シノーポリで以下のサロメを聴いている。サロメの人格のみならず、音楽そのものの作り方が、美しく上品な面とおどろおどろしく妖艶な面を巧みに均衡、共存させている。その匠の演奏は見事の一言に尽きる。こういう演目でのシノーポリの分析力、構築力はなんとも凄い。
(いま聴いている演奏)HMV レビューから引用
シノーポリ/『サロメ』全曲
1990年、シノーポリがベルリン・ドイツ・オペラを指揮したライヴが待望の復活。主役サロメに同役のスペシャリスト、マルフィターノを向かえ、ヘロディアス役にリザネク、ヘロデ役にヒースターマン、ヨハナーン役にエステスと、きわめて充実したキャストも話題を呼んだものです。演出は、ユニテル製作のオペラ映画の監督としても知られているペトル・ヴァイグレです。
・R.シュトラウス:楽劇『サロメ』全曲
キャサリン・マルフィターノ(S:サロメ)
ホルスト・ヒースターマン(T:ヘロデ)
レオニー・リザネク(M:ヘロディアス)
サイモン・エステス(B:ヨハナーン)
クレメンス・ビーバー(T:ナラボート)
カミール・カバッソ(M:小姓)、他
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
演出:ペトル・ヴァイグレ
美術:ヨゼフ・スヴォボダ
衣装:ヨゼフ・イェリネク
振付:ベルント・シンドウスキ
収録:1990年4月 ベルリン・ドイツ・オペラ[ライヴ]
収録時間:109分
(参考)あらすじ
【全1幕】
時は西暦30年頃、舞台はイェルサレムのヘロデ王の宮殿。サロメは王妃ヘロディアスの娘で、ユダヤ王ヘロデは義父にあたります。このヘロデというユダヤ王は、サロメの実の父でもある兄を殺し、ヘロディアスを自らの妻としていました。
宴の席で、ヘロデ王にいやらしい目つきで見つめられていたサロメは、満月に照らされたテラスに逃れてきました。すると、テラスの地下から不気味な声が聞こえます。ヘロデ王によって隠し井戸に幽閉されていた預言者ヨハナーンの声でした。
この声に興味を持ったサロメは、若い衛兵隊長ナラボートに隠し井戸のフタを開けるよう命じます。王から禁じられているにもかかわらず、ナラボートはサロメの妖艶な美しさに心を奪われ、ヨハナーンを外に出してしまいました。
しかし、井戸から出てきたヨハナーンはサロメの母ヘロディアスの近親婚の罪をとがめるだけで、サロメの誘いには目もくれません。サロメがくちづけを求めると、ヨハナーンは呪われよと言い捨て井戸の底へと戻っていきました。
サロメのことを追ってヘロデ王がテラスに出てきて、その後を妻ヘロディアスが続きます。地下からはヨハナーンがヘロディアスを非難する声が聞こえてきますが、気にする妻を尻目にヘロデ王はその声に耳を傾けません。それどころか、ヘロデ王の目は常にサロメに注がれ、サロメに踊ってみせよと命じます。サロメは始めは断っていましたが、ヘロデ王に踊りをみせれば望みのものをやろうと言われると、サロメは「七つのヴェールの踊り」を披露しました。
満足したヘロデ王が、望みは何だと尋ねると、サロメはヨハナーンの首がほしいと言い出します。その言葉に喜ぶ母ヘロディアス。それに対し、聖者を殺すことを恐れたヘロデ王はやめさせようと説得しますが、サロメの望みは変わりません。
銀の皿の上にのせられたヨハナーンの首を持ち上げ、くちづけをするサロメ。その有様を見ていたヘロデ王は兵士達にサロメを殺すように命じたのでした。
【1】 R.シュトラウスの出世作
それまで管弦楽曲や歌曲の分野、また、オペラハウスの指揮者として活躍していたR.シュトラウスは、ワーグナーに影響されて作曲した『グントラム』『火難』という2つのオペラの次に、この『サロメ』を発表しました。このオペラは初演から大きな反響を呼びます。
このときR.シュトラウスは41才。その後、次々とオペラ史に残る作品を書き上げ、オペラ作曲家としての地位を築き上げます。
【2】 スキャンダラスな作品
原作のオスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』は、フランス語で出版され、その後、ワイルドの同性愛者の手で英訳されましたが、その作品の不道徳さとワイルド自身のスキャンダルのせいもあって、イギリスではなかなか上演されませんでした。
ドイツ語訳をオペラにしたR.シュトラウスの作品も同様に、当初予定されていたウィーンでの初演はできませんでした。
当時、ウィーン国立歌劇場の音楽総監督だったマーラーが奔走したにもかかわらず、ウィーンで上演されたのは初演から10年以上もあとのことでした。
【3】 物議を醸すサロメの踊り
オペラの中では、サロメが踊る「七つのヴェールの踊り」の場面が有名で、サロメ役のソプラノ歌手が裸になるほど過激な演出もあることから、初演以来100年経った現在でも物議を醸しています。
例えば、2000年に新国立劇場でこのオペラが初演されたときは、スポーツ新聞にも取り上げられました。
サロメは約10分間踊ったあとに長大なモノローグを歌わなければならず、サロメ役を演じきるのは至難の業です。
http://www.geocities.jp/wakaru_opera/salome.html
(いま聴いている演奏)HMV レビューから引用
シノーポリ/『サロメ』全曲
1990年、シノーポリがベルリン・ドイツ・オペラを指揮したライヴが待望の復活。主役サロメに同役のスペシャリスト、マルフィターノを向かえ、ヘロディアス役にリザネク、ヘロデ役にヒースターマン、ヨハナーン役にエステスと、きわめて充実したキャストも話題を呼んだものです。演出は、ユニテル製作のオペラ映画の監督としても知られているペトル・ヴァイグレです。
・R.シュトラウス:楽劇『サロメ』全曲
キャサリン・マルフィターノ(S:サロメ)
ホルスト・ヒースターマン(T:ヘロデ)
レオニー・リザネク(M:ヘロディアス)
サイモン・エステス(B:ヨハナーン)
クレメンス・ビーバー(T:ナラボート)
カミール・カバッソ(M:小姓)、他
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
演出:ペトル・ヴァイグレ
美術:ヨゼフ・スヴォボダ
衣装:ヨゼフ・イェリネク
振付:ベルント・シンドウスキ
収録:1990年4月 ベルリン・ドイツ・オペラ[ライヴ]
収録時間:109分
(参考)あらすじ
【全1幕】
時は西暦30年頃、舞台はイェルサレムのヘロデ王の宮殿。サロメは王妃ヘロディアスの娘で、ユダヤ王ヘロデは義父にあたります。このヘロデというユダヤ王は、サロメの実の父でもある兄を殺し、ヘロディアスを自らの妻としていました。
宴の席で、ヘロデ王にいやらしい目つきで見つめられていたサロメは、満月に照らされたテラスに逃れてきました。すると、テラスの地下から不気味な声が聞こえます。ヘロデ王によって隠し井戸に幽閉されていた預言者ヨハナーンの声でした。
この声に興味を持ったサロメは、若い衛兵隊長ナラボートに隠し井戸のフタを開けるよう命じます。王から禁じられているにもかかわらず、ナラボートはサロメの妖艶な美しさに心を奪われ、ヨハナーンを外に出してしまいました。
しかし、井戸から出てきたヨハナーンはサロメの母ヘロディアスの近親婚の罪をとがめるだけで、サロメの誘いには目もくれません。サロメがくちづけを求めると、ヨハナーンは呪われよと言い捨て井戸の底へと戻っていきました。
サロメのことを追ってヘロデ王がテラスに出てきて、その後を妻ヘロディアスが続きます。地下からはヨハナーンがヘロディアスを非難する声が聞こえてきますが、気にする妻を尻目にヘロデ王はその声に耳を傾けません。それどころか、ヘロデ王の目は常にサロメに注がれ、サロメに踊ってみせよと命じます。サロメは始めは断っていましたが、ヘロデ王に踊りをみせれば望みのものをやろうと言われると、サロメは「七つのヴェールの踊り」を披露しました。
満足したヘロデ王が、望みは何だと尋ねると、サロメはヨハナーンの首がほしいと言い出します。その言葉に喜ぶ母ヘロディアス。それに対し、聖者を殺すことを恐れたヘロデ王はやめさせようと説得しますが、サロメの望みは変わりません。
銀の皿の上にのせられたヨハナーンの首を持ち上げ、くちづけをするサロメ。その有様を見ていたヘロデ王は兵士達にサロメを殺すように命じたのでした。
【1】 R.シュトラウスの出世作
それまで管弦楽曲や歌曲の分野、また、オペラハウスの指揮者として活躍していたR.シュトラウスは、ワーグナーに影響されて作曲した『グントラム』『火難』という2つのオペラの次に、この『サロメ』を発表しました。このオペラは初演から大きな反響を呼びます。
このときR.シュトラウスは41才。その後、次々とオペラ史に残る作品を書き上げ、オペラ作曲家としての地位を築き上げます。
【2】 スキャンダラスな作品
原作のオスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』は、フランス語で出版され、その後、ワイルドの同性愛者の手で英訳されましたが、その作品の不道徳さとワイルド自身のスキャンダルのせいもあって、イギリスではなかなか上演されませんでした。
ドイツ語訳をオペラにしたR.シュトラウスの作品も同様に、当初予定されていたウィーンでの初演はできませんでした。
当時、ウィーン国立歌劇場の音楽総監督だったマーラーが奔走したにもかかわらず、ウィーンで上演されたのは初演から10年以上もあとのことでした。
【3】 物議を醸すサロメの踊り
オペラの中では、サロメが踊る「七つのヴェールの踊り」の場面が有名で、サロメ役のソプラノ歌手が裸になるほど過激な演出もあることから、初演以来100年経った現在でも物議を醸しています。
例えば、2000年に新国立劇場でこのオペラが初演されたときは、スポーツ新聞にも取り上げられました。
サロメは約10分間踊ったあとに長大なモノローグを歌わなければならず、サロメ役を演じきるのは至難の業です。
http://www.geocities.jp/wakaru_opera/salome.html
0 件のコメント:
コメントを投稿