土曜日, 4月 24, 2010

バーンスタイン マーラー9番

 バーンスタインのマーラー。手兵ニューヨーク・フィル他との「旧盤」全集をぼくは推奨するが、話題性で欠くことができないのが本盤。録音時期は1979年10月4~5日、カラヤン「王国」ではじめてベルリン・フィルを振ってのライヴ録音、その希少性にまずは注目。また、同時期(1979~80年)、カラヤン/ベルリン・フィルは満を持して、周到なスタジオ録音を行ったことで、後世、マーラーでの「両巨頭のベルリン激突」としてつとに有名となる。  さらに、カラヤンは1982年9月に同曲、同オケのライヴでデジタル再録。これでライヴでの両雄の比較も可能となった。加えて、バーンスタインは、これに先だってウイーン・フィルとの録音(1971年)もあり、彼は同曲で「世界3大オケ」を制覇したことになる。
 
 演奏は、基本的にニューヨーク・フィル(1965年)と共通し、激烈なパッションの迸る、感情移入の振幅の大きな演奏だが、そのダイナミクスでは1965年盤に軍配、オーケストラとの相性では1971年盤が優れている。
 蛇足ながら、カラヤンの濃密かつ耽美の極みのマーラー像も凄みがあり、バーンスタインとは対極の演奏とも言える。穿った見方だが、もしかすると、これは両巨匠の仕組まれた粋な共存かなとも思う。そんな想像も楽しめるメモリアルである。
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