日曜日, 11月 02, 2014

メンブラン(membran) これはお薦め 作曲家シリーズ(10枚)スーパー廉価盤!


 



Sergey Rachmaninov: Orchestra Works, Piano Concertos, Aleko CD, Import

録音こそ非常に古いが内容はなんとも豪華なセット。目玉のピアノ協奏曲全4曲では、1、4番の2曲は作曲家自身のピアノ、バックはオーマンディ/フィラデルフィア管の歴史的音源(1939〜41年)、2番は、ルービンシュタインとライナー/シカゴ響(同コンビによるパガニーニの主題による狂詩曲も併録)で固め、3番は、ギレリスとクリュイタンス/パリ音楽院管という強力な布陣。面白いのは、3番をのぞきもう1種の佳演(アンダ、ミケランジェリなど)をぶつけてきていることである。とくにアンダの2番は凛然とした好演。

 ほかに交響曲、歌劇、その他ともバラエティに富んだ編成で、古い音源の録音の悪さは覚悟すべきながらラフマニノフ好きならスーパー廉価、買って損はない。


<収録情報(録音年)>

【ピアノ協奏曲】
◆第1番
(1)ラフマニノフ、オーマンディ/フィラデルフィア管(1939/40年)
(2)モイセイヴィチ、サージェント/フィルハーモニア管(1948年)
◆第2番
(1)ルービンシュタイン、ライナー/シカゴ響(1956年ステレオ)
[同コンビでパガニーニの主題による狂詩曲も併録]
→ Rubinstein Collection, Vol. 35 - Rachmaninoff
(2)ゲザ・アンダ、ガリエラ/フィルハーモニア管(1953年)
◆第3番 
ギレリス、クリュイタンス/パリ音楽院管(1955年)
→ Gilels Plays Saint-Saens, Rachmaninov, Shostakovich
[ギレリスで楽興の時 変ニ長調 op.16-5(1951年)も併録]
◆第4番
(1)ラフマニノフ、オーマンディ/フィラデルフィア管(1941年)
(2)ミケランジェリ、エットーレ・グラチス/フィルハーモニア管(1957年ステレオ)

【交響曲】
◆第2番 ヴァーノン・ハンドリー指揮、ロイヤル・フィル(1994年デジタル)
→ Rachmaninov: Symphony No 2
◆第3番 ニコライ・ゴロワノフ/モスクワ放送管(録音時期:1948年)
→ Sergey Rachmaninov: The Rock, Three Russian Folksons, Symphony No. 3
 
【歌劇】
◆『アレコ』全曲 
イワン・ペトロフ(バス)、ニーナ・ポクロフスカヤ(ソプラノ)、アナトーリ・オルフェノフ(テノール)、アレクサンドル・オグニフツェフ(バス)、ブロニスラワ・ズラトゴロワ(バス)
ゴロワノフ指揮、ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団(1951年)
→ Rachmaninov ALEKO. Nikolai Golovanov 

【その他】
・交響詩『死の島』 アンセルメ/パリ音楽院管(1954年)
・10の前奏曲 op.23、13の前奏曲 op.32 モーラ・リンパニー(ピアノ)(1951年)
・前奏曲ト短調op.23-5 ホロヴィッツ(ピアノ)(1931年)
・ラフマニノフによるピアノ独奏
[バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番(トランスクリプション)、メンデルスゾーン:スケルツォ(真夏の夜の夢より)、チャイコフスキー:子守歌 op.16-1](1935/1942年))

http://www.amazon.co.jp/Sergey-Rachmaninov-Orchestra-Works-Concertos/dp/B003BF8V34/ref=sr_1_4?s=music&ie=UTF8&qid=1414914937&sr=1-4&keywords=membran+10+cd



Shostakovich: Symphonies, Concertos, Piano Works, Chamber Music

選曲、演奏陣とも充実したセット。交響曲では、ミトロプーロス Dimitri Mitropoulos (1896-1960) Conductor がショスタコーヴィチ 交響曲第5番&第10番 などをニューヨーク・フィルで積極的に取り上げたのが下敷きとなって、バーンスタイン 交響曲第5番 の名盤が生まれたのではと思った。一方、ベルリン・フィルでは、カラヤンが録音で取り上げたのは10番 Shostakovich: Symphony No.10 In Eminor, Op. 93 のみで、チェリビダッケの古い音源(7,9番)には希少価値がある。

本セットの魅力は、ショパンコンクールにも出場した「名ピアニスト」としてのショスタコーヴィチを知ることができることで、ピアノ協奏曲第1番、第2番(バックは、クリュイタンス/フランス国立放送管弦楽団で文句なし)、ピアノ三重奏曲第2番、2台のピアノのためのコンチェルティーノなどが所収されている。

また、オイストラフのヴァイオリン協奏曲第1番、ギレリスの24の前奏曲とフーガなど旧ソ連の名演奏家の秀演やハイフェッツの前奏曲なども聴きもの。
弦楽四重奏曲や交響曲第10番を除き、全般の録音は古く音質の悪さは否めないが、この価格である。ショスタコーヴィチの多彩な風貌を知る上では有益なセット。

(収録情報、カッコ内録音時点)

【交響曲】
・交響曲第5番(1952年):ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル
・交響曲第7番『レニングラード』(1946年):チェリビダッケ/ベルリン・フィル
・交響曲第9番(1947年):チェリビダッケ/ベルリン・フィル
・交響曲第10番(1995年):フランク・シップウェイ/ロイヤル・フィル

【管弦楽曲】
・組曲『馬あぶ』抜粋(1995年):ジョナサン・カーネイ(ヴァイオリン)
 フランク・シップウェイ/ロイヤル・フィル
・祝典序曲(1994年):マッケラス/ロイヤル・フィル

【協奏曲】
・ピアノ協奏曲第1番、第2番(1958年):ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)
 クリュイタンス/フランス国立放送管弦楽団
・ヴァイオリン協奏曲第1番(1956年):オイストラフ(ヴァイオリン)、ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル

 
【室内楽曲】
・ピアノ五重奏曲ト短調 op.57(1952年):ヴィクター・アラー(ピアノ)、ハリウッド弦楽四重奏団
・ピアノ三重奏曲第2番(1945年):ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)
 ディミトリ・ツィガノフ(ヴァイオリン)、セルゲイ・シリンスキー(チェロ)
・弦楽四重奏曲第2番、第8番(1995年):ザポルスキー四重奏団
・弦楽四重奏曲第3番(1998年):カイリン四重奏団

【ヴァイオリン曲】
・前奏曲嬰ハ短調 op.34-10、前奏曲変ニ長調 op.34-15(ツィガノフ編、マガニーニ編)(1945年):ハイフェッツ(ヴァイオリン)、エマニュエル・ベイ(ピアノ)

 
【ピアノ曲】
・2台のピアノのためのコンチェルティーノ(1956年):マキシム&ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)
・24の前奏曲とフーガより第1番、第5番、第24番(1954/1955年):ギレリス(ピアノ)
・同第1番、第4番、第5番、第8番、第22番、第23番、第24番、3つの幻想的舞曲、子供のノート(1946/1958年):ドミトリー・ショスタコーヴィチ(ピアノ)


http://www.amazon.co.jp/Shostakovich-Symphonies-Concertos-Piano-Chamber/dp/B003BF8V3E/ref=pd_sim_m_3?ie=UTF8&refRID=1XC9FHWNFT9021M0EGY1



The Greatest Works of Johannes Brahms: Symphonies, Concertos, Piano Music, Chamber Music, A German Requiem

非常に古い音源だが、リスナーにとって掘り出し物と思えるものが1、2点あれば、この価格ならライヴラリーに加えて損はない。小生は、以下のクナッパーツブッシュ、カラヤン、ケンペなどは一聴に値すると思う。

【収録内容(録音時点)】

◆交響曲
・第1番(1943年)カラヤン指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 → グレート・コンダクター・シリーズ/カラヤン ブラームス:交響曲 第1番 他
・第2番(1947年)フリッツ・ブッシュ指揮、デンマーク放送交響楽団
・第3番(1944年)クナッパーツブッシュ指揮、ベルリン・フィル
 → ブラームス:交響曲第2番&第3番
・第4番(1950年)ヨーゼフ・クリップス指揮、ロンドン交響楽団

◆協奏曲
・ヴァイオリン協奏曲(1957年)メニューイン(ヴァイオリン)、ケンペ指揮、ベルリン・フィル
・ピアノ協奏曲第2番(1947年)ソロモン(ピアノ)、イザイ・ドブロウェン指揮、フィルハーモニア管弦楽団

◆室内楽、器楽曲
・ピアノ三重奏曲第1番(1952年)デイム・マイラ・ヘス(ピアノ)、アイザック・スターン(ヴァイオリン)、パブロ・カザルス(チェロ)
・弦楽六重奏曲第1番(1952年)アイザック・スターン、アレクサンダー・シュナイダー(ヴァイオリン)、ミルトン・カティムス、ミルトン・トーマス(ヴィオラ)、パブロ・カザルス、マデリン・フォリー(チェロ)
・2台のピアノによるハンガリー舞曲集全曲(1956年)ブレンデル、ヴァルター・クリーン(ピアノ)
・ラプソディ ト短調 op.79-2(1944年)ソロモン(ピアノ)
・間奏曲第1番、第2番(録音時期:1957年)ゲザ・アンダ(ピアノ)
・パガニーニの主題による変奏曲(録音時期:1953年)ゲザ・アンダ(ピアノ)
・ヴァイオリン・ソナタ第3番(1934年)メニューイン(ヴァイオリン)、ヘフツィバー・メニューイン(ピアノ)

◆宗教曲
・ドイツ・レクィエム(1955年)エリーザベト・グリュンマー(ソプラノ)、フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂合唱団、ケンペ指揮、ベルリン・フィル
 → グレート・コンダクター・シリーズ ケンペ ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45


http://www.amazon.co.jp/The-Greatest-Works-Johannes-Brahms/dp/B003BF8V2K/ref=sr_1_56?s=music&ie=UTF8&qid=1414915960&sr=1-56&keywords=membran+10+cd

商品の詳細

The Innovator

最近、モンテヴェルディ作品、特に『オルフェオ』、『ウリッセの帰還』、『ポッペーアの戴冠』などのオペラ作品が注目されている。かつてであれば、音楽史の授業で唯一、『聖母マリアの夕べの祈り』のさわり部分を聴くことくらいであったので、その作品への関心の高まりは、モンテヴェルディ復権といってもよいかも知れない。

さて、本集はそうしたなかにあって、普段あまり接することに少ないマドリガーレ集(声楽と器楽アンサンブルの組み合わせ)が中心の10枚組みである。小生、はじめて聴く曲ばかりだが、バッハのカンタータ集を連想させるが、よりくだけており、ある意味ではオペラの習作という気もすれば、歌曲集のはしりといった風情もあって面白い。録音は比較的新しく聴きやすい。

【収録情報】
・タッソのテキストによるマドリガーレ集(マドリガーレ集第1,2,3,4巻より)
 コンチェルト・イタリアーノ、リナルド・アレッサンドリーニ(指揮)(1989年)
・マドリガーレ集第7巻
 Cettina Cadelo, Cristina Miatello (Sopranos)、Claudio Cavina (Contralto), Emanuele De Cecchi (Contralto-Tenor)、Carlo Gaifa, Vincenzo Manno (Tenors)、Giovanni Faverio (Bass)、カペラ・マウリツィアーナ、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮)(1987〜1989年)
・マドリガーレ集第8巻より第1部『戦いのマドリガーレ集』
・マドリガーレ集第8巻より第2部『愛のマドリガーレ集』
 イル・ルッジェーロ、エマヌエラ・マルカンテ(指揮、チェンバロ)(1998年)
・マドリガーレ集とカンツォーネ集(マドリガーレ集第7,8,9巻より)
 Cettina Cadelo (Soprano)、Carlo Gaifa and Vincenzo Manno (Tenors)、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮、チェンバロ)(1987年)
・マドリガーレ集『音楽の戯れ』
 ロジータ・フリザーニ(ソプラノ)、マヌエラ・クステル(アルト)、アンサンブル・アルテ=ムジチ、フランチェスコ・チェーラ(指揮)(1999年)
・ラプレゼンターティヴォ様式のマドリガーレ集(恋文、つれない女たちのバッロ、ニンファの嘆き、たとえそれが天の望む運命でも)
 Cettina Cadelo (Soprano)、Vincenzo Manno and Emanuele De Checchi (Tenors)、Giovanni Faverio (Bass) and others,、アンサンブル・コンチェルト、 ロベルト・ジーニ(指揮、チェンバロ、オルガン)(1988年)
・『タンクレディとクロリンダの戦い』
 Cettina Cadelo (Soprano)、Carlo Gaifa and Vincenzo Manno (Tenors)、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮、チェンバロ)(1987年)
・『情け知らずの女たちのバッロ』
 Maurizia Barazzoni (Soprano), Elisabetta Martorana (Soprano)、Giovanna Dissera Bragadin (Contralto), Marcella Ventura (Contralto)、Daniele Gaspari (Tenor), Francesco Zane (Bass)、アンサンブル・シンフォニア・ペルジーナ、 サンドロ・ヴォルタ(指揮)(2003年)
・『アリアンナの嘆き』
 ロジータ・フリザーニ(ソプラノ)、マヌエラ・クステル(アルト)、アンサンブル・アルテ=ムジチ、フランチェスコ・チェーラ(指揮)(1999年)
・1声、2声のためのさまざまな宗教的作品集
(Ecce sacrum、Salve, o Regina、Ergo dormino O quam pulchra、Ego flos campi、Laudate Dominum、Salve, Regina、Currite, populi、Venite, videte
・Exulta, filia、Cantate、Domino and Intonations for Organ by Giovanni and Andrea Gabrieli)
 Cristina Miatello (Soprano), Caterina Calvi (Contralto)、Vincenzo Manno and Emanuele De Checchi (Tenors)、Giovanni Faverio (Bass)、アンサンブル・コンチェルト、ロベルト・ジーニ(指揮、オルガン)(1990年)


http://www.amazon.co.jp/The-Innovator-Claudio-Monteverdi/dp/B007XT7X0Q/ref=sr_1_62?s=music&ie=UTF8&qid=1414915960&sr=1-62&keywords=membran+10+cd



Works of Robert Schumann

メンブラン・レーベルの作曲家選集のひとつ。このシューマン集のラインナップは充実している。1950年代を中心に粒ぞろいの名演が集められており、交響曲ではクリップスの4番、協奏曲では、ピアノ(リパッティ、カラヤン/フィルハーモニア管)、チェロ(カザルス、オーマンディ/プラド祝祭管)はいまも聴き継がれる秀でたもの。
ピアノ曲では、アンダ、ハスキル、カーゾン、ギーゼキングの聴きくらべができ、歌曲集では「詩人の恋」(フィッシャー=ディースカウ+デームス)、「女の愛と生涯」(フェリアー+ニューマーク)の若き声楽も魅力的。
最後に、珍しい「マンフレッド」全曲は、シューリヒト/シュトゥットガルト放送響が収録されている。この構成、価格からみればなんともお買い得。

<収録情報>
◆交響曲
・第1番:ピエロ・コッポラ/ロンドンナショナル響(1946年),
・第2番:バーンスタイン/バイエルン国立管(1948年)
・第3番:ダグラス・ボストック/チェコ室内フィル管(2002年)
・第4番:ヨーゼフ・クリップス/ロンドン響(1952年11月)
◆協奏曲
・ヴァイオリン協奏曲:メニューイン(Vn)、バルビローリ/ニューヨーク・フィル(1938年)
・ピアノ協奏曲:リパッティ(pf)、カラヤン/フィルハーモニア管(1948年)
・チェロ協奏曲:カザルス(Vc)、オーマンディ/プラド祝祭管(1952年)
◆器楽曲他
・クライスレリアーナOp.16、謝肉祭Op.9:ゲザ・アンダ(pf)(1955年)
・子供の情景Op.15、森の情景Op.82:クララ・ハスキル(pf)(1953, 1955年)
・幻想曲Op.17:クリフォード・カーゾン(pf)(1954年)
・交響的練習曲Op.13、3つのロマンスOp.28:ギーゼキング(pf)(1951年)
・ピアノ三重奏曲Op.63:ミェチスワフ・ホルショフスキ(pf)アレクサンダー・シュナイダー(Vn)パブロ・カザルス(Vc)(1952年)
・ヴァイオリンソナタOp.121:ユーディ・メニューイン(Vn)ヘプツィバ・メニューイン(pf)(1934年)
◆歌曲集
・「詩人の恋」:フィッシャー=ディースカウ(Br)イェルク・デームス(pf)(1957年)
・「女の愛と生涯」:キャスリーン・フェリアー(Alt)ジョン・ニューマーク(pf)(1950年)
◆劇音楽
・ 「マンフレッド」(全3幕)
Manfred: Peter Luhr, Gemsenjager: Walter Kottenkamp, Abt: Theodor Loos, Alpenfee: Uta Rucker, Nemesis: Mila Kopp, Astarte: Ingeborg Engelmann, Guter Geist: Lotte Bethke (S), Boser Geist: Kurt Haars (Br), Speaker: Harald Baender u.v.a 、シューリヒト/シュトゥットガルト放送響(1952年)


http://www.amazon.co.jp/Works-Robert-Schumann/dp/B002PDB9S2/ref=sr_1_71?s=music&ie=UTF8&qid=1414915960&sr=1-71&keywords=membran+10+cd



Berlioz: The Great Classical Collection

ベルリオーズ名演集と題された10CDのセット。録音は1950年代中心で古いが、第一級の名演がここに集結している。目玉は ベルリオーズ:幻想交響曲 の切れ味鋭い成果。マルケヴィチではほかに『ファウストの劫罰』も所収。ベルリオーズの大家、ミュンシュでは『キリストの幼時』と『イタリアのハロルド』、『夏の歌』 Berlioz を聴くことができる。
レクィエムも見逃せないが、シェルヘン/パリ・オペラ座管弦楽団のプロ好みの佳演。さらに序曲集は比較的新しいデジタル録音で楽しめる。この価格なら、もったいないような名BOX。

(収録情報)
【イーゴリ・マルケヴィチ】
・幻想交響曲 Op.14  ベルリン・フィル(1954年)
・劇的物語『ファウストの劫罰』 Op.24
 リシャール・ヴェロー(テノール)、ミシェル・ルー(バリトン)、コンスエロ・ルビオ(メゾ・ソプラノ)、ピエール・モレ(バス)、エリザベート・ブラッスール合唱団、フランス国立放送児童合唱団、ラムルー管弦楽団(1959年)

【シャルル・ミュンシュ】
・オラトリオ『キリストの幼時』 Op.25
 チェーザレ・ヴァレッティ(テノール)、フローレンス・コプレフ(コントラルト)、ジェラール・スゼー(バリトン)、ジョルジョ・トッツィ(バス)、ルシアン・オリヴィエ(バリトン)、ニュー・イングランド音楽院合唱団、ボストン交響楽団(1956年)
・交響曲『イタリアのハロルド』 Op.16
 ウィリアム・プリムローズ(ヴィオラ)、同上(1958年) 
・歌曲集『夏の歌』 Op.7
 ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)、同上(1955年)
 
【その他】
・劇的交響曲『ロメオとジュリエット』 Op.17より
ロリン・マゼール/ベルリン・フィル(1957年)

・レクィエム(死者のためのミサ曲) op. 5
ジャン・ジロドー(テノール)、フランス国立放送合唱団、ヘルマン・シェルヘン/パリ・オペラ座管弦楽団(1958年)

・序曲集
序曲『ローマの謝肉祭』 Op.9 ※
 歌劇『ベンヴェヌート・チェッリーニ』序曲
 序曲『宗教裁判官』 Op.3
 序曲『海賊』 Op.21
 歌劇『ベアトリスとベネディクト』序曲
 序曲『ウェーヴァリー』 Op.1
 序曲『リア王』 Op.4
アレグザンダー・ギブソン/ロイヤル・フィル(1995年)
※サー・チャールズ・マッケラス/ロイヤル・フィル(1994年) 

http://www.amazon.co.jp/Berlioz-The-Great-Classical-Collection/dp/B00J3FKAKI/ref=sr_1_21?s=music&ie=UTF8&qid=1414864104&sr=1-21&keywords=membran

日曜日, 9月 14, 2014

カール・リヒター Karl Richter




カール・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団によるバッハ集。同団は、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、バイエルン国立管の団員などの精鋭から編成され、なによりも当代のバッハの使徒とでもいうべきリヒターに対する尊敬の念と忠誠心をもっていたといわれる。その演奏の均一性、精神的な統一感はいま聴いても新鮮な驚きがあるだろう。

その典型が「音楽の捧げもの」※1であり、また「ミサ曲ロ短調」※2である。1969年来日時、ミサ曲ロ短調を聴いたが、一致団結した統一感とストイックとしか言いようのない敬虔、厳格な音楽づくりは、その後同様な演奏を聴くことを至難としている。

一方、リヒターは当時にあって、バッハについて深い学識ある研究者であるとともに、最高のチェンバロ奏者&オルガニストであり指揮者であった。チェンバロ、オルガンなどの独奏の高次性も並外れており(本集の協奏曲をふくむチェンバロ、オルガン曲集)、しかもすぐれた即興性に魅力がある。いまだこの崇高な成果は独自の光彩をはなっている。 

※1「音楽の捧げもの」:カール・リヒター(cemb、指揮)、(fl)ニコレ、(vn)ビュヒナー、グントナー、(va)マイネッケ、(vc)キスカルト、(cemb)ビルグラム(1963年)

※2「ミサ曲ロ短調」:マリア・シュターダー、ヘルタ・テッパー、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、キート・エンゲン、ミュンヘン・バッハ合唱団(1961年)

【収録情報】

1>ゴルトベルク変奏曲Goldberg Variations BWV 988

2>イタリア協奏曲 ヘ長調Concerto italiano BWV 971

半音階的幻想曲とフーガ ニ短調Chromatic Fantasie BWV 903

トッカータToccata and Fugue BWV 915

パストラーレ ヘ長調Pastorale BWV 590

幻想曲とフーガ ハ短調Fantasia BWV 906

3>ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第1番~第3Sonatas for Violin and Harpsichord BWV 1014, 1015, 1016

4>ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番~第6番Sonatas for Violin and Harpsichord BWV 1017, 1018, 1019

5>フルートとチェンバロのためのソナタSonatas for Flute and Harpsichord BWV 1020, 1030, 1031, 1032

6>ブランデンブルク協奏曲第1番~第4番Branderburgh concertos BWV 1046, 1047, 1048, 1049

7>ブランデンブルク協奏曲第5番~第6番Branderburgh concertos BWV 1050, 1051

オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 Concerto per d'amore, archi e continuo BWV 1055 (Y1980)

 オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調Concerto per violino, oboe, archi e continuo BWV 1060 (Y1963)

8>チェンバロ協奏曲第1番、第2番、第5Concerto per clavicembalo, archi e continuo BWV 1052, 1053, 1056

チェンバロと2つのリコーダーのための協奏曲Concerto per clavicembalo, 2 flauto dolce, archi e continuo BWV 1057

9 2台のチェンバロのための協奏曲第2Concerto per 2 clavicembali, archi e continuo BWV 1061

 3台のチェンバロのための協奏曲第1Concerto per 3 clavicembali, archi e continuo BWV 1063

 4台のチェンバロのための協奏曲Concerto per 4 clavicembali, archi e continuo BWV 1065

10>チェンバロ協奏曲第3番、第4番、第7Conc. per clavicembalo, archi e continuo BWV 1054, 1055 (Y1971), 1058

 2台のチェンバロのための協奏曲第1Conc. per due clavicembali, archi e continuo BWV 1060 (Y1972)

 3台のチェンバロのための協奏曲第2Conc. per 3 clav., archi e continuo BWV 1064 (Y1973)

112台のチェンバロのための協奏曲第3Concerto per 2 clavicembali, archi e continuo BWV 1062

 三重協奏曲 Concerto per flauto, vl, clavicembalo e archi BWV 1044

 3台のチェンバロのための協奏曲第2Concerto 3 violini, archi e continuo BWV 1064 (Y1981)

12 2台のチェンバロのための協奏曲第1Conc. per due clavicembali, archi e continuo BWV 1060 (Y1963)

2つのヴァイオリンのための協奏曲Concerto per 2 Violini, archi e continuo BWV 1043

音楽の捧げものMusical Offering BWV 1079

13>オルガン協奏曲第1番~第6Organ concertos BWV 592, 593, 594, 595, 596, 597

14>トッカータとフーガ『ドリア調』Toccata und Fuge d-moll BWV 538

 トッカータとフーガToccata und Fuge BWV 565

 前奏曲とフーガ 変ホ長調『聖アン』Preludio e fuga BWV 552

 トリオ・ソナタ第5Triosonata BWV 529

 幻想曲とフーガFantasia And Fugue In G Minor "Great", BWV 542

 シュープラー・コラール第6曲『主を頌めまつれ』Kommst du nun, Jesu…. BWV 650

 シュープラー・コラール第1曲『目覚めよとわれらに呼びわたる物見らの声』Wachet auf, ruft uns… BWV 645
 
15>パッサカリアとフーガPassacaglia c-moll BWV 582

 コラール変奏曲『慈しみ深きイエスよ』Choral Variat. I-XI (Partite su: Sei gegrusset, Jesu) BWV 768

 カンツォーナ Canzona in D minor, BWV 588

 コラール前奏曲『装いせよ、おおわが魂よ』Schmucke dich, o liebe Seele… BWV 654

 管弦楽組曲第3Suite orchestra BWV 1068

16>管弦楽組曲第1番、第2番、第4Suites orchestra BWV 1066, 1067, 1069

17-18>ミサ曲 ロ短調Mass in B minor BWV 232


   




たまに興がのると宗教曲を聴きたくなる。どういった心境か自分でもよくわからないが、そうしたときに真っ先に思いつくのはリヒターだ。しかし、今回はリヒターのまえに、マルケヴィッチで「天地創造」を聴いた。
 
■ハイドン:オラトリオ《天地創造》

イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
リヒャルト・ホルム(テノール)、キム・ボルイ(バス)
 
ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:イーゴル・マルケヴィッチ

CDUCCG-4213/4(2枚組) \2,400(\2,286) ドイツ・グラモフォン

ゼーフリート等、当時の名歌手を配して録音された天地創造、日本初CD化。モノラル


次にリヒターでどこを聴くかを悩む。やはりマタイかな。 


 
■J.S.バッハ:マタイ受難曲

 エルンスト・ヘフリガー(福音史家、アリア:テノール)

 キート・エンゲン(イエス:バス)

 アントニー・ファーベルク(第1の女、ピラトの妻:ソプラノ)

 イルムガルト・ゼーフリート(アリア:ソプラノ)

 ヘルタ・テッパー(第2の女、アリア:アルト)

 マックス・プレープストル(ユダ、ペテロ、ピラト、司祭の長:バス)

 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(アリア:バス)

 ミュンヘン少年合唱団

 ミュンヘン・バッハ合唱団

 ミュンヘン・バッハ管弦楽団

 指揮:カール・リヒター

 録音:19586-8月 ミュンヘン、ヘルクレスザール(ステレオ)
 
 
バッハ:ヨハネ受難曲

 リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団の歴史的名盤。歌手は、エヴァンゲリスト:ヘフリガー(テノール)、イエス:プライ(バリトン)、ペテロ、ピラト:キート・エンゲン(バス)、イヴリン・リアー(ソプラノ)、ヘルタ・テッパー(アルト)。19642月ミュンヘンにて収録。

1969年、日本でのこのメンバーによる公演があった。マタイもヨハネもロ短調ミサも集中的に演奏された一大ページェントだったが、本曲は5月4日一度だけ取り上げられ、エヴァンゲリスト:ヘフリガー、イエスは、バリトンではなくキート・エンゲン(バス)が担当した。この公演自体がいまだに語り草になっているが、この5年前に収録された本盤はリヒターの厳しくも神々しいバッハ解釈を完璧に表現したものとして当時、大きな話題となった(レコードも3枚組で6,600円と実に高価だった)。

本曲は、聖書の引用が多く、エヴァンゲリスト(福音朗読者)の役割がとりわけ大きいが、エルンスト・ヘフリガーは規範的な第一人者。イエスは若きヘルマン・プライが力演、全篇の合唱もダイナミックで劇的な迫力に富む。リヒターという不世出の敬虔なバッハ使徒が全力を注いだ記録という意味からも、本盤は今後も歴史的名盤の地位をけっして失わないだろう。

バッハ:イタリア協奏曲:チェンバロ作品集
                                                                

チェンバロの地味な曲集と思って手に取ると、その強烈な質量にたじろくだろう。ピアノにくらべて、音の強弱やニュアンスはレジスター・ストップを巧みに使わない限り表現できないチェンバロは、その独特の金属的な響きのなかに近代建築をイメージさせるような新鮮さももっている。冷徹無比な客観性(イタリア協奏曲)と激烈なパッション(幻想曲ハ短調)を感じさせる音楽が共存し、それは各曲のなかでも見事に交錯する。リヒターの演奏には、あたかも現代建築のなかで演じられる緊張感あるドラマを観るがごとき感があり、かつそのダイナミズムには比類がない。

 
 


グールドのいわゆる旧盤(55年モノラル盤)、新盤(1981年録音)があまりに有名で、リヒターについて語られる機会も少なくなったが、本盤は彼が系統的にバッハを録音していた時代の後期、周到な準備のすえいわば満を持しての収録であり、リリース当時の衝撃は大きかった。特に、1970年録音の前年には、ミュンヘン・バッハの総勢を引きつれ来日、マタイ、ヨハネ、ロ短調の三大作品などにくわえて一夜、リヒターソロで本曲も披露し日本の聴衆に深い感動を与えた。小生もその一人である。

ッハの優秀な弟子、ゴルトベルクにちなんで命名された本曲演奏には非常に高度な技法を必要とするとされるが、後半になればなるほどカノン、フーガ、トリルなど複雑な構成と多彩な展開には劇的ともいえる変化がある。リヒターの演奏は鷹揚として堅牢で、縦横な変化にも自然体で臨み少しの力みもテクニックの難度も意識させない。むしろバッハ晩年の境地に寄り添うような滋味にあふれている。まぎれもなく歴史に残る名盤である。

木曜日, 9月 11, 2014

カラヤン こうもり 1960年




帝王カラヤンのウィーン・フィルとの蜜月期の代表的な成果。この序曲の「切れ味」には得もいわれぬ快感があり、さまざまな音楽シーンの冒頭で使われてきた。もともとこの演目は、同じウィーンでもフォルクスオパーでの軽妙洒脱、遊び心満載の場を「見る」ほうが楽しいとも言われるが、CDで繰り返し「聴く」うえではやはり歌手の布陣が大事。よくぞここまで集めたというメンバーに加えて、当代一流の大物のガラ・コンサートまで併録した豪華盤。録音の鮮度を気にしなければ、いまだ栄光の座をうしなっていない。

 

【収録情報】

・ヨハン・シュトラウスⅡ世:喜歌劇『こうもり』全曲

 

ロザリンデ:ヒルデ・ギューデン(ソプラノ)

アイゼンシュタイン:ヴァルデマール・クメント(テノール)

アデーレ:エリカ・ケート(ソプラノ)

ファルケ:ヴァルター・ベリー(バス)

フランク:エーベルハルト・ヴェヒター(バリトン)

オルロフスキー公:レジーナ・レズニック(メッゾ・ソプラノ)

 

<ガラ・パフォーマンス>

レナータ・テバルディ/ヴィリアの歌

ビルギット・ニルソン/一晩中踊れたら

マリオ・デル・モナコ/パッショーネ

テレサ・ベルガンサ/バスク地方の子守唄

ユッシ・ビョルリンク/きみはわが心の全て

レオンティン・プライス/サマータイム

 

ウィーン国立歌劇場合唱団

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

録音:19607 ウィーン(ステレオ)