活祭》(1993

R.シュトラウス:アルプス交響曲、ヨハネ騎士修道会の荘重な入場 AV103、ウィーン・フィルハーモニーのためのファンファーレ AV1091996

・ブラームス:交響曲第2番(2000、パリ、ライヴ)

J.シュトラウスII世ほか:ニューイヤー・コンサート2002 200211日 ウィーン/ライヴ)

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未来への希望を感じさせる小澤ならではの解釈 (amazon.co.jp)

溌剌とし、音楽が生き生きと躍動する「新世界から」である。第2楽章ラルゴがとても良い。ゆったりとした落ち着きのなか、心理の綾まで表現しようとするような演奏で、メロディが心に浸透してくる。けっして昏くはならず、遠くへの淡い憧憬を感じさせながらも細かい起伏もつけた表現ぶりは見事である。ウィーン・フィルは指揮者の要求に応えつつも伸び伸びと臨場している。こうした流儀でウィーン・フィルから充実した響きを引き出すことができるのだから小澤征爾の技量はたいしたものである。このオケとの息遣いあればこそ、翌年、小澤がウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任したのもさもありなんと思う。
第1楽章、第3楽章の解釈はオーソドックスで、控えめな印象もあるが、終楽章はメリハリを利かせたリズミックな演奏。哀愁はあまり感じさせないが、その分、未来への希望のような感興が込められているようにも感じる。気持ちのよい聴後感があろう。

織工Ⅲ 拾遺集 小澤征爾の芸術1~25  目次 (fc2.com)

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