http://alchetron.com/Albert-Roussel-1224049-W
ルーセルの音楽は、いい意味でストラヴィンスキーの激しいリズム感とドビュッシーの馥郁たるメロディをあわせもっている。その一方、両者ほどの独創性はないものの、音楽が古典的な調性にのっとり聴きやすい一方、単なる折衷的なものを超える心理的屈折性や彼独自のパッション(表現のアクセント)の強さもある。
本アルバム所収の「バッカスとアリアーヌ」(第1、2組曲:1930年作曲)と「くもの饗宴」(1913年)では、前者はストラヴィンスキーを、後者はドビュッシーの音楽との近似を実感させるが、両曲ともにバレエ音楽であることから、ストーリーに沿って聴くことで受容もしやすいだろう。
マルティノンの演奏は微細に神経のゆきとどいた規準版ともいえる、こよなく見事なもの。なお、「くもの饗宴」では古いトスカニーニの演奏も驚くほどの切れ味である。
【以下は引用】
バレエ ≪バッカスとアリアーヌ≫ 作品43 第1組曲 Allegro con brio - Allegro molto - Andante - Meno allegro
バレエ ≪バッカスとアリアーヌ≫ 作品43 第2組曲
バレエ ≪くもの饗宴≫ 作品17
録音:1969年、1971年
(内容紹介)
ルーセルは厳しい自己批判の精神を持った作曲家で、遅咲きながらずっしりとした内容のある曲を残しました。ギリシャ神話に基づくバレエ「バッカスとアリアーヌ」は60歳を過ぎてからの作品ですが、躍動的なリズム感と推進力に満ち溢れたルーセルの面目躍如とした音楽。マルティノン指揮のフランス国立放送管弦楽団の多彩な音色も、このアルバムの大きな魅力です。
0 件のコメント:
コメントを投稿