ガーディナーは、リヒター以来のバッハ/4大宗教曲集(クリスマス・オラトリオ:本セット所収、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ曲)の名録音で知られる。一方、古楽器演奏の大家ホグウッドは、ヘンデル演奏でも第一人者でありメサイアは得意の演目。この2つのカップリングだけで十分に元は取れる。
ドイツ系ソングのレーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊は、単発でも販売されていて渋いが根強い支持のあるもの。イギリス系ソングのケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団も実力ある合唱団でこの手の小品集では双璧の構えだろう。ここまでの企画は文句なしに素晴らしい。
しかし、なぜかこれにゲルギエフの「くるみ割り人形」が入っている。通俗名曲も、これも名の通った人気指揮者で「販売戦略上」入れたかったのかも知れないが、異質な感を否めない(★ひとつダウン)。ゲルギエフを除き、全体に派手さはないが低廉かつ実のある良質なクリスマス・セットである。
【収録作品】
■CD1~2:J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオBWV.248 モンテヴェルディ合唱団 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)1987年1月録音
■CD3~4:ヘンデル/オラトリオ『メサイア』HWV.56(1754年版)オックスフォード・クライスト・チャーチ聖歌隊(サイモン・プレストン指揮)エンシェント室内管弦楽団 クリストファー・ホグウッド(指揮)1979年9月録音
■CD5:チャイコフスキー/バレエ音楽『くるみ割り人形』Op.71(全曲)マリインスキー(キーロフ)劇場合唱団&管弦楽団 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)1998年8月録音
■CD6:ドイツのクリスマス・ソング集 レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊 ゲオルク・ラッツィンガー(指揮)
■CD7:イギリスのクリスマス・キャロル集 ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団 ステファン・クレオバリー(指揮)
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