水曜日, 11月 23, 2011

ゲルギエフⅦ チャイコフスキー交響曲第5番



 下記の6番(マリインスキー劇場管弦楽団)のまえにウイーン・フィルとの5番を聴く。6番ほどではないが、これも良い演奏だ。

ウイーン・フィルはだいぶん、個性を殺してこの将来有望株と目線あわせをしているなと感じた。6番での魅力は「低弦のぶ厚い音響を強調しつつ金管が効果的にこれに被さる」点にあると思ったが、ウイーン・フィルでは低弦の威力はそう感じない。また、金管も亀裂的ではなくむしろ完璧な質量でオーバーラップさせている。だがその過不足ない音量、涙がでるくらい巧い。

まてよ、こうした演奏は過去にも聴いたなと思った。ブルックナーの5番におけるクレンペラーとの共演が思いだされた。 


ただ鳴らすだけの演奏とはまったく異質。頭脳的な解釈に特色。ジャケット付属のインタビューにもあるが、むしろ、チャイコフスキー解釈をウイーン・フィルと共有することに意義があるという基本スタンスは聴いていて、随所でなるほどと思う。ライヴなので拍手、ブラボーが当日の出来を如実に示しているだろう。この邂逅は、シェーンブルン・サマー・ナイト・コンサート2011にいたる両者のその後の幸福な関係を築いたろう。実力派ゲルギエフの面目躍如たる記録。
【以下は引用】 
  HMV レビュー

チャイコフスキー:交響曲第5番
ゲルギエフ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


冒頭で提示する「運命の主題」が全編に亙って様々な形で再現され、この主要主題
が全曲を統一する第5番は、交響曲作家としてのチャイコフスキーの名声を不動の
ものにした記念すべき傑作で、作品の根底には当時のロシアの時代思潮が色濃く
流れています。カリスマ指揮者と称されるゲルギエフが灼熱の指揮ぶりでウィーン・
フィルハーモニーをドライヴした、1998年のザルツブルク音楽祭での熱狂的な演奏を
ライヴ収録したディスクです。(ユニバーサルミュージック)

【収録情報】
・チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 作品64
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ

録音:1998年7月、ザルツブルク(デジタル、ライヴ)

http://shokkou3.blogspot.com/2011/08/blog-post_20.html

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