Jacqueline Du Pre: The Complete EMI Recordings にも2曲は収録されており、落ち着いて味わうのであれば、こちらがお奨めとも思う。しかし、チェリビダッケとの共演という点で本盤には興味がわくだろう。
デュ・プレの魅力は、ときに“神懸かりの巫女”とでもいうべき没入感にある。ドヴォルザークのなかでもパッショネイトなこの曲を選び、スウェーデン放送響を、第1楽章冒頭からこれでもかと目一杯鳴らしながら、デュ・プレの“憑きものがついたような”むき出しの感性を思い切り発現させたチェリビダッケの手練と秘かな「企み」に思いはいたる。一期一会、ライヴならではの凄演である。
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