【チャイコフスキー】
・交響曲第4番 パリ管(1970)、BFO(1988)
・交響曲
第5番 BSO(1977)、BFO(1989)
・交響曲
第6番《悲愴》BSO(1986)、SKO(1995年9月 松本)
・バレエ《白鳥の湖》全曲 BSO(1978)
・バレエ《くるみ割り人形》全曲 BSO(1990)
・バレエ《眠りの森の美女》組曲
BSO(1990)
・イタリア奇想曲 BFO(1988)
・大序曲《1812年》 BFO(1992)
・幻想序曲《ロメオとジュリエット》SSO(1972)
・弦楽セレナード
ハ長調 作品48 SKO(1992年
松本)
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● チャイコフスキー:交響曲第4番
パリ管弦楽団
小澤征爾(指揮)
録音時期:1970年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
制作レーベル:EMI
サル・ワグラムで録音された当時のパリ管弦楽団の特徴でもある中間色豊かなサウンドが、第2楽章など抒情的な部分にユニークな彩りを添えています。若いだけに快速部分も率直でエネルギッシュ、持って回った表現など皆無の心地良さも印象的。
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小澤征爾&パリ管 突き進むような演奏スタイル (amazon.co.jp)
オーケストラを鳴らす、という言い方からすれば、良く鳴る演奏は指揮者との相性がいいことの証左と言ってもいいかも知れない。チャイコフスキーの第4番冒頭、有名なファンファーレからパリ管が存分に鳴っていると感じるのは好録音のせいだけではないだろう。
パリ管とのこの演奏で、小澤は金管をやや強めに打ち出している。テンポは可変的で抑揚も大胆につけている。第2楽章、弦楽器と木管からチャイコフスキーらしい魅力的なファンタジアも十分に引き出している。また、全曲を通して左右に配置した金管を効果的に使い、けっして一本調子にならずに音楽が特有のうねりをもって迫ってくる。
その一方、チャイコフスキーに纏わる特有のメランコリーはあまり感じないし、落ち着いた雰囲気はここにはない。旧来の解釈にとらわれず、スコア重視の純音楽的なアプローチで突き進むような演奏スタイルに好みは分かれるかも知れないが、1970年の録音以降、いまだパリ管との誉れ高き名盤である事実はかわらない。
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