日曜日, 5月 20, 2012

ヴァルヒャ 2




ヘルムート・ヴァルヒャのオルガンを聴いたあと、同じヴァルヒャでチェンバロを聴きたくてCDラックから取り出してくる。シェリングのバッハは、いわずと知れた「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」(全曲)でも「ヴァイオリン協奏曲集」でも孤高、不朽の名演をのこしており、この組み合わせは最善、最強まちがいがない。しかも、先行レビュアーの方がコメントしているように、ヴァルヒャ唯一の協奏という希少性がある。

ここでもヴァルヒャのバッハ像はときに軽快で大らか、悲歌(エレジー)を思わせる曲にも背後からほの明かりが射すような温もりを感じさせ、シェリングのいささかパセティックな鋭角的な響きを包んでいるような印象をうける。両巨匠の素晴らしい掛け合いが緊張感をもって持続する。歴史的名盤、是非、再販を望みたい。

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