土曜日, 1月 21, 2012

ポリーニⅨ






Claude Debussy (1862 - 1918)

Preludes, Book 1

演奏者 : Pollini, Maurizio (Piano)

時間: 37:32 録音場所: 06/1998, Hercules Hall, Munich, Germany [Studio]


Claude Debussy (1862 - 1918)

L'isle joyeuse

演奏者 : Pollini, Maurizio (Piano)

時間: 5:41 録音場所: 06/1998, Hercules Hall, Munich, Germany [Studio]


Claude Debussy (1862 - 1918)

Etudes (12) for Piano

演奏者 : Pollini, Maurizio (Piano)

録音場所: 10/1992, Teatro Comunale, Ferrara, Italy [Studio]


ポリーニはドビュッシーにも自信をもっている。ドビュッシーの分析的な音列や乾いたニュアンスのつけかたに共感をもっているからだろう。だが、ドビュッシーに関する限り、ポリーニ・ファンでも評価は以前から分かれている。とくに弱音部の線病的な深い表現に魅力を感じる向きには、ポリーニのメタフィジックに響くアプローチは単調に聴こえ違和感を抱くようだ。

 ポリーニは、ピアノを通じて20世紀音楽の<共通項>を表現しようとしているのではないかと感じることがあるが、それは批判者、反対派の存在も当然前提となる、抽出しにくい<多様性>なのかも知れない。

ポリーニⅧ




Ludwig van Beethoven (1770 - 1827) 

Sonata for Piano no 32 in C minor, Op. 111

演奏者 : Pollini, Maurizio (Piano)

時間: : 録音場所: 1975-77, [Studio] 



  ベートーヴェンの後期ソナタ集は、バックハウスやケンプといった大家が枯淡の境地で表現しうるものといった、これまでの通り相場をひっくり返したようなポリーニの演奏。すべての音がクリアに響き、ベートーヴェンのもつ構造力がくっきりと浮かび上がる気がする。いま見ている建築物の図面を示して解説してくれる優秀な建築家のような感じ。

ポリーニⅦ




Frederic Chopin (1810 - 1849) 

Etudes (12) for Piano, Op. 25

録音場所:01,05/1972, Herkules Saal, Residenz, Munich [Studio] 

 

 エチュード集はOp.1025の2種類とも録音がある。ポリーニの魅力のひとつにその硬質な叙情性がある。高校生の頃、真のロマンティズムとは、克己心をもって新しいものに挑戦していくこと、という文章を読んで共感した。安易なセンティメンタリズムとは一線を画するこの真のロマンティズムをもって、硬質な叙情性は表現が可能となるのだろう。ショパンが書き、ポリーニは見事にそれを現代に蘇らせている。

 

ポリーニⅥ





 Igor Stravinsky (1882 - 1971) 

Petrouchka: Three movements for Piano

演奏者 : Pollini, Maurizio (Piano)

時間: 15:19 録音場所: 09/1971, Herkules Saal, Residenz, Munich [Studio] 



  Anton von Webern (1883 - 1945) 

Variations for Piano, Op. 27

演奏者 : Pollini, Maurizio (Piano)

時間: 6:2 録音場所: 07/1976, Herkules Saal, Residenz, Munich [Studio] 



   ポリーニの20世紀音楽集。出たときはいかにも現代音楽という気がしたが、いまのリスナーにとっては、とうに古典としての扱いかも知れない。しかし、この色彩感覚の鮮やかさはいま聴いても、少しも古さを感じない。1970年代、ポリーニの時代を象徴するメモリアルである。


クレンペラー ボックスセット




 クレンペラー、ヨーロッパ復帰後、最盛期のモノラル録音集。多くはその後、フィルハーモニーとのステレオ再録があるので<超廉価盤扱い>である。しかし、内容の充実は別だ。本集は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームスの主要作品についての195460年の録音で、ライヴが多く楽しめる。この時期のクレンペラーは晩年の遅いテンポ設定ではなく、音楽の構えが大きく、全般に快速で切れ味のよいシャープ&クリアな解釈に特色がある。ケルン放送交響楽団はこの巨匠によく追随しており乱れが少ないプロ好みの楽団である。

 ブルックナーの3曲入手が目的で購入したが、内燃的で感情のべとつかないベートーヴェンもすっきりと均整がとれていて実に見事な演奏。録音もクリアで聴きやすい。一切の解説書なしのぶっきらぼうな10枚の簡素なボックスセットも、ある意味、クレンペラーらしくて良いのでは・・・。



【収録情報】

CD1:ブラームス:交響曲第1番(1955年、ライヴ)、同交響曲第3番(※1、1959年)

CD2:ブルックナー:交響曲第4番(1954年、ライヴ)

CD3:ブルックナー:交響曲第7番(※2、1958年、ライヴ)

CD4:ブルックナー:交響曲第8番(1957年、ライヴ)

CD5:ベートーヴェン:交響曲第1番(※1、1960年、ライヴ)、同第3番『英雄』(1954年、ライヴ)

CD6:ベートーヴェン:交響曲第2番(※1、1960年、ライヴ)、同第7番(※1、1955年)

CD7:ベートーヴェン:交響曲第4番(1954年、ライヴ)、同第8番(※1、1960年、ライヴ)、同:劇音楽『エグモント』より、序曲、太鼓は響く、喜びでいっぱい、クレールヒェンの死、(ソプラノ)ビルギット・ニルソン、(※1、1957年)

CD8:ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』(※1、1955年)、同交響曲第6番『田園』(※1、1960年、ライヴ)

CD9:ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』、マリア・シュターダー(ソプラノ)、グレース・ホフマン(アルト)、ヴァルデマール・クメント(テノール)、 ハンス・ホッター(バス・バリトン)、ケルン放送合唱団、北ドイツ放送合唱団

1958年、ライヴ)

CD10:ブラームス:ピアノ協奏曲第2番、ゲザ・アンダ(ピアノ)(1954年、ライヴ)、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番、レオン・フライシャー(ピアノ)(1956年、ライヴ)



以上のオケは記載がないものは、ケルン放送交響楽団

※1:フィルハーモニア管弦楽団、※2:ウィーン交響楽団
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B005DCMVOI/ref=cm_cr_error

金曜日, 1月 20, 2012

クレンペラー ブルックナー 交響曲第8番

Symphony No 8

【以下は引用】

HMV レビュー


ついに正規盤で登場!
クレンペラー&ケルンのブル8ライヴ

WDRアーカイヴからの復刻。スタジオ盤では大胆なカットも辞さなかったクレンペラー
のブル8ですが、ケルン放送響との57年のライヴではノーカットで演奏。にもかかわらず
全曲で72分弱と快速テンポを採用、心身ともに壮健だった時期ならではの充実ぶりが
聴き取れます。
正規マスター使用のため、モノラルながら良い音質で味わえるのがなによりのポイント
といえるでしょう。(キングインターナショナル)

・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
ケルン放送交響楽団
オットー・クレンペラー(指揮)
録音時期:1957年6月7日(ライヴ、モノラル)
録音場所:ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール

クレンペラー ブルックナー 交響曲第7番

Symphony No.7
【以下は引用】

HMV レビュー

クレンペラーのブルックナー第7番
ウィーン交響楽団とのライヴが登場!


1958年2月23日、各紙で絶賛されたコンサートのライヴ録音の登場。今回が初出となる
音源で、音質に関する情報はまだありませんが、モノラルとはいえ、クレンペラー好きに
は気になる存在です。
クレンペラーによるブルックナー第7番のCDは、1956年のバイエルン放送響とのライヴ盤、
1958年のベルリン・フィルとのライヴ盤、1960年のフィルハーモニア管とのセッション盤、
1966年の北ドイツ放送響とのライヴ盤の4種類が知られており、クールな感触で造形美の
極致をみせるフィルハーモニア盤を筆頭に、どれも立派な演奏内容となっていました。
50年代のクレンペラーというと、VOX時代のあまりにも速くドライ過ぎるセッション録音の
イメージが強いようです。しかしクレンペラーは、モントリオール空港でタラップから転落して
大怪我をしてからは、椅子に座って指揮をするようになり、結果として、1954年以降はかつ
てのような快速アプローチは影を潜め、その芸風は冷静なコントロールの効いたバランスの
良いスタイルに変化しています。
そのため、力強さや緊張感のいっそうの向上が認められ、造形的な打ち出しの強さも比類が
無いという、まさに精神面・体力面でベストと思われる状態に達するのですが、これも長くは
続かず、1958年秋には、例の「寝タバコ全身大やけど重体事件」を起こしてしまい、しばらくは
指揮棒も持てなくなるなどという困難な状況に追い込まれてしまいます。 つまり、1954年から
1958年までの5年間は、クレンペラーにとって、たいへんバランスの取れた演奏をすることが
可能だった時期にあたるわけですが、今回のブルックナーの交響曲第7番は、1958年2月の
録音ということなので、クレンペラー充実期の演奏を味わうことができそうです。参考までに
5種類の録音の演奏時間を記しておきます。

1956 17:55 19:21 09:08 12:41 59:05 バイエルン放送響(ライヴ)
1958 18:11 19:42 09:01 12:23 59:17 ウィーン響(ライヴ)
1958 19:08 19:16 09:31 12:29 60:24 ベルリン・フィル(ライヴ)
1960 19:49 21:49 09:36 13:39 64:53 フィルハーモニア管(セッション)
1966 19:45 21:04 09:39 13:25 63:53 北ドイツ放送響(ライヴ)

【収録情報】
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB.107(ノヴァーク版)
ウィーン交響楽団
オットー・クレンペラー(指揮)

録音時期:1958年2月23日(モノラル)

クレンペラー ブルックナー 交響曲第4番

【以下は引用】

HMV レビュー

英国発のヒストリカルの雄“BBC LEGENDS”、“Royal Opera House Heritage Series”をその傘下に収めたMedici mediaが、強力なレーベルを新たに始動します。その名もmedici MASTERS(メディチ・マスターズ)。
ケルン放送交響楽団をはじめとする極上ライヴの宝庫WDRのアーカイヴより、蔵出し音源の数々を続々とリリースしてゆく予定で目が離せません。

MM 001
剛毅にして引き締まったフォルム
クレンペラー、ケルン時代のブル4 &ドン・ファン

1917年から24年にかけてクレンペラーはケルンの音楽監督を務めていますが、戦後ヨーロッパに戻って1950年代半ばにまたケルン放送響とともに数多くのすばらしい演奏を繰り広げました。ベートーヴェンの第4番と第5番(AN.2130)でも確かめられるように、この時期のクレンペラーの音楽は引き締まったフォルムが何よりの特徴。ブルックナーは過去に複数のレーベルから出ていた有名な演奏で、のちのフィルハーモニア管との録音と比較しても全体に4分半ほど短くテンポが速め。併録のドン・ファンも男性的で剛毅なアプローチが魅力です。オリジナル・マスター・テープを使用。

・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(ノヴァーク第2稿)
ケルン放送交響楽団
オットー・クレンペラー(指)
録音時期:1954年4月5日(モノラル)
録音場所:ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール(ライヴ)