このボックス・セットを手にとるリスナーはストラヴィンスキー通だろう。3大バレエはシャイー、デュトワの定評ある名演で固めており文句なし。それ以外は、下記のとおりシャイー、アシュケナージが中心でいずれもストラヴィンスキーは得意の演目。気を衒わず、しかしオーケストラ・コントロール抜群のシャイーとマザー・ランドのロシアもので燃焼度の高いアシュケナージー演奏スタイルは異なるが、どちらも楽しめる。あとの3曲はハイティンク、ビシュコフが振っている(1984-95年にかけてのデジタル録音)。
このセットのもうひとつの楽しみ方はオケの競演。コンセルトへボウ、クリーヴランド、ベルリン・ドイツ、モントリオール、サンクト・ペテルブルク、ベルリン・フィル、パリ管弦楽団の7大オケの聴き比べも一興。この値段で、ストラヴィンスキーのバレエ、管弦楽曲をカヴァーできるのは有難い。
(指揮者別収録内容)
『ペトルーシュカ』(1947年版),『プルチネッラ』、『ミューズを司るアポロ』/ コンセルトへボウ
『春の祭典』/ クリーヴランド管弦楽団
『うぐいすの歌』、『詩篇交響曲』/ ベルリン放送交響楽団
◆デュトワ:
『火の鳥』全曲 / モントリオール交響楽団
◆アシュケナージ:
『結婚』、『ムーヴメンツ』、『カルタ遊び』、『オルフェウス』、『アゴン』、『カプリッチョ』、『交響曲ハ長調』、『3楽章の交響曲』、『管楽器の交響曲』/ ベルリン・ドイツ交響楽団
『花火』、『交響曲変ホ長調』、『幻想的スケルツォ』/ サンクト・ペテルブルク・フィル
◆ハイティンク:
『バレエの情景』、『ロシア風スケルツォ』/ ベルリン・フィル
◆セミヨン・ビシュコフ:
『妖精の口づけ』/ パリ管弦楽団
<本集の注目5点>
◇春の祭典
◇ペトルーシュカ
◇火の鳥
◇カルタ遊び、オルフェウス、アゴン
◇交響曲
(参考1)
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