寂しいことに、小澤征爾の本格的なBOXセットは海外発が多く、日本での販売は単発ものか、本集のような”カタログ集”的なものが主流。さらに、レビューは真率で高度なものがある一方、一部には“聴かず印象批判”がかなり蔓延しているようにも思う。
そうした中で、あくまでも小澤の名盤選びという観点から以下、本集をチェックしてみる。なお、本集には現代音楽と協奏曲は入っていない点は留意。
<収録情報>
〔摘要〕
サイトウ・キネン・オーケストラSKO
水戸室内管弦楽団MCO
ボストン交響楽団BSO
≪第1グループ≫
【J.S. バッハ】
・トッカータとフーガ BWV565(ストコフスキー編)BSO(1990年4月 ボストン)
・G線上のアリア(管弦楽組曲 第3番~エア)SKO(2010年9月 松本)
・ミサ曲
ロ短調から SKO(2000年8月 松本)
・マタイ受難曲から SKO(1997年9月 松本)
【モーツァルト】
・《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》
~第1楽章 SKO(1992年9月 松本)
・ディヴェルティメントK.136~第1楽章 SKO(1992年9月 松本)
【ベートーヴェン】
・交響曲
第3番 《英雄》~第3楽章 SKO(1997年4月 ウィーン)
・交響曲
第5番《運命》~第1楽章 SKO(2000年 松本)
・交響曲
第9番《合唱》~第4楽章終結部 SKO(2002年9月 松本)
【シューベルト】
・交響曲
第8番 《未完成》~第2楽章 SKO(1993年9月 松本)
【メンデルスゾーン】
・劇音楽《真夏の夜の夢》~結婚行進曲 BSO(1992年10月 ボストン)
【ブラームス】
・交響曲
第1番~第3楽章 SKO(1990年8月 ベルリン)
・交響曲
第3番~第3楽章 SKO(1991年9月 オランダ、ナイメヘン)
・ハンガリー舞曲
第1番 SKO(1990年8月 ベルリン)
・ハンガリー舞曲
第5番 SKO(1989年9月 ベルリン)
【ワーグナー】
・楽劇《トリスタンとイゾルデ》~愛の死 ベルリン・フィル(1989年6月 ベルリン)
【R.シュトラウス】
・交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》~日の出(冒頭)BSO(1981年12月 ボストン)
・楽劇《サロメ》~サロメの踊り シュターツカペレ・ドレスデン(1990年11月 ドレスデン)
・ウィーン・フィルハーモニーのためのファンファーレ ウィーン・フィル(1996年3月 ウィーン)
【J.シュトラウスI世、II世、ヨーゼフ・シュトラウス】
・アンネン・ポルカ、常動曲、
ポルカ・シュネル《大急ぎで》、《おしゃべりな可愛いお口》、ラデツキー行進曲 ウィーン・フィル(2002年1月 ウィーン)
≪第2グループ≫
【ベルリオーズ】
・劇的物語《ファウストの劫罰》~ハンガリー行進曲BSO(1973年10月 ボストン)
・幻想交響曲~第4楽章 SKO(2007年9月 松本)
【ラヴェル】
・道化師の朝の歌 SKO(2009年9月 松本)
・歌劇《こどもと魔法》~ご機嫌いかが? SKO(2013年8月 松本)
・亡き王女のためのパヴァーヌ SKO(2007年9月 松本)
・組曲《クープランの墓》~リゴードン BSO(1974年10月 ボストン)
・バレエ《マ・メール・ロワ》~第3場 BSO(1974年10月 ボストン)
・スペイン狂詩曲~祭り BSO(1974年3月 ボストン)
・バレエ《ダフニスとクロエ》~全員の踊り BSO(1974年10月 ボストン)
【フォーレ】
・組曲《ドリー》~子守歌(フォーレ/ラボー編)BSO(1986年11月 ボストン)
・劇音楽《ペレアスとメリザンド》~糸を紡ぐ女、シシリエンヌ BSO(1986年11月 ボストン)
・夢のあとに(フォーレ/デュベンスキー編)BSO(1986年11月 ボストン)
【ビゼー】
・歌劇《カルメン》~第1幕への前奏曲、闘牛士の歌 フランス国立管(1988年7月 パリ)
・交響曲~第3楽章 MCO(1995年6月 水戸)
【シャブリエ】
・狂詩曲《スペイン》BSO(1986年11月 ボストン)
【オッフェンバック】
・バレエ《パリの喜び》~舟歌 BSO(1986年11月 ボストン)
≪第3グループ≫
【チャイコフスキー】
・交響曲
第5番 ~第3楽章 ベルリン・フィル(1989年4月 ベルリン)
・交響曲
第6番《悲愴》~第3楽章 SKO(1995年9月 松本)
・バレエ《くるみ割り人形》~序曲、行進曲、トレパーク(ロシアの踊り)、花のワルツ BSO(1990年12月 ボストン)
・バレエ《白鳥の湖》~ワルツ、情景、羽の白鳥の踊り、チャルダーシュ BSO(1978年11月 ボストン)
・バレエ《眠りの森の美女》
組曲~ワルツ BSO(1990年12月 ボストン)
・弦楽セレナードから SKO(1992年 松本)
【R=コルサコフ】
・交響組曲
《シェエラザード》~第3楽章 ウィーン・フィル(1993年4月 ウィーン)
・スペイン奇想曲~第1曲 SKO(1994年9月 松本)
【プロコフィエフ】
・バレエ《ロメオとジュリエット》~第13曲 BSO(1986年10月 ボストン)
・交響曲
第1番《古典》~第3楽章 ベルリン・フィル(1989年4月 ベルリン)
・組曲
《キージェ中尉》 作品60~トロイカ ベルリン・フィル(1990年11月 ベルリン)
【ストラヴィンスキー】
・バレエ《春の祭典》~大地の踊り BSO(1979年12月 ボストン)
・バレエ組曲《プルチネルラ》~
シンフォニア MCO(1996年10月 水戸)
【ドヴォルザーク】
・交響曲
第9番《新世界より》~第3楽章 ウィーン・フィル(1991年5月 ウィーン)
・弦楽セレナード~第1楽章 SKO(1999年
松本)
【バルトーク】
・弦楽のためのディヴェルティメント~第3楽章 SKO(1996年9月 松本)
・管弦楽のための協奏曲~第5楽章 SKO(2004年9月 松本)
≪第4グループ≫
【レスピーギ】
・リュートのための古風な舞曲とアリア
第3組曲~シチリアーナ BSO(1975年10月 ボストン)
・交響詩《ローマの噴水》~朝のトリトーネの噴水 BSO(1977年10月 ボストン)
・交響詩《ローマの祭り》~主顕祭 BSO(1977年10月 ボストン)
・交響詩《ローマの松》~アッピア街道の松 BSO(1977年10月 ボストン)
【ファリャ】
・バレエ《三角帽子》~終幕の踊り(ホタ)BSO(1976年10月 ボストン)
【ホルスト】
・組曲《惑星》~木星 BSO(1979年12月 ボストン)
【オルフ】
・《カルミナ・ブラーナ》~おお、フォルトゥナ、踊らんかな ベルリン・フィル(1988年6月 ベルリン)
【バーンスタイン】
・《ウェスト・サイド・ストーリー》~サムウエア、マンボ サンフランシスコ響(1972年6月 カリフォルニア、カパティーノ)
【スーザ】
・行進曲《星条旗よ永遠なれ》 BSO(1979年4月 ボストン)
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1993年までの約20年の年代別の整理
【1972年】
・《ウェスト・サイド・ストーリー》(バーンスタイン、1972年6月 カリフォルニア、カパティーノ)
【1973年】
・劇的物語《ファウストの劫罰》(1973年10月 ボストン)
【1974年】
〔ラヴェル集〕
・スペイン狂詩曲(1974年3月 ボストン)
・組曲《クープランの墓》、バレエ《マ・メール・ロワ》、バレエ《ダフニスとクロエ》(1974年10月 ボストン)
★『ボレロ』、『ラ・ヴァルス』(1974年3月、4月 ボストン)
★チャイコフスキー:『くるみ割り人形』組曲、『眠りの森の美女』組曲 パリ管弦楽団(1974年2月25-27日 パリ、サル・ワグラム)
【1975年】
・リュートのための古風な舞曲とアリア(レスピーギ、1975年10月 ボストン)
〔録音年:1977年3月(1-4)、1978年4月(5-8)、1975年10月(9-12)で完成は1978年4月〕
★ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』サンフランシスコ交響楽団(1975年5月)
【1976年】
・バレエ《三角帽子》
テレサ・ベルガンサ(メッゾ・ソプラノ)(1976年10月 ボストン)
【1977年】
・交響詩《ローマの噴水》、《ローマの祭り》、《ローマの松》(1977年10月 ボストン)
★ブラームス:交響曲 第1番(1977年3月、4月 ボストン)
★マーラー: ・交響曲全集(No.1–10)(1977-90)、亡き子をしのぶ歌(1988) |
【1978年】
・バレエ《白鳥の湖》(1978年11月 ボストン)
【1979年】
★シェーンベルク:グレの歌
ジェシー・ノーマン(ソプラノ)、タティアナ・トロヤノス(アルト)、ジェイムズ・マクラッケン(テノール)、キム・スコウン(テノール)、デイヴィッド・アーノルド(バリトン)、ヴェルナー・クレンペラー(語り)、タングルウッド祝祭合唱団、ボストン交響楽団
(1979年3月30日-4月3日 ボストン、シンフォニー・ホール/ライヴ)
・組曲《惑星》(1979年12月 ボストン)
・バレエ《春の祭典》(1979年12月 ボストン)
【1981年】
・交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》(1981年12月 ボストン)
【1984年】
★〔チャイコフスキー管弦楽集〕
・大序曲『1812年』、『スラヴ行進曲』、『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ、『フランチェスカ・ダ・リミニ』(1984年、ベルリン、フィルハーモニー)
【1986年】
〔フォーレ集〕
・劇音楽《ペレアスとメリザンド》(1986年11月 ボストン)
・組曲《ドリー》
作品56~I.子守歌(ラボー編、1986年11月 ボストン)
・夢のあとに
作品7の1(デュベンスキー編、1986年11月 ボストン)
・狂詩曲《スペイン》(シャブリエ、1986年11月 ボストン)
・バレエ《パリの喜び》(オッフェンバック/ロザンタール編、1986年11月 ボストン)
・バレエ《ロメオとジュリエット》(プロコフィエフ、1986年10月 ボストン)
・交響曲 第2番《復活》キリ・テ・カナワ(ソプラノ)、マリリン・ホーン(メッゾ・ソプラノ)、タングルウッド祝祭合唱団 (合唱指揮:ジョン・オリヴァー)(1986年12月 ボストン)
【1987年】
★オネゲル:火刑台のジャンヌダルク
★プーランク:グローリア、スターバト・マーテル
キャスリーン・バトル(ソプラノ)、タングルウッド祝祭合唱団(合唱指揮: ジョン・オリヴァー)ボストン交響楽団(1987年10月)
【1988年】
・《カルミナ・ブラーナ》晋友会合唱団(合唱指揮:関屋晋)(1988年6月 ベルリン)
・歌劇《カルメン》組曲(1988年7月 パリ)
【1989年】
・交響曲
第1番 《古典》(1989年4月
ベルリン)
・交響曲
第5番(チャイコフスキー、1989年4月 ベルリン)
・楽劇《トリスタンとイゾルデ》~愛の死(ワーグナー)(1989年6月 ベルリン)
★プロコフィエフ: ・交響曲全集(1989~1992)、交響組曲『キージェ中尉』シュミット(Br)(1990) |
【1990年】
★R.シュトラウス:歌劇《サロメ》全曲
サロメ:ジェシー・ノーマン(ソプラノ)
ヨカナーン:ジェイムズ・モリス(バス・バリトン)
ヘロデ:ヴァルター・ラファイナー(テノール)
ヘロディアス:ケルスティン・ヴィット(メッゾ・ソプラノ)
ナラボート:リチャード・リーチ(テノール)
小姓:アンネッテ・マルカート(メッゾ・ソプラノ)他
シュターツカペレ・ドレスデン(1990年11月14-24日、ドレスデン、ルカ教会)
・トッカータとフーガ
ニ短調 BWV565(J.S.バッハ/ストコフスキー編)(1990年4月 ボストン)
・交響曲
第5番(マーラー、1990年10月
ボストン)
・組曲
《キージェ中尉》 (1990年11月 ベルリン)
・バレエ《くるみ割り人形》、《眠りの森の美女》組曲(1990年12月 ボストン)
【1991年】
・交響曲 第9番《新世界より》(1991年5月 ウィーン)
【1992年】
・劇音楽《真夏の夜の夢》(メンデルスゾーン、1992年10月 ボストン)
【1993年】
・交響組曲 《シェエラザード》(R.コルサコフ、1993年4月 ウィーン)
➡ 小澤征爾の名演
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