Saturday, August 04, 2018

小澤征爾の名演 2 シカゴ響

R.コルサコフ:シェエラザード/ボロディン:ダッタン人の踊り
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小澤征爾は、若き日、狭量の日本楽壇とのあつれきもあって渡米、その後、シカゴ響を振って1969年にこの1枚を録音する。いま聴き直して、そのしなやかで、みずみずしい感性に驚く。

まだ30代前半の若手指揮者、それが天下のシカゴ響とこうした名演を残し、それがいまも現役盤であること自体、驚異的なことである。小澤征爾の特質は本盤でも十分に知ることができる。オーケストラが伸び伸びと臨場している。音楽が生気をもって発散する。リズムとメロディの織りなすバランス感が抜群で、それがけっして崩れず耳になじみ聴きやすい。そして、どこか東洋的なエキゾチックさ(日本人にとっては言いにくいが)をたたえているようにも感じる。弦楽器は透明感があって美しく、管楽器はそれをよくサポートしているように過不足なく響く。音楽の基調は明るいが、折々での陰影ある表現も十分である。若き小澤の才能を知ることのできる貴重な記録と言えよう。


バルトーク:管弦楽のための協奏曲&コダーイ:ガランタ舞曲
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管弦楽のための協奏曲はシカゴ響の持駒のような演目である。いまだに燦然と輝くライナー(1955年)の名盤があり、小生が親しんでいるショルティ(1980年)Solti Conducts Bartok の後にも、レヴァイン(1989年)、ブーレーズ(1992年)と名指揮者のラインナップが並ぶ。そのなかにあって、小澤征爾の本盤は1969年の録音で、ライナーから14年後、ショルティの11年前というちょうど中間に位置している。34才の新鋭指揮者がこうした成果を残したその1点をもってしても小澤の実力を知ることができる。

しかも、その表情の豊かさは随一。音に色彩感があり、おどけた表情から暗き沈思まで変幻自在に表現できる能力は、天才的と言ってよいだろう。ダイナミクスが勝って、ちょっと粗目の部分もあるが、そこは初期カラヤンを彷彿とさせる。録音も優秀。小澤征爾の若き日の代表盤。


ヤナーチェク:シンフォニエッタ/ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
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ポーランドの作曲家、ルトスワフスキが1950~54年に作曲した管弦楽のための協奏曲。当時のポーランドは旧ソ連の重要な同盟国(というよりも統治下)であり、本作品もショスタコーヴィチなどと共通する雰囲気はあるが、ポーランドの民族主義的なメロディも盛られているとも言われる。バルトークの同名の曲とともに、小澤征爾はシカゴ響と本曲を取り上げた。野心的な取り組みである。思い切りリズムの躍動感を強調しつつ打楽器と管楽器を前面に立てたクリアで切れのよいサウンドを刻んでいく。左右のレンジを広くとった録音が表現の幅をひろげている。実演よりも録音技術によって曲想のコントラストがよりはっきりと出ているかも知れない。

ヤナーチェクのシンフォニエッタは故国モラヴィア民謡が盛られていると言われるが、小澤征爾は、ルトスワフスキと組み合わせていわば「東欧音楽の粋」といったカップリングで世に問うた。冒頭の「ファンファーレ」は金管が輝かしいが以降、「城塞(シュピルベルク城)」、「修道院(ブルノの王妃の修道院)」、「街路(古城に至る道)」では低弦の基調に、曲のイメージによって多彩な楽器が繰り出されて民族的メロディをのせていく。終曲「市庁(ブルノ旧市庁舎)」では哀愁をおびたフルートの響きがどこか懐かしく親しみを感じさせる。小澤のアプローチは純音楽的にリズムの躍動感(指揮台で奮戦しジャンプしている姿を連想させる)を大切にあらゆる楽節をバランスよく表現することに腐心しているようだ。その取り組みは見事に成功していると思う。




(参考)以下は引用


1960年代】N響事件ののち海外に活路を見出そうとした小澤征爾は、1964年、シカゴのラヴィニア音楽祭で代役出演で成功を収め、それが縁でRCAにシカゴ響との録音を開始、1965年にはカナダのトロント交響楽団の首席指揮者に就任して世界的なキャリアを本格的にスタート。1969年にはEMIにレコーディングを開始しています。
◆シカゴ交響楽団→R=コルサコフ:シェエラザード、バルトーク:管弦楽のための協奏曲、ヤナーチェク:シンフォニエッタ、ボロディン:だったん人の踊り

➡ 小澤征爾の名演
 
 
 

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