以下4回にわたって、「ブルックナー特集~これが名演」を掲載します。画像の
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あるものをどうぞ!
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ブルックナーを聴くならその響きの深さからドイツ(オーストリー)の楽団で、
とよく言われますが、それ歴史と伝統をシュターツカペレ・ドレスデンとともに
今日継承しているのが、名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団です。
そのカペルマイスター(一部はEhrendirigent)の系譜は以下のとおりです。
1895~1922年 アルトゥール・ニキシュ(Arthur Nikisch)
1922~1928年 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwängler)1929~1933年 ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)
1934~1945年 ヘルマン・アーベントロート(Hermann Abendroth)
1946~1948年 ヘルベルト・アルベルト(Herbert Albert)
1949~1962年 フランツ・コンヴィチュニー(Franz Konwitschny)1964~1968年 ヴァーツラフ・ノイマン(Václav Neumann)
1970~1996年 クルト・マズア(Kurt Masur)
1998~2005年 ヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Blomstedt)
2005~2016年 リッカルド・シャイー(Riccardo Chailly)
2017年~ アンドリス・ネルソンス(Andris Nelsons)
まるでブルックナー名指揮者一覧とでも言うべきリストです。下記の音源で
みても、ノイマンの交響曲第1番、コンヴィチュニーの5番や8番、ブロム
シュテットの4番や7番、マズアやシャイーの交響曲集(演奏は他楽団のもの
もありますが)などは優れた成果です。
小生はブルックナーの版の問題に必ずしも敏感ではないが、マズアの録音が1974〜78年で、すでにノヴァーク版が主力になりつつある時期になぜハース版が多いのかの理由は、この伝統ある管弦楽団が永らく使ってきた楽譜がハース版であり、かつ更新する十分な資金にも当時乏しかったからではないかと想像する。
第1番のノイマン(1965年録音)はリンツ稿ハース版、第2番のコンヴィチュニー(1960年)は1877年稿ハース版、第3番ザンデルリング(1963年)は1889年版、第4番はその後のブロムシュテットもハース版、第5番は、アーベントロートもコンヴィチュニー(1961年)もハース版、第7番コンヴィチュニー(1961年)はハース版、第8番のアーベントロート(1949年9月28日)もハース版、そして、第9番のみはコンヴィチュニー(1962年)に続きその後のマズアも原典版となっている。
旧東独時代、外貨稼ぎの事情もあってか、マズアのブルックナーを世界に売り出す試みは成功し、深い響きと良き意味での古色蒼然たるハイマート感は日本でも話題となった。しかし、今日から振り返ると、その素朴ともいえる(しかし、たっぷりの)情感とぶっきらぼうとも思える非技巧性は、アーベントロート、コンヴィチュニーの伝統を引き継ぐものであると思う。ゲヴァントハウス管弦楽団のブルックナーは、その後も実に良い演奏が続く。歴史的には第7番の「初演オケ」には、連綿とし胸を張る伝統と各プレイヤーが引き継いできた楽器と音色に秘めた自信があるのだろう。それを最大限引き出したマズアの功績もまた大きい。
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Bruckner: The Symphonies
Bruckner: Complete Symphonies
Bruckner: Symphonies Nos. 1-9 (Sony Classical Masters)
カール・シューリヒト指揮 ブルックナー:交響曲集
コンヴィチュニー指揮 ブルックナー:交響曲名演集
Symphony 1
ブルックナー:交響曲第2番
ブルックナー:交響曲第3番
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)
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Bruckner: Symphony No.5
ブルックナー:交響曲第5番
ブルックナー:交響曲第5番
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ブルックナー:交響曲第8番
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Bruckner: Requiem, Duruflé: Requiem - A History of Requiem, Part III
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