ヴィヴァルディの歌劇『テルモドンテのエルコレ』全曲
ヴィヴァルディの歌劇『オリンピアーデ』R725
ヴィヴァルディの歌劇『アルジッポ』全曲
ヴィヴァルディの歌劇『狂人を装ったオルランド』全曲
ヴィヴァルディの歌劇『救われたアンドロメダ』全曲
ヴィヴァルディの歌劇 『グリセルダ』全曲
ヴィヴァルディの歌劇 『モンテズマ』全曲
ヴィヴァルディの歌劇『ファルナーチェ』
ヴィヴァルディの歌劇『ポントスのアルシルダ王妃』
ヴィヴァルディの歌劇『ティト・マンリオ(ティトゥス・マンリウス)』
上記10のほかにも歌劇『王宮のオットー』ヒコックス/コレギウム・ムジクム90といった作品もある。
そのうち『ファルナーチェ』について。「モーツァルトのオペラ『ポントの王ミトリダーテ』に、重要な役柄として登場することでも知られるファルナーチェは、紀元前185年から160年頃まで王位に在った実在の王。武勲と愛憎劇に満ちた彼を題材としたオペラを、ヴィヴァルディが作曲したのは、1727年のこと。同年の謝肉祭シーズンにヴェネツィアのサンタンジェロ劇場で初演された『ファルナーチェ』は好評を博し、幾度か再演される」(HMVから引用)。
この『ファルナーチェ』の再興も機縁となってか、近年、ヴィヴァルディ歌劇には大きな関心が寄せられるようになった。
歌劇『モンテズマ』は、これも王室系物語でありアステカ王とスペインの征服者の確執を描く作品。「戦時中、ソ連軍によって奪われていた貴重な楽譜資料が1999年にベルリンに返還され、ベルリン・ジングアカデミーの資料の中からこの『モンテズマ』の草稿譜(断片)が発見されたのが2002年のこと」(同上)。
歌劇『救われたアンドロメダ』も、2002年の4月にヴェネツィアのベネデット・マルチェッロ音楽院の書庫から発見されたもの。
「この作品は、ヴィヴァルディの作曲であることが明らかなアリアが含まれているため、フランスの音楽学者オリヴィエ・フーレによって『ヴィヴァルディの未発見のオペラ』として発表されました。
一方で、当時流行していた『パスティッチョ』(複数の作曲家の作品を題材に用いたつぎはぎオペラ)である可能性もあり、その真の作曲者については現在も大いに論争)(同上)を呼んでいると言われる。
歌劇『狂人を装ったオルランド』はアレッサンドロ・デ・マルキが2003年12月に復活上演を行い、また、歌劇『グリゼルダ』は2005年9月10月にスピノージがパリのシャンゼリゼ劇場、アンブロネ音楽祭などで上演、ともに絶賛を博したことで世に広く知られるようになった。
歌劇『アルジッポ』はさらに最近の推理小説のような出来事を反映している。「『アルジッポ』は、1730年にプラハのスポルク伯爵の劇場で初演されたものの、楽譜は長らく行方不明。指揮者のマチェクは、初演のオペラ団がその後ドイツのレーゲンスブルクに移動したことを突き止め、当地の図書館を調査、2006年11 月に全体の三分の二にあたる楽譜を発見。さらに同時代の他のオペラから欠落部分を補い、ついに『アルジッポ』を蘇えらせることに成功した」(同上)という代物である。
今後、ヴィヴァルディがモーツァルトのオペラようにメジャーな演目になるかどうかはわからないが、これだけ旺盛な歌劇作曲家であったということを、音楽史ではなく、生きた音楽をして聴けるのは嬉しいことである。特に歌劇は、ライヴでの優れた歌手による表現力なくして聴衆にその魅力が伝わらない以上、今後の取り上げの頻度と聴衆の支持が決め手になるだろう。
日本でもヴィヴァルディは「四季」を通じて潜在的なファンは多い。歌劇で新たな作曲家の横顔にどれくらい接することができるかどうか。
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