ポリーニについて、興味深い3枚組みのCDがある。いわば彼の録音集大成からのピックアップ・リストのようなもので、彼のながい演奏家記録の傾向を知るうえで貴重なものだろう。
ジ・アート・オブ・マウリツィオ・ポリーニ(3CD)
ポリーニの70歳を記念したこの3枚組は、彼自身によって選曲されたファン垂涎のアイテムです。ストラヴィンスキー、ショパン、ベートーヴェン、モーツァルトなどいずれも彼の十八番ばかりで、ボーナストラックには1960年のショパン国際コンクール優勝時に弾いたショパンのピアノ協奏曲第1番(ステレオ)も収録されています。豪華装丁のブックレットも含め、手元に置いておきたいアイテムの登場です。(ユニバーサルIMS)
【収録情報】
CD1
1. ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3章
2. ショパン:12の練習曲Op.25
3. ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番
4. ヴェーベルン:ピアノのための変奏曲Op.27
CD2
1. ショパン:ポロネーズ嬰ヘ短調Op.44
2. ショパン:ポロネーズ変イ長調Op.53『英雄』
3. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73『皇帝』(ベーム指揮、ウィーン・フィル)
4. リスト:悲しみのゴンドラ第1稿
5. リスト:リヒャルト・ワーグナー-ヴェネツィア
6. ドビュッシー:雪の上の足跡
7. ドビュッシー:西風の見たもの
8. ドビュッシー:沈める寺
CD3
1. モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ長調K.491(ウィーン・フィル)
2. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲とフーガ嬰ハ短調
3. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲とフーガ ト長調
4. ショパン:ピアノ協奏曲第1番(カトレヴィッツ指揮、ワルシャワ・フィル)
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ、指揮:CD3-1)
録音時期:1960~2009年
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 次にグラモフォンの販売リストから上記演目について、代表盤を添付しよう。かならずしも上記の収録と一致しないので念のため。
ストラヴィンスキー: 《ペトルーシュカからの3楽章》/プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83/ヴェーベルン:ピアノのための変奏曲作品27/ブーレーズ:第2ソナタ
録音:1971年9月 ミュンヘン、1976年7月 ミュンヘン
鮮烈な超絶的技巧の爽快さと、緻密な洞察力による作品解釈の非凡さにおいて時代を超えて圧倒的な支持を得ている20世紀作品の代表的名盤。
ショパン:12の練習曲 作品10、12の練習曲 作品25
ベートーヴェン:後期ピアノ・ソナタ集
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 作品101、ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 作品106 《ハンマークラヴィーア》、ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109、ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110、ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
録音:1976年9月 ミュンヘン、1977年1月、6月ウィーン、1975年6月 ミュンヘン
「古典的な旋律、純粋そのものの音とスタイル、総合的な、そして完璧な鍵盤のコントロール、そのすべてが、この想像を絶する演奏の中に現れている」(英グラモフォン誌)。大絶賛された代表的名盤。
ショパン:ポロネーズ集
録音:1975年11月 ウィーン
ショパン:ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調 作品26の1、ポロネーズ 第2番 変ホ短調 作品26の2、ポロネーズ 第3番 イ長調 作品40の1 《軍隊》、ポロネーズ第4番 ハ短調 作品40の2、ポロネーズ 第5番 嬰ヘ短調 作品44、ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 《英雄》、ポロネーズ 第7番 変イ長調作品61 《幻想》
録音:1975年11月 ウィーン
「演奏している解釈者を意識することなく、聴き手は音楽の真の核心へと誘われる」英グラモフォン誌(1980)―ポリーニの「現代的」視点によるショパンのポロネーズ。
Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Concerto for Piano no 5 in E flat major, Op. 73 "Emperor"
• 演奏者 : Pollini, Maurizio (Piano)
• 指揮者 : Bohm, Karl
• 楽団 : Vienna Philharmonic Orchestra
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集、合唱幻想曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15、ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:オイゲン・ヨッフム
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37、ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58、ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 《皇帝》
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:カール・ベーム
ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 作品80
ガブリエラ・レッヒナー、グレッヒェン・イーダー(ソプラノ)、エリーザベス・マッハ(アルト)、ヨルグ・ピータ、アンドレアス・エスダーズ(テノール)、ゲルハルト・イーダー(バス)
ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:クラウディオ・アバド
録音:1976年6月、1978年5月、1982年10月、11月、1986年9月ウィーン
ポリーニによる最初のベートーヴェン協奏曲全集。ベームの逝去により、第1番と第2番をヨッフム指揮で、また、合唱幻想曲をアバド指揮で完結。
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 他
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11
【以下は引用】
http://www.kajimotomusic.com/artists/index.php?submenu_exp=6&main_content_exp=76#ja
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調、灰色の雲、凶星!、悲しみのゴンドラⅠ、リヒャルト・ワーグナー ― ヴェネツィア
録音:1989年6月 ミュンヘン
発表当時、大論争を巻き起こしたリストの最高傑作、ロ短調ソナタの複雑且つ緻密な構造を、あますところなく表現し尽くすポリーニの驚異の構築力!
ドビュッシー:12の練習曲、ベルク:ピアノ・ソナタ 作品1
録音:1992年10月 フェラーラ
ポリーニの感性によって磨きぬかれ、真価を新たにされた「ショパンの思い出」に捧げられたドビュッシーの《練習曲集》とベルクの作品1。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番、第21番
モーツァルト: ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453、ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ&指揮)
録音:2005年5月 ウィーン〈ライヴ〉
モーツァルト生誕250年を祝った2006年にリリースされた弾き振りによるライヴ録音。比類なく美しい詩情溢れるモーツァルト!
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV.846-869
録音:2008年9月&2009年2月 ミュンヘン
ポリーニが窮めるピアノの旧約聖書(=平均律クラヴィーア曲集)、初のバッハ録音!
20年以上もの長きにわたりリサイタルでは平均律を弾いてきたにもかかわらず、この録音に同意する前に集中的に再度作品を研究したポリーニ。その作品に対する謙虚さと献身は、解釈というより啓示といえる超越した演奏といえるでしょう。
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
パウル・クレツキ(指揮)
録音時期:1960年4月20-21日
録音場所:ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
録音方式:ステレオ(セッション)
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もし、これが自選集ということであると、ポリーニは相当、絞り込んでいると感じる。ほかにも名盤は多いと思うが、よほど自信のあるものに限定をしたのか、あるいは売れ筋を考えてのポピュラー向けか。最後に簡単なプロフィールを。
1942年ミラノ生まれ。1960年ショパン・コンクールで審査員全員一致の優勝を飾る。ヨーロッパ、アメリカ、日本の中心都市であらゆる主要オーケストラや指揮者と共演、リサイタルを行う。1995年「ピエール・ブーレーズ・フェスティバル in Tokyo」のオープニングを飾るリサイタルを行った。1995年と1999年にザルツブルク音楽祭で、1999年から2001年にかけてはニューヨークのカーネギーホールで、自らの企画によるコンサート・シリーズを展開し、次いで2002年秋には「ポリーニ・プロジェクト2002 in 東京」を実現した。
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