・ブルックナー:交響曲第3番(1873年第1稿)
録音:1998年9月3、4日
・ブルックナー:交響曲第4番 録音:1981年(デジタル)
・ブルックナー:交響曲第4番 録音:1993年 /サンフランシスコ響
・ブルックナー:交響曲第6番 録音:1990年 /サンフランシスコ響
・ブルックナー:交響曲第7番 録音:1980年(デジタル)
・ブルックナー:交響曲第7番(WAB.107、ハース版)
録音:2006年(ライヴ)
・ブルックナー:交響曲第8番(WAB.108、ハース版)
録音:2005年7月1日(ライヴ)
録音場所:ライプツィヒ、ゲヴァントハウス大ホール
・ブルックナー:交響曲第9番 録音:1995年
いつも青年のように若く見えた菜食主義者のブロムシュテットも81才になる。ブルックナーは日本公演でも取り上げていたが得意の演目と言えるだろう。
http://blogs.yahoo.co.jp/irigomi45/51388470.html
4番(1981年)、7番(1980年)を聴く。信じられないくらいの廉価盤だが、演奏は見事である。4番の感想はこう書いた。
ー1981年9月ドレスデンのルカ協会での演奏。2回目の全集を同じドレスデン・シュターツカペレで収録中のヨッフムの4番は翌1982年録音だから、この時期シュターツカペレはブルックナーに実に集中して取り組んでいたことになる。薄墨をひいたような弦楽器の少しくすんだ音色も、ルカ協会特有の豊かな残響ともに共通するが、ブロムシュテット盤も秀逸な出来映えで両盤とも甲乙はつけがたい。
ブロムシュテットは全般にヨッフムよりも遅く、かつテンポはベーム同様、実に厳しく一定に保つ(いずれもノヴァーク版使用。ヨッフム:ブロムシュテットで各楽章別に比較すれば、第1楽章、17’48:18’23、第2楽章、16’40:16’30、第3楽章、10’02:10’51、第4楽章、20’22:21’06)。
ブルックナーの音楽は本源的に魅力に溢れ聴衆に必ず深い感動をあたえるという「確信」に裏打ちされたように、小細工など一切用いず、素直に、しかし全霊を傾けてこれを表現しようとする姿勢の演奏。どの断面で切っても音のつくりに曖昧さがなく、全体にダイナミズムも過不足ない。
ブルックナー好きには、演奏にえぐい恣意性がなく、作曲家の「素地」の良さを見事に表現してくれた演奏と感じるだろう。ヨッフム盤とともにお奨めしたい。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA%E3%80%8C%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%8D/dp/B00008BDCU/ref=cm_cr-mr-title
7番も基本的にこれと変わらないが、弦楽器の合奏がこよなく美しい。音色は、妙なる清潔感を醸しだし、耳を傾けていて天上へと導かれるような至福の思いを抱く。木管楽器もこれに溶け込み、微妙な表現になるが、音に<色彩感>を与えている。それとの相対比較では、管楽器が没個性的かなと感じる。これは、同じゲヴァントハウスで、コンヴィチュニーをよく聴いているので、余計、そう感じるのかも知れない。
(参考)
ヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Blomstedt, 1927年7月11日 - )はアメリカ生まれのスウェーデン人指揮者。称号はバンベルク交響楽団名誉指揮者など。
仕事で渡米していたスウェーデン人の両親の元マサチューセッツ州スプリングフィールドに生まれる。2歳の時一家は帰国し、ストックホルム音楽大学やウプサラ大学に学んだ後、イーゴリ・マルケヴィッチに師事。さらにアメリカ合衆国に留学してジュリアード音楽学校でジャン・モレルに、タングルウッドのバークシャー音楽センターでレナード・バーンスタインに師事。1953年にクーセヴィツキー賞を獲得し、1955年にザルツブルク指揮コンクールで優勝した。
1954年2月にロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団でベートーヴェン、ヒンデミットなどの作品を指揮して指揮者として本格的にデビュー。その後、ノールショピング交響楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、デンマーク放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団の首席指揮者を歴任した後、名門のシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者に就任。ドレスデンを去った後はサンフランシスコ交響楽団(1985年~1995年、現在は桂冠指揮者)、北ドイツ放送交響楽団(1995~1998年)を経て、1998年から2005年までライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者を務めた(現在は名誉指揮者)。また、バンベルク交響楽団とNHK交響楽団の名誉指揮者でもある。
その演奏は、華やかな個性とはあまり縁がなく、高い名声を誇りながらもどこか地味な印象が強いが、指揮するオーケストラの持つ美質を最大限に引き出して充実感溢れる演奏を行うという点では現代屈指の指揮者であるといえるだろう。近年は、以前にもまして熟練の度合いを深めており、今後、更なる深化が期待される。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
0 件のコメント:
コメントを投稿