金曜日, 10月 29, 2010
アイヒホルン ブルックナー5番
アイヒホルンがバイエルンを振って、聖フローリアン教会でライヴ収録した5番。1990年の演奏だから晩年に近い記録だが、生き生きとした息吹は「老い」というより「老練」という言葉を惹起させる。解説書を読まずにまずは耳を傾ける。もしも、ブラインドで、オーケストラだけ知らせて、「さあ指揮者は誰?」と問えば、ヴァントかな・・・?否、ヨッフムではないか・・・?といった回答が多いのではないかと思う。
端整、オーソドックスな解釈で、第1楽章の充実ぶりに特色があり、4楽章全体の力の入れ方のバランスが実に良い。その一方、第4楽章は引っぱるところは思いっきり伸ばし、残響豊かにブルックナー・サウンドを展開する。小刻みにアッチェレランドやリタルダンドも駆使する場面もあるけれどそう不自然さは感じない。テンポに関して小生の好みから言えば、いささか遅すぎ、ときに緊張感を削ぐけれど、実演に接しているリスナーには別の感動があったのかも知れない。
アイヒホルンもブルックナー指揮者の一角をしめ、リンツ・ブルックナー管弦楽団との諸作品が残されているが、ヴァント、朝比奈隆らとともに晩年、特にその動静が注目された。「早起きは三文の得」をもじって、ブルックナー演奏に関しては、「長生きは指揮者冥利」とでもいうべきか。ヴァントはベルリン・フィルを、朝比奈はシカゴ響を、そしてアイヒホルンはこのバイエルンを振って話題を集めた。老いの一徹がなぜかブルックナーには良く合うのが不思議ではある。
(参考)以下はウィキペディアの引用
クルト・ペーター・アイヒホルン(Kurt Peter Eichhorn, *1908年8月4日 ミュンヘン - †1994年6月29日 ムルナウ)はドイツの指揮者。ヴュルツブルクで音楽教育を受け、1945年からミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン国立歌劇場、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者を務めるかたわら、ミュンヘン音楽アカデミーで教鞭を執る。リンツ・ブルックナー管弦楽団の桂冠指揮者に任ぜられて、日本のカメラータ・レーベルにブルックナーの《交響曲第2番》ならびに《第5番》から《第9番》までを録音した。これらの音源はいずれも、ギュンター・ヴァントの解釈に匹敵するものとして批評筋から評価が高い。また、《第9番》の第4楽章補作版を録音している。また、音楽監督をつとめたミュンヘン・ゲルトナープラッツ劇場を拠点に長年オペレッタやオペラを指揮。数点のオペレッタ録音では、青年期にここで修行したC・クライバーを連想させる推進力に満ちた指揮ぶりを残している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%92%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%B3
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