ショスタコーヴィチも気分次第で取り出す。ロシア的な哀切のメロディは、演歌につうじると思うときもあり、激しく規則的な強奏では最近、ブームの和太鼓の連打を想起することもある。
上のジャケットの2人の写真もいい表情だなと思う。オーマンディの好人物らしい笑顔もチャーミングである。
さて、以下は私的注目盤をランダムに掲載してみた。近時のクラシック界におけるショスタコーヴィッチへの注目度がわかる気がする。
上のジャケットの2人の写真もいい表情だなと思う。オーマンディの好人物らしい笑顔もチャーミングである。
さて、以下は私的注目盤をランダムに掲載してみた。近時のクラシック界におけるショスタコーヴィッチへの注目度がわかる気がする。
【以下はすべて引用】
交響曲第1番
ロストロポーヴィチ/ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番
往年のオーケストラ・サウンドが好きな方には、いつまでたっても色褪せることのない「フィラデルフィア・サウンド」の魅力をストレートに伝えるCBS時代の録音です。オーマンディ&フィラデルフィアが総力を結集して挑んだ、ショスタコーヴィチの名作2曲。チェロ協奏曲は、アメリカでの初録音となったものです。(SONY)
ショスタコーヴィチ:
・チェロ協奏曲第1番変ホ長調 op.107
・交響曲第1番ヘ短調 op.10
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
フィラデルフィア管弦楽団ユージン・オーマンディ(指揮)
録音時期:1959年11月
録音方式:ステレオ(セッション)ーーーーーーーーーーーーーーーー
ゲルギエフ&マリインスキー管によるショスタコーヴィチの交響曲新シリーズ第2弾は、ロシア革命がらみの2篇、最初期1927年作の第2番『十月革命に捧げる』と円熟期1957年作の第11番『1905年』。
第2番は当時バリバリの新進だったショスタコーヴィチのもっとも尖った作品のひとつ。混声合唱を含む大編成、混沌としたクラスターで始まり、27声部の「ウルトラ対位法」という超複雑な技法を凝らした後、サイレンが高らかに鳴り響き合唱が始まり、聴き手があっけにとられている間に終わります。錯綜した音の綾と強烈な音響ゆえ、指揮者の統率力と高水準の録音が要求されます。
一方第11番『1905年』は演奏時間1時間を要する大曲。ロシア革命前夜を描いた大迫力の音楽で、ショスタコーヴィチの驚くべき描写力が発揮されています。「血の日曜日」の民衆虐殺の場面をはじめ、全体に指揮者の能力が試される難曲。ゲルギエフは2004年にPMFのオーケストラとこの曲を披露し、聴衆に大きな感動を与えたことが語り草になっているので、ここでの演奏にも期待ができます。(キングインターナショナル)
・交響曲第11番「1905年」Op.103
・交響曲第2番『十月革命に捧げる』Op.14 マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮) 録音時期:2009年2月14-16、18-20日(11番)、2月4-6日(2番)
録音場所:マリインスキー・コンサート・ホール録音方式:デジタル(ライヴ)
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交響曲第3番
ますます期待が高まるペトレンコ&リヴァプール・フィルのショスタコーヴィチ交響曲シリーズも、これで第5集となりました。今作は少々肩の力を抜いてお楽しみいただける第1番と第3番というラインナップです。
交響曲第1番は、レニングラード音楽院作曲科の卒業制作曲であり、当時「現代のモーツァルト」とまで讃えられたという作品です(とはいえ、あまりにも独創的な内容であったため、当時の教官たちはおかんむりだったそうですが)。交響曲第3番は最終楽章に合唱が用いられた「祝祭的な」作品であり、平和的な雰囲気を表現したと作曲家自身が述べていますが、これもどこまでが本意なのでしょう?
さて、ペトレンコの演奏はこれらの若書きの作品に正面から向かいあったもので、とりわけ第1番での爽快感は群を抜いています。第3番は緊張感の持続と、合唱を伴う最終部のはじけっぷりが気持ちよく、ショスタコーヴィチを聴いた満足感に浸れることは間違いありません。(NAXOS)
さて、ペトレンコの演奏はこれらの若書きの作品に正面から向かいあったもので、とりわけ第1番での爽快感は群を抜いています。第3番は緊張感の持続と、合唱を伴う最終部のはじけっぷりが気持ちよく、ショスタコーヴィチを聴いた満足感に浸れることは間違いありません。(NAXOS)
ショスタコーヴィチ:
・交響曲第1番ヘ短調 Op.10
・交響曲第3番変ホ長調 Op.20『メーデー』
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー合唱団(第3番)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
ワシリー・ペトレンコ(指揮)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
ワシリー・ペトレンコ(指揮)
録音時期:2009年7月28-29日(第1番)、2010年6月22-23日(第3番)
録音場所:リヴァプール、フィルハーモニック・ホール
録音方式:デジタル(セッション)
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交響曲第4番
ハイティンクのCSOへのデビューは1976年3月のこと。このときのプログラムがショスタコーヴィチの第4交響曲、しかもこれが当作品のCSOにとっての楽団初演でした。それから30年あまり、首席指揮者となったハイティンクによるCSO RESOUND最新作は、その再現ともいうべきショスタコーヴィチの第4番。シカゴ・トリビューン紙によると「連日2,566席のホールを満たし、終演後しばらく大喝采が鳴り止まなかった」と伝えられる2008年5月の最新ライヴです。
西側初となる交響曲全集録音の完成という偉業を通じて、ショスタコーヴィチのエキスパートとして広く認められることになるハイティンク。第4番の録音はCSOデビューののち、その全集プロジェクト開始まもなく1979年にロンドン・フィルと行なわれました。いっぽうのCSOも楽団初演の翌年にはプレヴィンの指揮でスタジオ録音(1977年)を果たしています。ともに再録となるこのたびのアルバムは、まさにかれらにとって運命的なもの。ハイティンクにしても、あまりにも過激で凶暴、そして複雑な作品の性格にたいして前回より明らかに格上とおもわれるパワフルな手兵を起用した効果ははかり知れないものがあります。地力の差をみせつけるCSO戦慄のパワー。これでこそこの問題作が孕む狂気と暴力が浮き彫りになるというもの。ましてや、当曲ゆかりのマエストロをようやく迎えられたCSOにとって、格別に意義深い内容となっているのはいうまでもありません。
なお、ボーナスとして「スコアを越えて」と題されたショスタコーヴィチのドキュメンタリー映像作品のDVDが付属します。作曲家とその友人たちの言葉をふくむニュース映画や関係者の証言で構成されるほか、15分ずつ2本のインタビューが含まれ、うち一つはハイティンクのもの(※インタビュー・パートは英語音声のみで日本語字幕はつきません)という充実の中身。タイトルにも謳われているように音楽にとどまることなく、取り巻く政治的、社会的な背景や意味合いも込められて製作されており、ここでハイティンク&CSOがみせた破格の演奏内容と合わせていわくつきの作品の理解に大きく寄与するものとおもわれます。なお、場面によっては日本語字幕文字列の最初の字が欠落していて意味を即断しにくい部分もありますが、ボーナスということもあり作り直しはしないということです。(キングインターナショナル)
・ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調Op.43
シカゴ交響楽団
ベルナルト・ハイティンク(指揮)
録音時期:2008年5月8-11,13日(ライヴ、デジタル)
録音場所:シカゴ、シンフォニーセンター、オーケストラ・ホール
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:クリストファー・ウィリス
ボーナスDVD
・“Beyond The Score / Is Music Dangerous?”
エグゼクティヴ・プロデューサー:マーサ・ギルマー
クリエイティヴ・ディレクター:ジェラルド・マクバーニー
収録時間:57分29秒
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交響曲第5番
2011年5月、佐渡裕がついにベルリン・フィルの指揮台に立つ!
佐渡裕の魅力をCD2枚にギュッと凝縮した記念盤が登場!
世界最高のオーケストラ、ベルリン・フィルの指揮台に佐渡裕、堂々初登場! ヨーロッパのメジャー・名門オーケストラから幅広く招かれてきた佐渡裕。その一つの頂点が今回のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「定期演奏会」デビュー。
ベルリン・フィルは1882年創設、ブラームスやドヴォルザークが自作を指揮し、フルトヴェングラーやカラヤンといった伝説的指揮者たちが音楽監督を務めてきました。名実共に世界のオーケストラの頂点であり、その定期演奏会に招かれることは至上の名誉とされています。近年では、小澤征爾氏以来の快挙。そして佐渡裕にとっても小学校の卒業文集に書いて以来の宿願の成就!(エイベックス)(写真:(c) Peter Adamik / Berliner Philharmoniker)
【ポイント】
・佐渡裕、ベルリン・フィル定期デビュー。世界が注目する、その瞬間の輝かしいのドキュメント!
・ベルリン・フィルのショスタコーヴィチ・シリーズのクライマックス、第5番は佐渡裕の得意曲。期待度最高!
・日本を代表する作曲家・武満徹の没後15周年に捧げる、神秘的な大作にも注目!(エイベックス)
CD1
・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番二短調 0p.47『革命』
CD2
・武満徹:フロム・ミー・フロウズ・ホワット・ユー・コール・タイム
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
佐渡裕(指揮)
録音時期:2011年5月
録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
録音方式:デジタル(ライヴ)
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交響曲第6番
コンドラシン・エディション第2弾。オイストラフとコンドラシンの共演。凄まじいボルテージの交響曲、舌をまくオイストラフ!東京、大熱演のライヴ(キングインターナショナル)
・ショスタコーヴィチ:交響曲第6番ロ短調作品54
モスクワ・フィルハーモニー
キリル・コンドラシン(指揮)
録音時期:1967年4月18日
録音場所:東京文化会館
録音方式:ステレオ(ライヴ)
音源提供:NHK
・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 作品77
ダヴィド・オイストラフ(vn)
モスクワ・フィルハーモニー
キリル・コンドラシン(指揮)
録音時期:1967年4月4日
録音場所:東京文化会館
録音方式:ステレオ(ライヴ)
音源提供:NHK
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交響曲第7番、第9番
バーンスタイン&シカゴ響の『レニングラード』
『レニングラード』は、バーンスタインとシカゴ響の数少ない共演を収めた1988年のライヴ録音。バーンスタイン晩年様式というべき巨大なアプローチと、世界最強とうたわれるシカゴ響の圧倒的なパワーが相乗効果をもたらした演奏で、その壮絶をきわめた大音響では右に出るものがないと評される空前の名演。第1楽章の有名な“ドイツ軍侵攻”の場面における洪水のようなサウンドには驚くばかりで、名高いシカゴ響ブラス軍団の威力のほどをまざまざと示してくれています。
組み合わせの第9番は、同じく戦争交響曲と呼ばれる作品ながらも、ずっとコンパクトでシニカルなイメージの強い作品。バーンスタインはこの第9番を重視しているのか、ヤング・ピープルズ・コンサートでもとりあげていましたが、ここでのウィーン・フィルとの共演も見事なものです。その語り口のうまさはやはりさすがというべきでしょう。
ショスタコーヴィチ:
・交響曲第7番作品70『レニングラード』
シカゴ交響楽団
レナード・バーンスタイン(指揮) 録音時期:1988年6月(デジタル)
録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール・交響曲第9番作品90
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1985年10月(デジタル)
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザールーーーーーーーーーーーーーーーー
交響曲第8番
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル
1982年ステレオ録音。かつてPHILIPSからもライセンス・リリースされていた有名なライヴ音源が、ニコラーエワやリヒテル&カガンのショスタコーヴィチでもおなじみの英国レジス・レーベルから登場。
今回のライセンス・リリースの注目のポイントは、ピッチが正常なものに修正されたということで、演奏時間も若干長くなっています。PHILIPSライセンス盤で有名になったこの演奏は、素晴らしい演奏内容にも関わらず、テープが少々速めに回ってしまったせいか、甲高いピッチとなってしまい、それがどうにも気になるというマニアの方が多かったので今回のピッチ正常化は朗報です。
正しいピッチで聴くと、そうでなくても奥深いとされるこの名演奏がより深いものに思えてくるから不思議です。この演奏と比較すると、1960年のロンドン公演や1961年のライヴなどが激しさに傾斜し過ぎた演奏という印象が拭えません。1982年の演奏では激しさと静けさが透明な緊迫感のなかで見事なバランスを保っているのです。これはかつて『スターリングラード』と呼ばれていたショスタコーヴィチの交響曲第8番という作品の性格を考えるととても理にかなったことです。
交響曲第8番は、戦時中に作曲されたにも関わらず、戦争の酷さや悲しみ、虚無感を投影したものとして、壮大・激烈な音響にさえ独特のペシミズムやパロディ感覚、アフォリズムの精神が備わる含みのある重層的な性格を持っており、それゆえショスタコーヴィチの最高傑作と評する向きも多いのですが、ムラヴィンスキーの1982年の演奏では、そうした含みのある音楽が、強大さと陰影豊かな繊細さを兼ね備えたサウンドによってこれ以上ない雄弁さで描かれているのです。その破壊的なまでのコントラスト、鋼鉄のような響きと直線的で強靭なフレージングを主軸とした当時のレニングラード・フィルのとてつもない音響は実に見事なもので、主旋律のみならず対旋律やリズム動機、ソロ・パッセージに至るまで徹底的に彫琢されており、そうしたリアリスティックな音響の積み重ねと対比から作品の深い精神が立ちあらわれるさまは、この作品の再現として間違いなく最高峰と言い得るものです。それだけに正しいピッチでのCD化は非常に喜ばしい出来事といえるでしょう。
ライヴとはいえ状態の良いステレオ録音なので、ヴァイオリン両翼型の楽器配置も効果的です。
・ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 op.65
レニングラード・フィルハーモニー
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)
収録時期:1982年3月(ステレオ)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール
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交響曲第10番
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カラヤン/ショスタコーヴィチ:交響曲第10番
SHM-CD仕様
15曲の交響曲を生み出した20世紀最大の交響曲作家ショスタコーヴィチ。スターリンの死の翌年に作曲され、芸術の自由化を象徴することになった作品がここに聴く第10番です。20世紀中葉にロシアで生まれたこの傑作交響曲を、カラヤンがベルリン・フィルハーモニーを指揮した演奏で収録しています。彫琢された精緻なアンサンブルと輝かしい音色を駆使して、鮮烈な響きや豊かなニュアンスを鮮やかに再現した魅力の一枚といえるでしょう。SHM-CD仕様。(ユニバーサル ミュージック)
・ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調 作品93
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
録音:1981年2月、ベルリン(デジタル)
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交響曲第11番、第12番
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交響曲第11番、第12番
ネーメ・ヤルヴィ/ショスタコーヴィチ:交響曲第11番、第12番他
CD1:
ショスタコーヴィチ:
・交響曲第11番ト短調Op.103『1905年』
・交響詩『10月革命』Op.131
・ロシアとキルギスの民謡の主題による序曲Op.115
CD2:
・交響曲第12番ニ短調oP.112『1917年』
・組曲『ハムレット』Op.32a
・バレエ『黄金時代』組曲Op.22a
エーテボリ交響楽団
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
録音:1989年(デジタル)
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交響曲第13番、第15番
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交響曲第13番、第15番
ショルティ / ショスタコーヴィチ:交響曲第13番、第15番(2CD)
CD-1
・ショスタコーヴィチ:交響曲第13番変ロ長調 op.113『バビ・ヤール』
セルゲイ・アレクサーシキン(Bs)
シカゴ交響楽団男声合唱団
シカゴ交響楽団
ゲオルグ・ショルティ(指揮)
録音:1995年(デジタル)
CD-2
・ムソルグスキー:『ホヴァンシチナ』前奏曲
・ムソルグスキー/ショスタコーヴィチ編:『死の歌と踊り』
・ショスタコーヴィチ:交響曲第15番イ長調 op.141
セルゲイ・アレクサーシキン(Bs)
シカゴ交響楽団
ゲオルグ・ショルティ(指揮)
録音:1997年(デジタル)
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交響曲第14番
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ショスタコーヴィチ交響曲第14番の初録音!
バルシャイ&モスクワ室内管の名演!
初演メンバーがおこなった完璧なセッション録音が、音質に定評のあるヴェネツィア・レーベルから登場。ながらく廃盤で入手できなかった名盤の待望の復活です!
「死」に対するイメージを独自の視点から追求したショスタコーヴィチの傑作、交響曲第14番『死者の歌』は、初演をめぐるゴタゴタでも有名。ショスタコーヴィチは当初、ソプラノにヴィシネフスカヤを起用しようとしていましたが、多忙をきわめた大物歌手であったヴィシネフスカヤのスケジュールとはなかなか折り合いがつかず、一刻も早く初演にこぎつけたかったショスタコーヴィチは、彼女より6歳年下のミロシニコワに歌わせることを考えます。
しかし、この人選をめぐって二人のソプラノ歌手の関係が険悪になってしまったため、指揮者バルシャイの提案により、1969年9月29日のレニングラード初演(世界初演)はミロシニコワが、1週間後、10月6日のモスクワ初演はヴィシネフスカヤが歌うことでなんとか結着したということです。
なお、ミロシニコワは、公式初演に先立つ6月21日、関係者のためにおこなわれたモスクワでの非公式初演でも歌っており、すでに準備万端だったということもあってか、メロディア・レーベルがおこなったセッション・レコーディングでも彼女が起用されることになったようです。
ヴィシネフスカヤはモスクワ初演の際、準備不足もあってか、出を間違えたりしていますが、翌1970年6月14日に、ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団による演奏や、1973年のロストロポーヴィチとのセッションとライヴでは見事な歌唱で面目を保ちました(ブリテンはこの作品を献呈された人物)。
ルドルフ・バルシャイは、1924年にソ連のラビンスカヤに生まれた指揮者でヴィオラ奏者。モスクワ音楽院でヴァイオリンとヴィオラを学びますが、在学中に弦楽四重奏の演奏に夢中になったバルシャイはヴィオラ奏者として音楽家活動を開始、ボロディン四重奏団とチャイコフスキー四重奏団の創設メンバーとなり、前者には1953年まで所属してヴィオラを担当。
その後、バルシャイはレニングラード音楽院で、名教師イリヤ・ムーシンに指揮を学び、1955年、モスクワ室内管弦楽団を創設して指揮者としての活動をスタート。このオーケストラとの活動は、バルシャイが亡命するまでの20年以上におよび、バロック音楽から現代作品に至る幅広いレパートリーを演奏・録音し、厳しい練習の果てに到達した鍛え抜かれ引き締まったアンサンブルで大いに声望を高めました。
実際、この演奏を聴いても、オーケストラの力強い合奏と精度には驚くほかなく、これに較べるとのちのケルン放送響盤はずいぶんと緩んだ演奏に聴こえてしまうほど。緊迫感みなぎるパーフェクトな名演です。
弦楽合奏と打楽器群によって演奏されるこの交響曲第14番は、死にまつわる11のテキストに付曲した作品。グレゴリオ聖歌が引用されガルシア・ロルカの色彩豊かな光景を彷彿とさせる死者への祈りの詩を用いた第1楽章「深き淵より」から、コサックが「おまえの母ちゃんでべそ」的な悪口をスルタンにまくしたてる第8楽章のような音楽にいたるまで実に幅広い死のイメージを内包しており、ショスタコーヴィチが単なる静謐で美しい死のイメージといったようなものではなく、もっと複雑で現実的な痛みや苦み、恐れといったものまで表現しようとしていたことは明らかです。
そうした音楽だけに、バルシャイ若き日のこの演奏が示す鋭利な感覚は作品にふさわしいものといえ、11の楽章すべてに一貫した完璧な仕上げも申し分ありません。ショスタコーヴィチ・ファン必携のアイテムといえるでしょう。
【収録情報】
・ショスタコーヴィチ:交響曲第14番ト短調 Op.135
第1楽章「深き淵より」~アダージョ
第2楽章「マラゲーニャ」~アレグレット
第3楽章「ローレライ」~アレグロ・モルト
第4楽章「自殺者」~アダージョ
第5楽章「用心して」~アレグレット
第6楽章「マダム、ごらんなさい!」~アダージョ
第7楽章「ラ・サンテ監獄にて」~アダージョ
第8楽章「コンスタンチノープルのスルタンへのザポロージェ・コサックの返事」~アレグロ
第9楽章「おお、デーリヴィク、デーリヴィク」~アンダンテ
第10楽章「詩人の死」~ラルゴ
第11楽章「結び」~モデラート
マルガリータ・ミロシニコワ(ソプラノ)
エフゲニー・ウラジミロフ(バス)
モスクワ室内管弦楽団
ルドルフ・バルシャイ(指揮)
録音方式:ステレオ(セッション)
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(参考)交響曲集
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ムラヴィンスキー/ショスタコーヴィチ:交響曲選集(6CD)
音質に定評あるロシアのヴェネツィア・レーベルから、ムラヴィンスキーのショスタコーヴィチがボックス・セットで登場。演奏内容はどれも凄いものばかりですが、中には、第11番のレニングラード初演ライヴなどというレアなもの(以前RUSSIAN DISCから出ていましたが)まで含まれているのも朗報です。
ショスタコーヴィチ:
・交響曲第5番ニ短調 op.47
収録時期:1984年4月4日(ステレオ)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
エンジニア:セミョン・シューガル
・交響曲第6番ロ短調 Op.54
収録時期:1972年1月27日(ステレオ)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
エンジニア:イゴール・ヴェプリンツェフ
・交響曲第7番ハ長調 Op.60『レニングラード』
収録時期:1953年2月26日(モノラル)
収録場所:レニングラード、スタジオ
エンジニア:イーリャ・グロツェンスキー
・交響曲第8番ハ短調 Op.65
収録時期:1961年2月25日(モノラル)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
エンジニア:ニコライ・クストフ
・交響曲第10番ホ短調 Op.93
収録時期:1976年3月3日(ステレオ)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
エンジニア:セミョン・シューガル
・交響曲第11番ト短調 Op.103『1905年』
収録時期:1957年11月3日(モノラル)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
[レニングラード初演]
・交響曲第12番ニ短調 Op.112『1917年』
収録時期:1961年(ステレオ)
収録場所:モスクワ放送局大スタジオ
エンジニア:アレクサンドル・グロスマン
・交響曲第15番イ長調 Op.141
収録時期:1976年5月26日(ステレオ)
収録場所:レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
エンジニア:セミョン・シューガル
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)
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ケーゲル/ショスタコーヴィチ:交響曲第4、5、6、9、11、14、15番
第7番『レニングラード』の凄演で知られるケーゲルのショスタコーヴィチを7曲収めたBOXセット。東独の指揮者だったケーゲルは、同盟国ソ連の作曲家ショスタコーヴィチの作品をよく演奏していました。
このセットは1958年から1986年までのライヴ録音をまとめたもので、第4番と第11番はモノラルですが、ほかの5曲はステレオ録音で、特に1986年の第5番は良い状態となっています。
演奏面でもこの第5番が最も注目されるところで、エッジの効いた強烈な表現に、ケーゲル晩年の特徴である虚無的な雰囲気も感じさせる独特の音楽づくりが印象的。東のベルリン芸術週間での演奏ということもあってか、終楽章のコーダになぜか鐘が加えられていることもポイントで、『ボリス・ゴドゥノフ』を彷彿とさせるその巨大な響きは実にユニーク。
この第5番を聴くだけでも購入の価値ありと言いたいところですが、他の6曲も聴き応え充分な内容です。特に、第4番は壮年期のケーゲルならではの異常なまでの切れ味が作品の持ち味と合致して痛烈な仕上がり。この1969年のライヴ録音は、元来ステレオ録音されたもののトラックダウンで(ステレオ・テイクは残念ながら廃棄された模様)、モノラルながら非常に良好な音質です。
初演直後に録音された第11番もモノラルながら良好な音質で、若きケーゲルの熱い思い入れすら感じられる切実な音楽表現が魅力となっています。
その他、作品のパロディ的性格をシニカルにあらわした第6番と第9番、ドイツ語版ゆえにクールな感触が際立つ第14番、緊迫感みなぎる冷徹演奏が作品の真価をシリアスに示す第15番と、どれも高水準な内容となっています。英語、日本語によるライナーノート付。
【収録情報】
ショスタコーヴィチ
・交響曲第4番ハ短調作品43
録音:1969年5月(モノ)
・交響曲第5番ニ短調作品47
録音:1986年10月(ステレオ)
・交響曲第6番ロ短調作品54
録音:1973年9月(ステレオ)
・交響曲第9番変ホ長調作品70
録音:1978年5月(ステレオ)
・交響曲第11番ト短調作品103『1905年』
録音:1958年4月(モノ)
・交響曲第14番ト短調作品135『死者の歌』(ドイツ語歌唱)
録音:1972年3月(ステレオ)
・交響曲第15番イ長調作品144
録音:1972年11月(ステレオ)
エミリア・ペトレスク(S:第14番)
フレッド・タシュラー(Bs:第14番)
ライプツィヒ放送交響楽団
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)
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