HMV レビュー
ヴィヴァルディ:歌劇『モンテズマ』全曲
世界初、2002年にベルリン・ジングアカデミーで発見された草稿譜に基づく録音
CD3枚組で2枚価格
新発見資料に基づく世界初録音。存在が知られていたものの、楽譜が消失して聴くことのできなかった幻のオペラが遂にCD化されます。
戦時中、ソ連軍によって奪われていた貴重な楽譜資料が1999年にベルリンに返還され、ベルリン・ジングアカデミーの資料の中からこの『モンテズマ』の草稿譜(断片)が発見されたのが2002年のこと。当盤は、この草稿譜に基づいて、古楽のエキスパート、アラン・カーティスが指揮をとり録音されたもので、同一曲名を称して出回っているディスクとは異なった、正真正銘の世界初お目見えとなるものです。
しかも、キャスティングには現在望み得る最高の歌手陣を擁しており、歴史に残る再発見となった『モンテズマ』全曲を限りなくベストな形で音楽再現しようという、DGの並々ならぬ意気込みが感じられます。
アステカ王とスペインの征服者の確執という、カラフルでエキゾチックな物語を持つヴィヴァルディの野心作『モンテズマ』は、ヴィヴァルディ・ファンのみならず、すべての音楽ファンに広く耳を傾けて頂きたい歌劇です。
3枚組で2枚分の特別価格となります。(国内盤は4月、通常3枚価格で発売予定)
【ベルリン・ジングアカデミー】
メンデルスゾーン(大作曲家フェリックスの祖父モーゼス)の指揮でマタイ受難曲を蘇演したことでも有名な合唱団。貴重な楽譜を多数所蔵していましたが、ソ連軍進駐の後に失われたと考えられていました。1999年にキエフでそれらの貴重な資料が再発見され話題になったことは記憶に新しところ。『モンテズマ』の楽譜使用著作権を保有している団体。
・ヴィヴァルディ:歌劇『モンテズマ』全曲 RV.723
ヴィト・プリアンテ(Br)、マリヤーナ・ミヤノヴィチ(A)、
ロベルタ・インヴェルニッツィ(S)、(A)、ロミーナ・バッソ(M)、
インガ・カルナ(S)、他
イル・コンプレッソ・バロッコ
アラン・カーティス(指揮)
録音:2005年[デジタル]
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