Saturday, July 14, 2018

モーツァルト 最後の交響曲2曲 決定盤を生んだ「奇跡の60年代」

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クラシック音楽を聴きはじめた1960年代後半、モーツァルトの交響曲といえば、古い大家の演奏を押しのけて、ワルター/コロンビア響には「最高権威」ともいえる重みがあった。後期交響曲の収録は以下のとおり。

◆第25番ト短調K.183(1954年12月M)
◆第28番ハ長調K.200(1954年12月M)
◆第29番イ長調K.201(1954年12月M)
◆第35番ニ長調K.385『ハフナー』(1959年1月S)
◆第36番ハ長調K.425『リンツ』(1960年2月S)
◆第38番ニ長調K.504『プラハ』(1959年12月S)
◆第39番変ホ長調K.543(1960年2月S)
◆第40番ト短調K.550(1959年1月S)
◆第41番ハ長調K.551『ジュピター』(1960年2月S)
(Mはモノラル、Sはステレオ)

当時、ステレオ録音であることが「革命的な変化」と思われていた時代だからこそ、人気の第40番、第41番でワルター晩年の「ステレオ新譜」がコロンビア・レーベルから残されたことには、いまでは考えられないくらい有難みがあった。なお、ワルターは1962年に逝去している。

独特の品位と秘めた自信に満ちた名盤
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ところが、この60年代初頭には、次の世代をリードする2人の巨匠も、この2曲で己の実力を示すことになる。まず、ベームである。ドイツ・グラモフォンは1960年代、モーツァルトの演奏ではカラヤンではなくベームを起用した。上記ワルターも意識して、それとは差別化し、いかにも堅牢、重厚なプロ・ドイツ的なスタイルを打ち出したかったのかも知れない。そして、その試みは成功しており、いまも現役盤として堂々とした地位を保っている。

◆第35番 K.385『ハフナー』(1959年10月)
◆第36番 K.425『リンツ』(1966年2月)
◆第38番 K.504『プラハ』(1959年10月)
◆第39番 K.543(1966年2月)
◆第40番 K.550(1961年12月)
◆第41番 K.551『ジュピター』(1962年3月)

ベーム絶頂期の緊張感途切れぬ名演
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そして、カラヤンである。こちらはウィーン・フィルを振って、デッカ・レーベルから40番 (1959年3月)、41番 (1962年5月)を録音を世に送った。これは強烈な一撃であった。もちろん、カラヤンはその後、ベルリン・フィルとの再録を行うが、小生はこのウィーン・フィル盤のほうに、特有の覇気を感じる。

カラヤン、明解な解釈の<名盤>
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第41番『ジュピター』に関してみれば、その収録はワルター(1960年2月)、ベーム(1962年3月)、カラヤン(1962年5月)となる。このわずか約2年間の録音が、いまにいたるまで、小生にとっては座右の盤となっている。

ちなみに、当時、覇を競っていたバーンスタイン/ニューヨーク・フィルは、ワルター亡きあと、第40番(1963年5月)、第41番(1968年1月)の収録、セル/クリーヴランド管は、第40番(1967年8月)、第41番(1963年10月)の収録、ミュンシュ/ボストン響は、第40番(1959年7月)、第41番(1962年7月)の収録である。

両曲は、指揮者であれば誰でも、世にトラックレコードを残したい名曲であることから、今日にいたるまで、その録音点数は数えきれない。最近、聴いたなかでは、鮮明なる録音もあいまって、ムーティ/ウィーン・フィルはとても良かった。

ムーティ、カラヤン/ウィーン・フィル盤に伍す
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しかし、ワルター、ベーム、カラヤンの上記3盤は個人的にはいまも特別な存在である。振り返ると、いかにワルターの解釈の影響が大きかったか、そしてワルターが天に召されたことで、一気に解禁現象がおこり、それが初期ステレオ録音の熱気もあいまって名盤を生み出したと言えるかも知れない。「奇跡の60年代」と記した由縁である。

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<appendix>
ワルターについては、モーツァルト解釈の第一人者として長いキャリアがある。以下も参照

ワルター 古い音源ながら気魄充実の記録
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