月曜日, 8月 05, 2024

神話と音楽 オリンピーアデ

 歌劇『オリンピーアデ』全曲(16人の作曲家による) クリシコス&ヴェニス・バロック管、バッソ、ゴヴァン、他(2011 ステレオ)(2CD)

【以下は引用】
ぜーんぶ『オリンピーアデ』!
16人の作曲家による
メタスタージオの大人気オペラ台本『オリンピーアデ』


18世紀のイタリア・オペラで最も広い影響力を持っていたのは、作曲家ではなくて台本作家でした。ローマ生まれのピエトロ・メタスタージオ[1698-1782]は、1730年夏にウィーンの宮廷詩人になると、優れたオペラ台本を多数執筆、多くの作曲家がメタスタージオの台本に曲をつけました。たとえばモーツァルトが1791年に発表した『ティートの慈悲』もメタスタージオの台本を基にしていますが、このオリジナルは1734年のカルダーラのオペラで、その間に40人近い作曲家が音楽を付けているといいます。
そのメタスタージオの台本の中でも特に人気が高かった一つが『オリンピーアデ』。1733年のカルダーラのオペラから60人以上の作曲家によってオペラ化されたといいます。最も有名なものはヴィヴァルディで、「naive」からアレッサンドリーニが指揮したCDがあります(OP30316)。またペルゴレージとガルッピの同名作も既に復活しています。
今回のCDは、メタスタージオの台本に曲をつけた
レオナルド・レーオ
ヨハン・アドルフ・ハッセ
バルダッサーレ・ガルッピ
ジュゼッペ・サルティ
ヨゼフ・ミスリヴェチェク
ジョヴァンニ・パイジエッロ
ダヴィデ・ペレス
アントーニオ・ヴィヴァルディ
フロリアン・レオポルト・ガスマン
アントーニオ・カルダーラ
トンマーゾ・トラエッタ
ニッコロ・ヨンメッリ
ルイージ・ケルビーニ
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ
ニッコロ・ピッチンニ
ドメニコ・チマローザ

のオペラから曲を選んで一本にまとめたもの。当然曲ごとに個性は異なるものの、同じ台本を下地にしていることで意外に連なりで聴くことができます。一方、レチタティーヴォが含まれていませんので、18世紀半ばから末にかけてのイタリア・オペラの曲集としても楽しめます。
「naive」のバロック録音ですから、優秀な歌手が集められています。カリーナ・ゴヴァン、ロミーナ・バッソ、ルース・ロジクなど近年バロック・オペラ好きなら御存知の名歌手に加え、ドイツのメゾ、フランチスカ・ゴットヴァルト、ギリシャのカウンターテノール、ニコラス・スパノスら、いずれも高水準。ヴィヴァルディで有名なヴェニス・バロック・オーケストラを指揮するのは、ギリシャ生まれの若いチェンバリスト、マルケロス・クリシコス。颯爽と引き締まった音楽作りで快適に聴かせてくれます。(キングインターナショナル)

【収録情報】
・16人の作曲家による歌劇『オリンピーアデ』
台本:ピエトロ・メタスタージオ

ロミーナ・バッソ(Ms メガークレ)
フランチスカ・ゴットヴァルト(Ms リチーダ)
カリーナ・ゴヴァン(S アルジェーネ)
ニコラス・ファン(T クリステーネ)
ルース・ロジク(S アリステア)
ニコラス・スパノス(CT アミンタ)
ヴェニス・バロック・オーケストラ
マルケロス・クリシコス(指揮)

録音時期:2011年8月
録音場所:モンドヴィ
録音方式:デジタル

【オリンピーアデ あらすじ】
古代ギリシャのシキオン。当地の支配者クリステネはオリンピックの試合を催し、その優勝者に褒美として娘アリステアとの結婚を認めることにしている。アステリアはアテネ人メガークレと相思相愛の仲だったが、クリステネは二人の仲を認めなかった。一方、クレタでメガークレを暴漢から救ったリチーダは、メガークレに自分の名で試合に出場してほしいと頼み、優勝の褒美が恋人とは思ってもいなかったメガークレはこれに応じる。リチーダはクレタの王女アルジェーネという婚約者がいたのだが、彼女の父王に結婚を反対されてしまい、結果アルジェーネは行方不明になってしまった。実はアルジェーネは羊飼いの娘リコーリと偽り、やはりシキオンにやって来る。リチーダとして優勝したメガークレは、絶望してアステリアに真実を告げる。事が発覚しリチーダは捕らえられる。アリステアとメガークレはそれぞれ自殺を図るが失敗。リチーダを助けるため、正体を明かしたアルジェーネがリチーダからの贈り物をクリステネ示すと、リチーダは幼い頃に捨てられたクリステネの息子と判明。クリステネは全てを許し、リチーダとアルジェーネ、そしてメガークレとアリステアが結ばれる。

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