スカルラッティ:ソナタ選集
ドメニコ・スカルラッティが、パトロンたるマリア・マグダレーナ・バルバラ王女のために作曲した555曲の練習曲をスコット・ロスははじめて全曲録音した。本集はそのエッセンスである。鍵盤に叩きつけるような激しい打鍵があると思うと、滑らかに撫でるがごときタッチもあり、音の奥行や高低の強調も曲によって異なり多彩な魅力に満ちている。ピアノではかのホロヴィッツの名演があるが、チェンバロという楽器の持てる可能性を最大限引き出した異色の名演。
バッハ:チェンバロ名演集
チェンバロの豊饒な響きが全身を包み込んでくるような快感がある。線状的な音ではなく、奥行きがあり残響の長い、そして抱擁的な響きである。あたかもパイプオルガンをホールで聴いているような、と言ってよいかも知れない。
聴きなれた筈のイタリア組曲が、この豊かな音響のなかで新たな息吹を与えられる。リヒターなどに親しんでいると意表をつかれるようなスコット・ロスの演奏は、宗教的な厳粛さから解放された世俗的で自由な発想が沸々と湧いてくるような自在さに特色があると言えようか。4つのデュエット(BWV.802)では滑らかにして音の揃った技量の高さにも驚く。
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